2019年 8月 19日 (月)

「ムーミン」だけじゃないデザイン、アート...... キタァ~! フィンランドブームの秘密がわかる本(気になるビジネス本)

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   北欧フィンランドと日本にとって2019年は、外交関係樹立100周年の記念の年。フィンランドといえば日本では「ムーミン」がおなじみだが、洗練されたデザインのファブリックや食器、家具が知られるようになり、近年はちょっとしたブームになっている。そして、この節目の年をきっかけにさらに盛り上がることが見込まれているところだ。

   本書「フィンランドを知るためのキーワード A to Z」には、そのけん引役が期待されている。

「フィンランドを知るためのキーワード A to Z」(萩原健太郎、日本フィンランドデザイン協会著)ネコ・パブリッシング
  • 埼玉・飯能には「ムーミンバレーパーク」も誕生。フィンランドブームの盛り上がりが予想されている
    埼玉・飯能には「ムーミンバレーパーク」も誕生。フィンランドブームの盛り上がりが予想されている

「マリメッコ」や「イッタラ」がおなじみに

   ファブリックの「マリメッコ」や食器の「イッタラ」などがこの数年の間に、各地の小売施設やショッピングモールなどで出店が増え、日本の暮らしのなかに溶け込んだ印象を与えている。

   節目の年を迎えて、2019年3月には埼玉県飯能市にテーマパーク「ムーミンバレーパーク」が誕生。先行してオープンしていたレジャー施設「メッツア」と合わせて年間100万人の来場が見込まれており、この夏はにぎわいを見せそうだ。

   「ムーミン」をめぐる施設のアトラクションは森と湖なのだが、本書によると、フィンランドは、製品デザインの洗練性やシンプルさに加えて、木に対する親和性の高さがあって、北欧の国々のなかでも特に日本人にアピールするらしい。北欧諸国のなかで日本人旅行者が最も多いのはフィンランドという。

「アルテック」今年日本初の直営店

   本書は「フィンランドを知るためのキーワードを厳選」して、アルファベット順に紹介。ライフスタイルやアート、デザインのほか、サウナや独特の育児方法など、同国のユニークな文化や習慣にまで及び読み物仕立てのレポートが並ぶ。もちろん、トーベ・ヤンソンら同国を代表する人物についてもカバー。A5判の小型ムックで、オールカラー。製品のデザインのディテールを味わうグラビアとしても楽しめる。

   最初の「A」のセクション、ページを開いていきなりから、つかみはオーケーだ。まず登場するのは、デザイナー「エール・アールニオ」。球状のなかに体をいれるように座る「ボールチェア」は1966年の作品だが、現代でもなお未来的だ。その次は、陶器の「アラビア」。「ムーミンクラシック」の食器で知られる。

   そして家具の「アルテック」が続く。1935年の創業。4人の若者により「家具を販売するだけではなく、展示会や啓蒙活動によってモダニズム文化を促進すること」を目的にヘルシンキで設立された伝説のブランドだ。芸術性とテクノロジー、それに素材を重視した製造でも知られる。19年4月、ついに、日本初の直営店が東京にオープンした。

あのヒトもフィンランド出身だった

   フィンランド人気の高まりもあり、同国の航空会社フィンエアーは今や、独ルフトハンザや仏エールフランスをおさえ、日本と欧州を結ぶ最大のエアラインに成長したという。19年夏期のスケジュールでは、日本航空とコードシェア便を含め、成田、中部、関西、福岡の各空港とヘルシンキとの間で週41便。19-20年冬期スケジュールでは札幌便が就航するという好調ぶりだ。

   フィンエアーの人気を加速したのが、「マリメッコ」とデザインパートナーシップを結んだことだ。ケシの花をモチーフにした「ウニッコ」を機体に施したエアバスA330、石をモチーフにした「キヴェット」の同A350と2機の特別塗装着機が、日本をはじめアジアの各都市を結ぶ路線で就航。機内のテーブルウエアなどにも「マリメッコ」製品を採用、アメニティキットでも「マリメッコ」のオリジナルデザインのものが提供されており、ライバル他社との差別化が際立つようになった。

   19年夏期スケジュールからは、ビジネスクラスのアメニティポーチとアイマスクに、「ウニッコ」のデザイナー、マイヤ・イソラが1960年代にデザインした4つの柄を加えるなど、ラインアップのリフレッシュを怠らないことも人気の秘訣だ。

   巻末には「日本フィンランド外交関係樹立100周年 外交・デザイン関連年表」があり、そのなかには、1992年に、フィンランド出身のツルネン・マルテイさんが神奈川・湯河原町議に当選したこともしっかり記録されていた。フィンランドに親しみが間違いなく増す一冊。

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「フィンランドを知るためのキーワード A to Z」
萩原健太郎、日本フィンランドデザイン協会著
ネコ・パブリッシング
税別2000円

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