2019年 11月 12日 (火)

その81 「欠席」の返事まで求める案内状 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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   会社勤めをしていた頃の同僚が昨年(2018年)の秋に亡くなった。葬儀にはちゃんと出席し、十分に弔意を表してきたつもりである。

   少し前、そんな彼の「偲ぶ会」をやるという案内状が届いた。

  • 「出席」か「欠席」かの返事を迫る案内状。
    「出席」か「欠席」かの返事を迫る案内状。

「出席」「欠席」どちらかに○印をつけさせる

   普通、偲ぶ会というものは、亡くなった時は「家族葬」などで簡素に済ませたので、改めて皆が集まって...... という場合が多いのではないだろうか。

   彼のように、葬儀そのものがきちんと行われたのに、偲ぶ会までやるというのは珍しいように思う。まあ、それだけ故人に人望があったのだろう。それはそれで結構なことである。

   案内状を見ると、まずは「出席」「欠席」という項目があり、どちらかに○印をつけるよう求めている。亡くなった同僚や発起人には申し訳ないが、僕は葬儀に加えて偲ぶ会にまで出る気がしない。

   出たら、きっとあいさつをさせられるだろう。それも、遺族の前でやるのだから、故人を褒めなければならない。どのように褒めるか、気が重い。

   しかし、「欠席」に○をつけるのはかなり勇気がいる。「ご伝言」という欄もあるから、欠席の理由を何か書かなければならない。「先約があるため」では、どこか嘘っぽい。何と書けばいいのだろうか。

「知恵」のある同窓会の案内状

   この偲ぶ会に限らない。学校の同窓会にしろ、会社のOB会や結婚式にしろ、あるいはお花見にしろ、会合の案内状は普通、「出席か欠席か」の返事を求めてくる。

   でも、たとえば格別に重要な会議かなんかは別として、偲ぶ会くらいでは、求めるのは「出席」の返事だけでいいのではないか。出席と返事しなければ「欠席」だ。そのようにしてくれれば、こちらも気が軽くなる。

   そんなことを飲み友達に話していたら、「いや、僕の母校の高校ではね」と、たまたま持っていた同窓会の案内状を見せてくれた。

   その返信用のはがきには、印をつけるべき項目として「出席」「住所等変更」「今後、案内状不要」という3つが書かれている。そして、それらの前には、わざわざ赤い字で「下記に該当される方のみ投函してください」とある。

   つまり、「欠席」の人はわざわざ連絡する必要はありませんというのである。「今後、案内状不要」も、たとえば、もう年も取ったし、同窓会なんかには関わりたくない、といった人たちへの配慮だろう。

   この高校は九州の名門公立校だそうだが、なかなかに「知恵」のある案内状である。いろんな会合の発起人や幹事さんにはぜひ見習ってほしい。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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