2019年 12月 11日 (水)

業績アップのカギは中国にあり! 関西ペイントに期待するワケ(石井治彦)

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   なにか新たに投資対象になる銘柄はないかと、会社四季報業界地図(2019年版)を読み直してみた。 ふと、目にとまったのが「塗料」。「注目業界」全26件中の16番目にあった。 塗料は自分が直接使うようなことがないので取り立てて気にすることはなかったが、「なぜ、注目されるのか」、かえってそのワケが気になった。

   記事の見出しには、「巨人たちの陣取り合戦真っ最中、日本企業はからめるか」とあり、「世界番付」をみると1位、2位を米国企業が占め、日本企業は4位に日本ペイントHD、8位に関西ペイントが名を連ねている。

  • 「塗装」も海外へ!
    「塗装」も海外へ!

日本の「壁紙」文化に、塗装は似合わない

 

   総合塗料メーカーの日本ペイントと関西ペイントの株価を見ると、関西ペイントは日本ペイントの2分の1ほどで買える、1株あたり2000円前後と、これならサラリーマンには買いやすいと思った。

 

   関西ペイントを、会社四季報 最新銘柄レポート(2019年5月8日号)で調べると、【特色】のところには、「総合塗料の国内最王手級で日本ペイントと双璧。収益力は業界随一。特に自動車用塗料は国内首位で、全売上高の50%弱。また、海外事業は全売上高の60%強を占め、自動車用、建築用が成長柱」とあった。

   「会社四季報」2019年2集春号(3月15日発売)の【業績予想記事】【材料記事】のところでは、「【上向く】海外は為替目減りあるが、インド軸に値上げ効果。原料高と日本の物流費増で減益。20年3月期はインドで建築用、自動車用とも数量増、値上げ通期化。日本は工程管理など徹底。有証売却益見込まず」と記載してあった。

   5月10日に発表された2019年3月期の決算発表では、純利益が前期比2%減の174億円。20年3月期は29%増の225億円を見込んでいる。

   記事を読んで気づいたのは、日本の住宅の内壁塗装は「壁紙」が主流だが、海外はペイント塗装が主流であることだ。なぜ、このような相違が生じたのだろうかと調べると、塗料・塗装専門新聞社が運営するペイント情報サイト「CoatingMedia」に、「アメリカの住宅事情」の説明があった。

   米国では一部のエリアで集合住宅が見られるほかは、一般的には戸建て住宅への住居形態が多い。また、住宅の全供給量のうち8割近くを中古住宅が占めているという。新築住宅よりも既存住宅を取得して住みかえるほうが主流で、「買った時よりも高い価格で売って、転居する」住まいのスタイルが習慣として根付いている。

   このため、住宅を常に良好な状態に保っておくことへの意識が高いことや、内外装ともにメインテナンスの頻度が高いため、クロスなどの貼り物などに比べてハンドリングしやすいペイントが自ずと選択されるというわけだ。

   「CoatingMedia」には、「人々の暮らしとペイントとの距離感がとても近い日本にはない光景が広がっている」と書かれている。

「買い」は1800円前後とみた!

   一方、日本では「壁紙の豆知識 壁紙の歴史」によると、「日本では1960年代にマンションブームが起こり、住宅都市整備公団が供給した『団地型』のマンションが『新しい居住の形』として多くの人に受け入れられるようになった、とある。塗装よりも壁紙が重宝されたようだ。

   つまり、塗装は海外でのニーズが旺盛であるわけだ。そこで日本ペイントと関西ペイントの海外展開を比べてみたら、関西ペイントのほうがバランスがとれていた。

   会社四季報 最新銘柄レポートによると、関西ペイントは、「南アフリカ、インド、インドネシア、タイ、中国などで生産増強や工場新設など積極的な投資を展開」しているが、日本ペイントは売上高に占める中国への依存度が高いと感じた。これも、関西ペイントに好感をもった理由の一つだ。

   関西ペイントの10年の長期チヤートから推測すると、買値は1600円~2000円あたりか。中期的には1800円~2000円の範囲で推移しそう。

   今後、難航する米中貿易協議で、双方がどこで妥協点を見いだすか予測できない状況だが、中国景気に底打ち感が出てくるようであれば、中国での建築・土木などの公共投資や自動車などに使用される塗料の需要拡大が見込まれ、収益率の改善が期待できると考えている。

   これまで進めてきたM&A(企業の買収・合併)の成果を享受する段階に入ることもある。

   関西ペイントの株価は、2018年には高値3055円、安値で1610円をつけている。2019年4月8日に2233円の年初来高値をつけている。元号が変わり「令和」になって9営業日で、日経平均株価の下げ幅は1008円64銭(4月26日、2万2258円73銭→5月17日、2万1250円09銭)となっている。

   さしあたり1800円を中心に上下50円での「買い」を考えている。当面、米中貿易摩擦の推移と、実体経済に及ぼす影響から目がはなせない。

2019年5月16日現在       保有ゼロ
年初来高値   2019/4/8  2233円00銭
年初来安値   2019/1/16 1805円00銭
5月17日終値       1863円00銭

石井治彦(いしい・はるひこ)
   1970(昭和45)年に大学卒業後、自動車大手に勤務。リース販売を手がける。投資歴は実質25年。入社後にユーザーと接するなかで得た情報と自分の知識で、最初のボーナスをもとに株式運用を開始。しかし、78~98年の20年間は投資する余裕がなく、休止に。それが幸いしてバブル崩壊の痛手は軽傷だった。ただ、いつでも動けるよう、日本経済新聞をはじめ経済誌などには目を通していた。
   「現物株式取引」と「長期投資」が基本姿勢。2011年の退職後は少しの小遣い稼ぎと、興味をもって経済誌を読むために株式を保有している。現在、14の銘柄で、1万3800株を運用。東京都出身、69歳。
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