2019年 7月 21日 (日)

「パートは共働きとはいわない」正社員のママ友にバカにされ悔しい! 専門家に聞いた

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   正社員のママ友から、「パートは共働きとは言わない」といわれてショックを受けた女性の投稿が話題になっている。

   働いているのだから、「共働き」と言ってもよさそうだが、当のパート勤務の女性たちの間でも「共働きを名乗るのはおこがましい」という声も少なくない。この「ワーキングママのランク付け」のような論争、専門家に聞いた。

  • パートでも正社員以上の成果を出す人も(写真はイメージです)
    パートでも正社員以上の成果を出す人も(写真はイメージです)

「フルタイム女性のパート差別、マウントです」

   話題になっているのは、女性向けサイト「ガールズちゃんねる」(2019年6月18日付)に載った、次の投稿だ。

「私は週5日、10時~15時のパート勤務で働いています。私自身は共働きという認識だったのですが、正社員で働いているママ友に『パート勤務は共働きとは言わないんじゃない?』といわれモヤモヤしています。お互い働いている事には変わらないと思うのですが、世間的にはパート勤務は共働きと言わないのでしょうか?」

   この投稿には、「パートも働いているんだから、共働きでしょ」とする意見が約4割、「いや、共働きというのはおこがましい」とする意見が約3割と、真っ二つに分かれた形だ。

   「共働き派」の意見はこうだ。

「ええ~っ、共働きじゃないという意見があることにびっくり。週2回合計10時間のパートだけど、ずっと共働きだと思ってきた。夫もその認識。家事も分担しているし」
「共働きじゃないなら何なの? 専業主婦って職業欄に無職と書かなきゃいけない人だと思っているから、妻側にも収入がある場合は共働き夫婦でいいと思う」
「時間の長短や給与の多寡は関係ない。働いて給料を得ているのなら労働者」

   そして、「パートなんて共働きじゃない」と言ったママ友に、こう怒りをぶつける人が多かった。

「正社員の人からしたら、パートなんかと一緒にしないで、って言いたいのかな。パート差別、フルタイム主婦のマウントですね」
「その正社員ママの理屈でいったら、独身フリーターや非正規主婦といった正社員以外はみんな働いていない人に分類されて、無職の人や専業主婦だらけになっちゃうよ。突っ込みどころが満載だね」

「扶養に入っていないパートが共働きとはおこがましい」

   一方、「反共働き派」の意見の中には、「共働きという言葉には、フルタイム夫婦のイメージが強く、パートが共働きを名乗るのは申し訳ない」という意識が強いようだ。

「私もパート主婦です。バリバリ働いている正社員とは比べものにならないほど楽だから、そういう風に言う人がいてもしかたないかなと思う」
「私みたいなパートが、フルタイムの人に『私たちって共働きだから家事育児大変よねー』って言ったら反感買いそう。フルタイム側からしたら、一緒にしないでよって絶対思うもん」
「私もパート主婦ですが、1日3~4時間で共働きはおこがましいと思う。世間で共働きについて話す時、パートは想定されていません。パートの人がいる場では『それも立派な共働き』って言うかもしれないけど、同じ立場の仲間同士で言い合っているだけじゃない?」

   かつて正社員を経験した人がこう指摘した。

「1日4~5時間、週に3~4日のパートだけど、共働きとは思ったことなかった。正社員時代にフルタイムで働いていた時は共働きという認識だったけど、それが大変すぎてやめたから、気分的に共働きとは思えなくなっています」

   こうした賛否両論とは別に目立ったのが、「夫の扶養に入っていれば、共働きとは言わないのでは」という意見だ。

「扶養に入っているかどうかがポイント。共働きなら扶養する必要ないじゃん」
「本人がどう思っていようと、国の制度上、扶養に入っているパートは半人前な労働者ですよ。学生バイトと同じ」

   また、こんな意見もあった。

「ケースバイケースだよね。共働き=どちらも働いているってことではあるが、妻のパート代は全部好きに使っていいお小遣いというケースなら、共働きというには語弊がある。しかし、ほとんどの家計を2人でまかなっているのなら、いくら妻がパートでも共働きでいいと思う」

国の統計の定義ではパート勤務も「共働き」だが......

   J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、女性の働き方に詳しい、主婦に特化した就労支援サービスを展開するビースタイルの調査機関「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長に、「パートは共働きじゃない」論争の意見を求めた。

   ――今回の投稿騒ぎを読み、率直にどのような感想を持ちましたか?

