2024年 4月 27日 (土)

アナログの逆襲がはじまった 「ポストデジタル経済」は「昭和」が新しい!(気になるビジネス本)

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新聞「紙」はデジタルに太刀打ちできない

   それでは新聞はどうだろうか。雑誌に比べ「新聞の未来はそこまではっきりしていない」のが実情のよう。新聞ビジネスの側が、アナログの「紙」を「最新情報を伝える手段」ととらえ続けるならば「デジタルに太刀打ちできない」のは明らかだ。「新聞が貴重なアナログ手段であり続けようとするならば、新聞という概念を見直す必要がある」という指摘は、その通りに違いない。

   米ニューヨーク・タイムズはデジタル版読者の獲得に成功している数少ない新聞の一つだが、同紙が2014年に読者の日常的な新聞習慣を調査したところ、新規購読者にはかなり多くの若者がいることが分かり、しかも彼らが積極的に紙の新聞を選んでいることが分かった。また、デジタル版読者より記事を読む平均時間が長いことも分かった。

   米英の新聞各社が講じたのは、紙とデジタルの差別化だ。印刷版のニューヨーク・タイムズが支持されているのは、リンクや関連情報なしに読めるからだと編集幹部は考えている。英ガーディアンは、最終的にはうまくいかなかったが、ウェブサイトの情報を利用しながら未来に適応する紙媒体に取り組んだこともある。また英デーリー・テレグラフはデザインなどで紙の方が「高級品」という認知化をすすめ、いまも収益の大半は紙の発行から得ているという。

   ニューヨーク・タイムズなど一部を除けば、新聞のデジタル版では有料だと購読者が伸びないのが現状。インターネットでは無料で公開して広告収入を目指すのが大半だ。ネットでは、グーグルとフェイスブックは、アクセス量の流れをコントロールして広告料を効果的に設定している。一方で、デジタルメディアは、広告料獲得のため数百万の「目線」獲得に動くが、これらは一瞬の増加が多い。ユーザーは一瞬しか広告を目にとめないので掲載料は少なくなるという。新聞にとっては「ポストデジタル経済」も明るいニュースとはいえないようだ。

アナログの逆襲
~ 「ポストデジタル経済」へ、ビジネスや発想はこう変わる ~
デイビッド・サックス 著、加藤万里子訳
インターシフト/合同出版発売
税別2100円

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