米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手(45)が、引退を発表しました。野球の業績はもちろん、「イチロー語録」と称される「名言」にも注目が集まるイチロー選手ですが、今回の引退会見でも、翌日のヘッドラインを飾った「名セリフ」を残してくれました。あの「名セリフ」、英語ではどう言うのでしょうか。菊池雄星がイチローから贈られた「ギフト」とは?日米通算4367安打の偉業を達成したイチロー選手。「最低50歳は現役でやる」と公言していただけに、突然の引退宣言にショックを受ける人も多いのでは......。そう思って海外メディアの引退報道をウオッチしてみたら、意外にも(!)引退を惜しむ声よりも、すばらしい業績をたたえる報道が目立ちました。まるで、世界中から「イチロー、よくやった!」と、労う声が聞こえてきそうです。BaseballlegendIchiroretires(野球のレジェンド、イチローが引退した)BaseballgreatIchiroSuzukiretiresatTokyo(野球の偉人、スズキイチロー(鈴木一朗)が東京で引退した)IchiroFinishesaMagnificentMLBcareerinJapan(イチローは、堂々たる大リーグでのキャリアを日本で終えた)magnificent:堂々とした、見事なイチロー選手の引退発表には、ドイツの名門サッカーチーム・バイエルンが公式ツイッターで「イチローの偉大さを認識する必要がある」と異例とも言えるメッセージを発信するなど、世界中から称賛の声が相次ぎました。そんななか、私が印象に残ったのは、マリナーズの菊池雄星選手のこのことばです。PlayingwithIchirowasahappytimeforme.Itwasagift(イチロー選手とプレイできたのは、幸せなひとときだった。まさに、ギフトだ)イチロー選手と入れ替わるようにマリナーズに入団した菊池選手。イチロー選手に負けない活躍を期待したいですね。歴史に残るあの「名セリフ」、どっちの英訳がいい?日米の野球界で28年間プレイをしたイチロー選手。引退試合となった東京ドームでのアスレチックス戦では、試合終了後も多くのファンが球場に残り、スタンディングオベーションで偉業を称えました。試合後の記者会見で、引退の決断に「後悔はないのか?」と記者から問われたイチロー選手は「今日の球場でのできごと、あんなものを見せられたら、後悔などあろうはずがありません」と返答。この、「後悔などあろうはずがありません」のひと言が、翌朝の新聞のトップを飾りました。この、歴史に残るであろう「名セリフ」を、英語では何と言うのでしょうか?実際に世界に流れた「英語訳」を比較してみると......。Iregretnothing(後悔するものは何もない)HowcouldIpossiblyhaveanyregrets?(どうすれば、後悔などできるのでしょうか?=後悔などできはしない)伝えている事実は同じですが、訳によってこんなにもニュアンスが異なるのですね。私は、「後悔しようと思ってもできない」というニュアンスを含む後者のほうが、イチロー選手の心をうまく表現しているように思えます。みなさんはいかがでしょうか。では、「今週のニュースな英語」を。イチローの歴史的名言から「HowcouldIpossibly~」(どうして~などできようか=~できない)を取り上げます。「~できない」を強調したいときに使う反語表現です。HowcouldIpossiblyforget?(どうすれば忘れることができるのか?=絶対に忘れない)HowcouldIpossiblyloveyoumore?(どうすれば、あなたをもっと愛することができるのか?=これ以上愛することはできない)HowcouldIpossiblyanticipateitsevolution?(どうすれば、進化を予測することができるのか?=進化を予測できない)イチロー選手が残してくれた偉業は、記録だけではありません。これからも、数々の「イチロー語録」を届けてくれることを期待したいと思います。(井津川倫子)
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