2019年 5月 22日 (水)

「仕事ができるだけじゃダメ」と言われ悲しい! 派遣社員の投稿が炎上、専門家に聞いた

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   「仕事ができるだけじゃダメなのよ」――。派遣先の女性の正社員からこう言われてショックを受けた女性派遣社員の投稿が炎上ぎみになっている。

   職場の雑談にも応じない契約社員の仕事一途の姿勢が、人間関係を大事に思う正社員から嫌われたのだが、ネット上では「正社員が正しい」という声が圧倒的だ。契約社員はどういう働き方を心がけたらよいか、専門家に聞いた。

  • 職場の雑談も仕事のうち?(写真はイメージ)
    職場の雑談も仕事のうち?(写真はイメージ)

暇な職場で正社員の雑談に加わらないと......

   話題になっているのは、女性向けサイト「発言小町」(2019年4月22日付)に載った「『仕事ができるだけじゃダメなのよ』と言われました」というタイトルの投稿だ。

   投稿者は、アラフィフの女性派遣社員。派遣先の女性正社員にこう言われ、「なぜこんな悲しいことを言われなければならないのかと、悶々としています」と悩みを綴っている。

   派遣先は小さな支店で、古くて、お世辞にもキレイとはいえない会社。ただ、時給がよかったので決めたという。仕事は簡単。一緒に働いている正社員の女性も「仕事がない時は勉強していてもいいですよ」などと言い、上司とよく雑談をしている。のんびりした職場らしい。

「私は仲間に加わりません。いろいろな表や資料を一生懸命作り、仕事をやりやすくしています。お茶出しは、仕事の一つとして言われていたのでやりますが、仕事外のゴミ捨てやトイレ掃除、片付けは正社員の女性がやります」

   ところが、契約内容の仕事をきっちりとこなしているのに、正社員女性が「人数が少ない支店なんだから、仕事だけしていたら更新してもらえないよ」と言うのだった。「それを決めるのは、上司であってあなたではない」と言い返すと、彼女はため息をついて「そうかもしれないけど、あなたと2人きりでいる時間がつらい」と衝撃のひと言をもらしたのだ。

   「会社ですよ? 仕事をしに来ているのに、なぜこんなことを言われるの? 私のほうがつらい」と投稿者は結んでいる。

仕事はそこそこでも一緒に働いて楽しい人がいい

   この投稿に対する反応は、投稿者への同情や共感はほとんどなく、「正社員のいうとおり。仕事ができるだけではダメ!」という猛批判ばかりだった。

「派遣だし、会社だし、仕事ができればいいじゃない、という意見もわかるけど、雑談で培う人間関係が仕事を円滑にする。仕事はそこそこでいいから一緒に働いてイラっとしない楽しい人のほうがいい、という正社員の気持ち、わかるなあ。上司が『正社員がそういうなら、派遣はいくらでも交換可能』と更新してくれなくなるよ」

「雑用も仕事のうち。あなたもゴミを捨てたりトイレを使ったりするのだから、派遣も正社員も関係なく、みんなでゴミ捨てもトイレ掃除もやるのが当たり前でしょ。なぜ正社員だけにやらせて平気なのか、神経を疑います」

「私も何度か転職しましたが、採用された時に『他にスキルのある方がいたが、一緒に働きたいと思ったのはあなたです』と言われたことが何回かあります。とても嬉しかった。今からでも遅くないので、あなたが休みの日は、なんだかさみしいなと思ってもらえるような関係になってください」

などと、仕事オンリーではなく、人間関係を大切にしたほうがよいという意見が圧倒的だった。

派遣社員がすべきことは「自分の力をアピール」ではない

   また、派遣社員は「出過ぎるべきではない」という意見も多かった。

「あなたは心得違いをしています。派遣社員がすべきことは、自分の力をアピールすることではありません。派遣先の指示に従うこと。いろいろな表や資料を作って仕事をやりやすくしているというけど、それは会社から指示された仕事? 指示されていないのなら給料泥棒です。大事なのは、派遣先の人々が望むか望まないか。派遣先の正社員が『多少の雑談をしてほしい』『余計な仕事できますアピールは、疲れるからしないで』と望んでいるのなら、それがあなたのすべき仕事です」

「私の職場にもあなたのような人がいました。自分なりの工夫(?)なのか、別に頼んでもないことをやって、仕事ができる風にしていました。人の話も聞かないし、仕事しているから関係ないでしょって雰囲気を出していましたが、結局は契約更新なしとなりましたよ」

「いろいろな会社がある。例えば、毎日100個の製品を作れば十分な会社で、毎日200個作れるよう業務を効率化したら、どうでしょう。喜ばれるとは限りません。しかも『私のやり方なら200個作れるのに、みんなやる気あるの?』的な態度だったら総スカンでしょう。あなたは、経営再建中の会社へコストカッターとして派遣されたわけではありませんよ」

