2019年 11月 17日 (日)

【日韓経済戦争】韓国、日本を「ホワイト国」から除外! それでも「人類愛」で安倍首相に慈悲を見せる文大統領の狙いはいかに?

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   日韓経済戦争は、韓国政府が2019年8月12日、日本を「ホワイト国」から除外することを決定、ついに報復戦争に突入した。

   これで韓国内の「反日運動」が一気に燃え盛ると思いきや、文在寅(ムン・ジェイン)政権は意外にクールな態度を見せている。いったい、どんな狙いがあるのか。韓国紙を読み解くと――。

  • 日本を「ホワイト国」から除外も、意外にクール?(写真は、文在寅大統領)
    日本を「ホワイト国」から除外も、意外にクール?(写真は、文在寅大統領)

米国発祥のスタバまで不買運動のトバッチリ

   スターバックスといえば、米国発祥のコーヒーショップチェーンだが、日本製品の不買運動のとんだトバッチリを受けている。聯合ニュース(2019年8月13日付)「スターバックスコリア、日本産製品の発注を事実上中断」がこう伝えている。

「韓国内のコーヒー専門店スターバックスコーヒーコリアが日本産製品の発注を事実上中断したことがわかった。現在、スターバックスは日本から『STARBUCKS ORIGAMI(スターバックス・オリガミ)』『VIA MATCHA(ヴィア抹茶)』などの完成品を輸入している。スターバックス関係者は『オリガミ』と『抹茶』などはグローバルラインナップ商品だが、『現在、追加発注をしないでいる』と話した」

   スターバックスの「オリガミ」シリーズは、お湯を注いで飲めるように作られた抽出式のコーヒー製品。オリガミは日本語の「折り紙」から取ったもので、コーヒーを入れて飲みやすいよう取り付けられた紙枠が特徴だ。

   また「ヴィア抹茶」は、手軽に「グリーンティー・ラテ」を作って飲めるよう小包装された製品だ。現在、スタバのグローバル商品で、必ずしも日本だけのものではないが、「折り紙」「抹茶」という、いかにも日本的なネーミングがヤリ玉にあがったようだ。

文大統領が呼びかける「人類平等」「四海同胞」

   さて、韓国政府は8月12日、日本政府の輸出規制に報復として、日本を「ホワイト国(輸出審査の優遇国)」から除外すると発表した。日本が韓国に対して行ったことと同様の措置を実施する。これで、韓国政府の本格的な報復が始まったわけだが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は意外にもクールな対応を国民に呼びかけている。

   朝鮮日報(8月13日付)「ホワイト国から日本を除外へ、文大統領『感情的な対応は良くない』」は、こう伝えている。

「文在寅大統領は大統領府で主席・補佐官会議を開き『日本の経済報復に対する我々の対応は感情的であってはならない』と述べた。文大統領は安倍内閣が韓国をホワイト国から除外する『第2次報復措置』を取った今月2日に『再び日本には負けない』などと強硬方針を明確にしていたが、自ら強硬発言のレベルを下げた」
「文大統領は『敵対的な民族主義に反対し、人類愛を基礎とする平等と平和共存関係を目指すことは、今も変わらない我々の精神』と述べた。その一方で『両国国民が成熟した市民意識に基づいて民主と人権の価値によって疎通し、人類愛と平和によって友誼を固めるのであれば、韓日関係の未来はさらに明るくなるだろう』との考えも示した」

   「盗人(ぬすっと)猛々しい」と言ったとか、言わなかったとか、論議が巻き起こったほどの大人げない怒りをぶつけた文大統領だったが、いったいどういう心境の変化か――。一つは、3日後の8月15日に「光復節」(日本による植民地支配からの解放記念日)が控えており、韓国政府としても日本に対峙するうえで、非常に微妙な時期だということがあるようだ。

「文大統領は『日本政府も不当な経済報復に対しては決然と反対しながらも、両国国民の友好関係を傷つけない毅然かつ大乗的な成熟した市民意識に深い尊敬と感謝を捧げる。我々の先祖たちは100年前に血を流しながら独立を叫ぶ瞬間にも、すべての人類は平等で、世界は一つの市民という四海同胞主義を訴え、これを実践した』とも述べた」

   8月15日に下手に「反日感情」を煽ると、火に油どころか爆弾を投げ込む結果にもなりかねない。そこで「人類愛」まで持ち出し、暴虐な日本に対して「大人の態度」で接して、「慈愛の念を持とう」と呼びかけたのだ。

安倍内閣改造で「対韓強硬派」は追放される?

