きょうから新年度(2019年度)がはじまった。あと5時間後には新元号も発表される。例年であれば、3月の年度末を挟んで、株式相場が乱高下するケースが多く見られるだけに、お祝いムードによるプラス効果がどう影響するのか、気にかかる。一方、米国の景気減速への懸念や、EU(欧州連合)離脱問題をめぐる英国の政治不安や欧州経済の悪化を警戒感が募る。その影響もあって、ドル円相場は不透明感が拭えない。どうなる?今週の株式・為替マーケット!東京株式市場 新年度入り、投資家の動きに注目日経平均株価予想レンジ:2万800円~2万1500円2019年3月29日(金)終値 2万1205円81銭今週の日経平均株価は、上値の重い展開が予想される。前週の日経平均株価は、大幅下落となった。米国株式市場が景気後退懸念の強まりから大幅下落した影響を受け、日経平均株価も大きく値を下げた。ただ、週末の3月29日には、28日の米中貿易協議の進展期待を背景に米国株式市場が上昇した流れを受け、日経平均株価は3日ぶりに反発した。今週の日経平均株価は、名実ともに新年度入りする中で、投資家の動向が注目される。米国の経済指標は予想を下回るものが多く、米国の景気減速への懸念が強まっているものの、新年度入りによる投資家の「買い」が入れば、日経平均株価は意外にしっかりした展開になる可能性がありそうだ。注目は、米中貿易協議の進展。前週末の中国での協議に引き続き、4月3日からは米ワシントンで協議が継続される。米中首脳会談の実現に向け、大きな進展があれば、株式市場にとって強い支援材料になりそうだ。また4月1日、まもなく新元号が発表されるので、それが株式市場にどのような影響を与えるのかが注目される。経済指標は、国内では4月1日の3月の日銀短観、5日の2月の家計調査、2月の景気動向指数など。米国では、1日の2月の小売り売上高、3月のISM製造業景況指数、3日は3月のADP(オートマチック・データ・プロセッシング)雇用統計、3月のISM非製造業景況指数、5日には3月の雇用統計などが発表される。東京外国為替市場 米中貿易協議しだいではドル買いも......ドル・円予想レンジ:1ドル=109円00銭~111円50銭2019年3月29日(金)終値 1ドル=110円84銭今週の外国為替市場は、ドル円相場で米中貿易協議の進展状況と米国の経済指標が焦点となりそうだ。前週の外国為替市場で、ドル円相場は一時1ドル=109円台になるなど円高が進んだが、週末の3月28日には米中貿易協議への進展期待から米国株式市場が上昇。それに伴い、「ドル買い・円売り」の動きが強まり、1ドル=110円台後半までドルが上昇した。今週の外国為替市場でドル円相場は、4月3日からは米ワシントンで始まる米中貿易協議が進展するようであれば、ドル買いの強い支援材料になりそうだ。また、米国で2月の小売り売上高、3月のISM製造業景況指数、3月のADP雇用統計、3月のISM非製造業景況指数、3月の雇用統計などの発表が相次ぐ経済指標が注目される。市場予想を上回る結果が出れば、米国の景気後退懸念が後退。ドル円相場は「ドル高・円安」が進みそうだ。経済指標では、国内で4月1日発表の3月調査の日銀短観、米国の5日発表の3月の雇用統計などは注意が必要だろう。(鷲尾香一)
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