2019年 6月 17日 (月)

五輪に浮かれてばかりいられない...... ダスキンが挑む「2020問題」

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   東京オリンピック・パラリンピックが来夏に迫り、ムードもそれにつれ高まっている。増えるインバウンド、高まる好景気への期待......。だが、浮かれてばかりではダメ! と「待った」をかける声が聞こえてきた。

   五輪などでの爆発的なインバウンド増は同時に、新たな害虫や感染症の侵入機会増大につながる可能性が大きい。駆除サービスの最大手、ダスキンではこれを「新たな2020問題」ととらえ、対策への取り組みを始めた。

  • ダスキンでは、専用の容器に物品類を収めてドライアイスを噴射し密閉、高濃度の二酸化炭素を充満させることで駆除する新方法を開発。18年6月に特許を取得した
    ダスキンでは、専用の容器に物品類を収めてドライアイスを噴射し密閉、高濃度の二酸化炭素を充満させることで駆除する新方法を開発。18年6月に特許を取得した

「スーパートコジラミ」のインバウンド

   近年は毎年のように新たな害虫の国内侵入や、以前にはほとんどなかった感染症の流行が取り沙汰されている。2014年のデング熱、16年にはジカ熱で蚊に対する警戒が一斉に強まった。17年には南米原産で毒針をもつヒアリの上陸が確認され、いまも水際作戦が続けられているという。

   外来種の侵入で、平成時代のトップクラスの騒動といえば、大阪・高石で1995(平成7)年に発見された豪州原産の有毒グモ、セアカゴケグモだろう。発見当時は、気候や環境などの条件から繁殖は困難視されたものだが、いまでは全国各地へ分布するようになっている。

   ダスキンによると「2020問題」として、流入・拡大が懸念されるのはトコジラミ(南京虫)だ。日本にも以前からいる害虫だが、インバウンドの増加に比例して急増しているようで、東京都福祉保健局に寄せられた相談件数が2005年には30件程度だったものが15年に300件をオーバー。日本政府観光局によると、05年の訪日外国人は約670万人、15年は約1970万人だった。ダスキンのトコジラミの駆除サービス実施は2014年に89軒だったものが、18年には458軒だった。

   このトコジラミ、従来からいたものなのだから大騒ぎする必要ないのではとも思われがちだが、特に外国から持ち込まれるものは抵抗性を備えるようなっていることから及ぼす害の深刻化が見込まれるという。

   国立環境研究所 生物・生態系環境研究センターの生態リスク評価・対策研究室室長、五箇公一さんによると、トコジラミは米国を中心に、いわゆる「スーパー化」しており、これまでは効果があったピレスロイド系殺虫剤が効かなくなっている。五箇さんは、このスーパートコジラミが、衛生面で行き届かないことが考えらえる民泊などに持ち込まれたあとに起こることを懸念している。

ドライアイスで立ち向かう

   五箇さんら専門家が指摘するトコジラミの「スーパー化」を受けて、ダスキンではドライアイスを使った独自の駆除サービスを開発。これまで熱処理、薬剤散布では、駆除後のふとんや物品を廃棄しなければならなかったが、新方式では使用の継続が可能になった。

ダスキンのセミナーで講演する国立環境研究所の五箇公一さん
ダスキンのセミナーで講演する国立環境研究所の五箇公一さん

   ダスキンが害虫駆除サービスを始めて今年が31年目。創業当時には北海道にはいなかったゴキブリが道内の各地でみられるようになり、これを追って店舗網も津軽海峡を越えるなどして、いまでは全国に550店を展開する。駆除サービスの売り上げは2018年度に85億円。20年には100億円を目指している。

   ダスキンはこのほど、五箇さんを講師にセミナーを開催。五箇さんは、外来種、海外由来の生物の拡大、分布を許してはいけないのは在来種を守るなどではなく、人間を守るために大事であることを強調。日本がじつは今では世界で数少ない「狂犬病」空白国の一つであることにふれ、これが都会で放置が問題視されているアライグマにより侵される可能性を指摘。アライグマは狂犬病を最も媒介する動物であり、米国などでは見かけても近づかないよう子どもたちは指導されているという。

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