川上さん「確かに、人によって受け取り方がかなり変わってしまうテーマだろうな、と思いました。単純に、いま働いているかいないかだけで判断するなら、労働条件にかかわらず働いていれば『共働き』と表現していいと思います。総務省などの国の統計では、『共働き世帯』の定義は『(自営業・農林水産業を除く)夫婦とも働いている雇用労働者』となっており、パート勤務もカウントしています。
しかし、実際にはさまざまな働き方があるので、『共働き』というくくりで同じに見られることに対して抵抗感を持つ人が一定数存在するのもわかる気がします。『パート勤務を共働きというのはおこがましい』とする人の多くは、勤務条件や収入などの観点から、正社員同士の夫婦対等に働いている状態を『共働き』とイメージしているのでしょう。また、『扶養に入っていれば共働きとは言えない』という意見も、ただ働いているだけで同じ『共働き』という言葉で括られることに対する違和感という点では、同じですね」

   ――今回の論争の背景には、正社員VS.パートという「働くママ間の格差問題」があるような気がします。ほかの女性サイトでも、「私は週5日のパートの看護師です。正社員のママ友から『看護師さんだったの。ごめんね~、そこいらの内職パートと一緒にしちゃって~』と言われて腹がたった」とか、「運動会でお重に入れたお弁当を広げていると、隣のママから『パートじゃないと、そこまでできないのよね~。フルタイムで残業ありのウチなんか無理だわ』と言われて悔しかった」といったコメントがあふれています。

   川上さん「パート勤務は気楽だ、という決めつけに代表される認識ギャップは、至る所で見られます。実際にはパート勤務なりの大変さがあります。一方で、正社員でフルタイム勤務していても、いい加減な仕事ぶりの人が少なくありませんし、パート勤務でありながら生産性高く仕事をこなし、フルタイム社員以上の成果を出している人も多くいます。

   そのような内実を把握せず、フルタイムかパートか、正規か非正規か、といった表面的な分類だけで、その人の頑張り度合いや大変さを評価しても意味がありません。それよりも、人それぞれの立場や選択を尊重することのほうが大切ではないかと考えます」

   ――共働き世帯が増えていますが、夫婦の働き方はこれからどう変わっていくのでしょうか。

川上さん「私たちは、2017年に働く女性を対象に『10年後に増えそうな夫婦の働き方は何か』を聞いて調査しました。その際、共働きのあり方を3つに分けました。1つは『夫が中心となって働き、妻は補助的に働く』パターン。今回の投稿者は、このパターンではないでしょうか。もう1つはその逆で、『妻が中心となって働き、夫は補助的に働く』パターン。そして3つ目が『夫婦対等に共働き』するパターンです。調査では74%の人が『夫婦対等に共働き』が増えると回答しました。『夫が中心、妻は補助的』という人は25%しかいませんでした。
4年前の同じ調査に比べ、『働く女性の未来は明るい』と答えた人が多いのが特徴です。フリーコメントを見ると、『女性のほうが変化に強い。男性より立場が上になる日が近い』『夫の家事分担の理解が社会的に浸透し、仕事がしやすくなるだろう』『共働きが当たり前になり、働くことに誇りを持つ女性が増えて、自分自身に価値を見いだすようになる』などと、『夫婦対等に共働き』に期待する人がとても多かったのです」

「大切なのは自分の本当の気持ちにそった働き方だ」

   ――なるほど。対等に働くことこそが大事で、正社員だ、パートだ、という分け方の意味がなくなるということですね。

川上さん「はい。今はまだ、『パート勤務=女性』というイメージがありますが、今後は、そのような性別と働き方の紐づけが無意味になっていくはずです。また働き方自体も、就業形態の呼び方に紐づくイメージが変化していくでしょう。例えば、パート勤務であっても抜群の成果を上げて組織の中核を担う人が少しずつ増えていますし、どこにも雇用されずフリーランスで複数の仕事を掛け持ちする人も多くなりました。
これまでの枠に当てはまらない活躍をする人が増えていけば、正社員かパートかという分け方も無意味になっていくでしょう。働き方が多様化するというのは、そういうことなのだと思います。
その時に大切になるのは、自分の本当の気持ちは何かという観点です。長期安定的にフルタイムで働くことを優先したいのなら、正社員という働き方が望ましいでしょう。あるいは、今は子どもと共に過ごす時間を最優先したいのなら、専業主婦の道を選択するのがよいかもしれません。一方、いま正社員をしていても、じつは不本意だと感じている人もいるでしょうし、不本意ながら専業主婦となっている人もいるはずです。誰もが不本意な状態から脱して、本意にそった選択ができる社会こそ、これから実現していくべきだと考えます」

(福田和郎)

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