2024年 4月 19日 (金)

ビジネスのキーワード「ESG」「SDGs」 気になる新トレンドをやさしく理解できる(気になるビジネス本)

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フードロスにプラスチックごみ......

   ESGという概念が生まれたのは、アナン氏が投資家に呼びかけを行った2006年。日本でESG投資の潮流が生まれたのは、その10年後の2016年とされる。同年9月、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GRIF)がPRIに署名し、ESG投資家の仲間入り。これをきっかけに、新聞などのメディアにESGという言葉がしばしば登場するようになった。

   GRIFのESG投資家の仲間入りがきっかけになったかのように、この2年ほどのうちに企業の側ではSDGsへの対応が活発だ。日本経済団体連合会は2017年11月、「企業行動憲章実行の手引き」を7年ぶりに改訂し「国連で掲げられたSDGsの理念とも軌を一にするもの」と宣言。「(情報社会の次の社会である)『Society(ソサエテイ)5.0』の実現を通じたSDGsの達成を柱として企業行動憲章を改訂する」と述べ、SDGsの取り組みは次世代で企業が取り組むべき課題と位置付けている。

   企業のESG/SDGs対応は、当初は投資家による要求が主だったが、内閣府が「一人一人のニーズに合わせる形で社会的課題を解決する新たな社会」と定義する「Society 5.0」に向かっては「あらゆるステークホルダーから対応が求められる」。消費者はもちろん、従業員、供給先や調達先、地域社会にも配慮が必要だ。

   最近では企業が新しい取り組みや事業を発表すると必ず「持続可能な社会の実現に貢献」の言葉が盛り込まれる。それは、SDGsの達成をめざして、全方位に目配りしていることをアピールしたもの。新事業ではないが、問題視されたフードロスに対する取り組みについて相次いで対策が発表されたり、プラスチックごみの議論が盛んになったりしているのは、ESGやSDGsの機運がさらに浸透してきたことによるといってもいいようだ。

   著者の大森充さんは、三井住友フィナンシャルグループでシンクタンク事業やコンサルティング事業を行っている株式会社日本総合研究所のシニアシニアマネジャー。ESG・SDGsなどの社会性のある活動を事業活動に落とし込む新規事業開発などに従事している。ESG、SDGsを理解するのに、最適な一冊。

「1冊で分かる! ESG/SDGs入門」
大森充著
中央公論新社
税別2200円

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