   また、派遣社員は仕事の能力よりもむしろ、職場の人間に好かれた方が契約更新のチャンスが高いというアドバイスさえあった。

「とある施設に、非常勤として1年契約された私、A子、B子。私とA子はバリバリできるタイプではなく、PC操作も遅い。戦力になれない代わりに、雑用は積極的にやりました。B子は、得意のPC作業から離れず、雑用はしませんでした。元々あったフォーマットも、『こっちのほうが使いやすい』と変えていました。1年後の更新時、私はもう1年継続、A子は関連施設を紹介されました。B子は再契約されませんでした。私はもちろん、今年から入った非常勤の人と雑用もしています」

日本の企業文化では派遣の仕事観が空回りしがち

   J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、女性の働き方に詳しい、主婦に特化した就労支援サービスを展開するビースタイルの調査機関「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長に、「仕事ができるだけじゃダメ?論争」の意見を求めた。

   ――今回の投稿騒ぎを読み、率直にどのような感想を持ちましたか? また、何が問題になっているのでしょうか。

川上敬太郎さん「投稿者は、真剣に悩んで相談していると感じました。一番の問題は、何を『仕事』だと考えているかという認識のズレではないかと思います。派遣という働き方は、典型的な職務型です。いつからいつまでの期間に、どんな業務に携わるかを限定し、その業務を遂行するための労働を提供する契約を結びます。

しかし、日本の企業文化は職能型と言われるものです。主な担当職務はあるものの業務範囲を厳密に限定せず、会社の意図を汲んで臨機応変に対応できる能力が重視されます。投稿者は、とても派遣社員的な仕事観を持っています。それは決して悪いことでも間違いでもありませんが、日本企業の中で派遣社員として働く場合は、日本的企業文化の特性にも配慮しておかないとうまく機能しないことが多々あります」

   ――確かに投稿者は、「契約社員として、契約内容の仕事はきっちりとこなしている。参考になる表や資料もしっかり作っている」という強い自負を持っています。契約社員の働き方として、どこが問題なのでしょうか。

川上さん「仮に、担当業務を完ぺきにこなしていたとしても、もし本人に起因する別の理由で、周囲に対して一緒に働きたくないという感情を与えてしまっているとしたら、やはり問題だと思います。会社はチーム全体で最大の成果を出すために『仕事』をする場所です。周囲と仲良く親密になる必要まではありませんが、周囲に悪感情を抱かせない程度の最低限のコミュニケーションは、求められている『仕事』の一環ではないかと考えます。

それは、チームの一員としての『務め』と言い換えてもよいでしょう。務めの範囲は、会社のカラーによって異なるもので、派遣社員としてどんな派遣先でも高い評価を受ける人は、会社ごとのカラーの違いに瞬時に適応して、うまく務めも果たしている人です。

投稿者が派遣先で今後も働きたいのなら、周囲に悪感情を抱かせないことも仕事のうちと考えて、コミュニケーションの改善に取り組むことをオススメします。一方で、職場の雰囲気が自分の仕事観に合わず、納得できないのであれば、別の派遣先に移るといいでしょう」

派遣には「自分らしさを貫きたい」というスタンスが多い

   ――回答の中には、バリバリできるタイプではないが雑用をこなした人が再契約され、バリバリやったが雑用をしなかった人は再契約されなかった例が紹介されています。また、「郷に入れば郷に従うべきだ」という声も多数ありました。契約社員の働き方として、「自分らしく仕事で成果を出せばいい」という生き方は間違っているのでしょうか。

川上さん「いいえ。むしろ、派遣という働き方を望む人は、『自分らしさを貫きたい』というスタンスをお持ちのケースが多いと思います。一般に正社員のほうが、雇用が安定する一方で、自分の希望よりも会社の都合を優先しなければならない傾向があります。従事する業務内容や勤務時間、勤務期間、勤務場所といった条件を自分の希望に合わせて働くことができるのは、派遣社員として働くメリットそのものです。

今回のケースのもう一つの問題点は、派遣元のフォローアップが足りないことです。派遣元は、会社のカラーの違いまで読み取った上で、適した人材をマッチングする必要があります。投稿者が悩む背景に、マッチングの不十分さがある気がします。投稿者の仕事に対するスタンスと、派遣先のカラーの違いを事前に察知できていれば、他の人にするか、投稿者に仕事を紹介する際に、適切なアドバイスをしていたはずです。

本来、今回のようなケースは派遣元が投稿者の相談に乗りながら二人三脚で乗り越えてほしいと思います。職場の悩みを一人で抱え込むのではなく、派遣元に相談できる協力者がいる点も派遣社員として働くメリットの一つなのですから」

(福田和郎)

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