2019年 6月 17日 (月)

セブン&アイHD、「消えた株価1兆円」役員報酬は実質アップ きょう、株主総会

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   コンビニ大手「セブンイレブン」を運営するセブン&アイホールディングス(HD)の株主総会が2019年5月23日、東京・千代田区の本社で開かれた。

   会場前ではセブンイレブンの24時間営業をめぐる問題でコンビニオーナーの労働条件の改善などを訴える労働組合や支援者らが声をあげ、また「24時間営業押し付けやめろ!」などと書かれたプラカードを掲げるオーナーらの姿があった。物々しい雰囲気が漂うなか、総会に出席する株主は本社社員と警備員らに見守られながら入場していった。

  • 労働組合やオーナーら「24時間営業押し付けやめろ!」と訴え(5月23日、東京・千代田区のセブン&アイHD本社前)
    労働組合やオーナーら「24時間営業押し付けやめろ!」と訴え(5月23日、東京・千代田区のセブン&アイHD本社前)

株価、年初来高値から2割超下落

   セブンイレブンの24時間営業の問題は、2019年2月に大阪府東大阪市の加盟店オーナーが、独自の判断で24時間営業をやめて深夜に閉店したことが発端。本部は「契約違反」を理由に、オーナーに対して1700万円もの違約金を求めたうえ、強制的に契約の解除を通告。これが明るみとなり、本部への批判が高まった。

   火消しを狙って、セブンイレブン・ジャパンは急きょ一部店舗で深夜閉店の影響を調べる「実証実験」を開始したが、経営側はトップ交代という事態にまで追い込まれている。

   ただ、そうした中でも親会社であるセブン&アイHDの井阪隆一社長は、24時間営業の見直しには消極的な姿勢を崩さないでいる。

   この問題が多くのメディアに報じられて以降、セブン&アイHDの株価は5月14日までに2割超も下落している。この問題が表面化する前の1月7日に年初来高値の1株5133円を付け、2月に入っても19日には5014円をキープしていた。

   ところが、その後ジワジワと下落。4月9日に4000円台を割り込むと5月14日には年初来安値の3629円を付けた。約3か月間に、時価総額ベースで1兆円を超える下落だ。

   株主総会で井阪社長は、「株主の皆様には今回の問題でご心配とご迷惑をおかけし、お詫びします」と陳謝した。

   会場の前で、株主の68歳の男性は「(労働組合らの訴えに)仕方がないでしょ。これは」と苦笑しながらも理解を示し、「時代に合わないこと(働き方)はやめたほうがいい。早く改めることが信頼回復につながると思う」と話した。

取締役・監査役はボロ儲け 報酬増える?

   そうした一方で、株主総会の議案には、役員報酬の見直しが盛り込まれていた。役員報酬にあった「10億円以内」とする枠組みとは別に、株式報酬制度を導入して株価相当額の「金銭」を受け取ると改定。これにより、10億円を上回る報酬を受け取ることができるようになった。また、監査役の報酬についても、これまで1億円以内から2億円以内に「倍増」された。

「消えた株価1兆円の責任をとれ!」(セブン&アイHDの株主総会で配布されていたビラ)
「消えた株価1兆円の責任をとれ!」(セブン&アイHDの株主総会で配布されていたビラ)

   セブンイレブンの労働環境の改善と「消えた株価1兆円」の経営責任を、同社社員と株主に訴えたコンビニ関連ユニオンは、株価が2割超も下落している現状で、役員報酬が実質上がるような議案の提出を問題視している。

   ただ、経営者側にしてみれば、業績が好調なのだから、役員報酬の実質引き上げは問題ない。「10億円以内」の別枠で設けた株式報酬制度も、株価が下がれば報酬額も下がるので「それで株価下落の責任をとっている」という理屈なのかもしれない。

   なお、セブン&アイHDの株主総会には約600人の株主が出席。1時間45分で、すべての議案が承認、可決された。

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