2019年 11月 23日 (土)

プレゼントすら苦痛? 職場の「あるある」が一つ間違えるとハラスメントに(篠原あかね)

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   読者の皆さまは、プレゼントを贈るのは好きですか?

   家族や友人の誕生日はもちろん、記念日やお祝い事、お世話になった方へのお礼、取引先への手土産など、数えるとかなりの頻度で買い物をしている方も多いのではないでしょうか。

   最近はコンプライアンス遵守の観点から、お客様からの手土産を受け取ってはいけないという会社もあります。よって、私も取引先に訪問する際は、そこの会社のルールを確認してから購入するようにしています。だってせっかく用意したのに受け取ってもらえないのは悲しいですから。

  • プレゼントも状況によっては……
    プレゼントも状況によっては……

話を合わせたばっかりに......

   さて、私が以前勤めた会社では、同僚の誕生日にプレゼントを贈る習慣がありました。一人200円ずつ出し合って、本人からリクエストされた商品を贈ります。

   自分の誕生日には中身がわかっていながらも朝からワクワクしたものです。そんな思い出話をしていたら、隣の友人がプレゼントにまつわるこんなエピソードを話してくれました。

   友人の同僚女性の悩みでした。仮にA子さんとしておきましょう。A子さんと同じフロアで働くY男さんはある漫画の大ファン。休憩中に漫画の話になり、A子さんは漫画のストーリーを熱く語るY男さんに相槌代わりで「へぇ~、おもしろそう」と言いました。

   すると、Y男さんはA子さんの誕生日にその漫画を大人買いしてプレゼントしたというのです。漫画に興味がなかったA子さんですが、相槌を打ってしまった手前、いらないとも言えずその場は「ありがとう」と言って受け取りました。

   さらにY男さんは、A子さんと顔を合わせるたびに「どこまで読んだ? あのバトルの場面おもしろかったでしょ?」などと聞くのだそうです。

   いまさら興味ないとも言えず、捨てるわけにもいかず、どこまで読んだかしつこく聞かれるので少しは読んでみるものの、話を合わせるためだけに漫画を読むのもバカバカしく、いまではY男さんと顔を合わせること自体が苦痛だそうです。

プレゼントした相手はよかれと思っている

   それを聞いて確かに似たような出来事があったと思い出しました。無難なプレゼントとして、デスク周りの事務用品や小物類を頂くことはありませんか?

   しかし、自分のデスクってある意味「自分だけの城」状態なので、お気に入りの物だけを置きたいんですよね。とはいえ、せっかくの品を置かないと人間関係が悪くなりそうで、仕方なく端の方に置いてみたりして。デスク系以外だと「ぬいぐるみ」「民芸品」もありました。

   どれも相手はよかれと思っての品なので文句を言うべきではありませんが、「自分が好きな物=相手も好きな物」という前提でのプレゼントは少々迷惑ですし、前述のA子さんのように顔を合わせるのも苦痛となればハラスメントとも言えます。

   プレゼントすらハラスメントというのでは、いま流行のなんでもハラスメント(ハラハラ)じゃないかと思われる方もおられるでしょう。しかし、誕生日プレゼントを贈った行為自体をも不法行為とした裁判例があります(東京地方裁判所2003年6月9日判決 裁判所ウェブサイト掲載判例)。

   この事案ではセクハラですでに関係が悪化していたという特殊事情がありますが、18年以上も前にプレゼントという一見何も害のないと見える行為自体であっても状況によっては人に精神的苦痛を与えるものだと裁判所が認めていたという点で注目に値します。

   本来、モノを贈り合うことは人間関係をよくするためですが、これでは逆に悪化してしまいます。相手が本当に喜んでくれるかを考えながら商品を選ぶ必要がありますね。(篠原あかね)

篠原あかね(しのはら・あかね)
リクルートにて企業研修アシスタント、金融機関等での役員秘書を経てビジネスマナー講師として活動。2011年よりスマートコミュニケーションズ代表。ビジネスマナー、コミュニケーション、CS向上等の企業研修のほか、自身の宴会幹事経験をもとに「愛される宴会部長セミナー」も主催。著書に『宴会を制する幹事は仕事も制す。』『マンガ 黄金の接待』(監修)などがある。お客様や社内で愛されキャラになるコツを悩める社会人へ発信中。
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