韓国紙は9月の内閣改造人事にまでふれて状況を分析(写真は、安倍晋三首相)
韓国紙は9月の内閣改造人事にまでふれて状況を分析(写真は、安倍晋三首相)

   もう一つは、日本政府側の、ここまで韓国がヒートアップするとは思わなかったという計算違いに対する「読み」も働いているという。日本政府内にも「そろそろ矛を収めよう」とする動きが出てきたとして、朝鮮日報(8月13日付)「日本の閣僚級の人物『内閣改造後に韓国と対話を』『今は日本も雰囲気が良くない』『8月は互いにクールダウンを』」は、こう伝える。

「日本政府の閣僚級の人物が先日、極度に悪化した韓日関係の解決策について『来月(日本で)内閣改造が行われた後に、両国は対話によって解決策を模索しなければならない』と述べた。自民党内の実力者で韓日関係にも明るいこの人物は、先週自らの支持者に対し、『今は政府の誰も両国関係について口に出せない状況だ』『当分は韓国側の関係者が日本の誰かに会っても意味はない』とした上で上記のように述べたことがわかった」

   そして、内閣改造の韓国シフトの人事内容にまでふれている。

「安倍首相は、早ければ来月(9月)はじめに内閣改造と自民党の役員人事を行う方針だ。韓日関係が悪化した際、前面に出ていた河野外相や岩屋防衛相などの交代説も浮上している。上記の人物は、韓日政府間の対話を内閣改造後に先送りする背景として、『韓国に対する日本の世論も沸騰している状況だ。そのような雰囲気を無視することはできない』としたうえで、『8月はクールダウンするのが良い。現時点ではこのような状態が長く続きそうだ』などの見方も示した」
「この人物は、両国の政権次元で対話のルートがすべて閉ざされていることを最も大きな問題として、『歴代の韓国大統領の中で、日本との関係が最も良くない状態になったのが文在寅大統領だ。文大統領がどのような人物か知っている人間が日本にいない』とも指摘した」

韓国与党は過激、「不買運動立法化」の動きも

   しかし、文在寅大統領がいくらクールダウンを国民に呼びかけても、与党・共に民主党の中から強硬発言が相次いでいるのだから、混乱は収まりそうにない。民衆レベルで行なわれている日本製品の不買運動を立法化する動きまで起こっている。朝鮮日報(8月12日付)は「与党、日本製プリンタ・カメラまで不買立法化の動き」で、こう伝える。

「与党では反日不買運動立法化の動きが出ている。国会企画財政委員会の共に民主党幹事を務めるキム・ジョンウ議員は11日、政府機関が日本の戦犯関連企業と随意契約を締結できないようにする国家契約法改正案を代表発議した。調達庁の資料によると、最近10年間で政府部処と傘下機関が日本の戦犯企業から物品を購入した件数は21万9244件・9098億ウォン(約790億円)分に達し、このうち3542件・943億ウォン(約82億円)が随意契約によるものだった」

   これには日本の三菱や日立、東芝、キャノンなどが生産したレーザープリンタ、電子複写機、ビデオプロジェクター、デジタルカメラなどが含まれていた。禁止法案が可決されれば、政府がこれらの企業から製品を購入することが難しくなる。

日本の標的サムスンはダメージを受けていない?

   ところで、日本政府の輸出規制強化策は、韓国の主要産業である半導体メーカーに痛撃を与えることが狙いだったが、ここへきて、その効果を疑問視する報道が韓国紙から出始めている。

   特に、最大の標的だったサムスンがあまりダメージを負っていないようなのだ。

   中央日報(8月12日付)「ベルギーで素材を確保したが...『サムスンの本当の危機は新事業模索の中断』」は、こう伝えている。

「サムスン電子のイ・ジェヨン副会長が現場経営に入り、サムスン電子は日本の輸出規制の影響から安定を取り戻す雰囲気だ。しかしサムスン内部では『根本的危機』に対する不安感が高まっている。イ副会長は最近相次いだ社長団会議で、グローバルIT業界の構図変化の中で、未来の投資について懸念を強く表した。日本の輸出統制への対応策も重要だが、新しい成長動力の発掘と投資で遅れを取るかもしれないという危機感が強い」

「日本発の半導体・ディスプレー素材輸出規制はひとまず対応したという評価だ。サムスン電子はベルギーなどから6~10か月分の在庫を確保し、日本の規制拡大基調の中でもひとまず安堵した。問題はサムスン電子の未来の事業だ」

   日本の輸出規制はベルギーなどからの供給でしのぐ体制ができたという。これでは、日本の半導体部品メーカーは、サムスンから見捨てられて踏んだり蹴ったりの状況だ。では、サムスンの「根本危機」とは何か。

「イ副会長は主に新しい成長動力を確保することに注力してきた。次世代人工知能(AI)サービス、第6世代(6G)移動通信、ブロックチェーンなど新事業の発掘と投資の大部分が海外企業との競争と協力を基盤とするためだ。大型M&A(企業の合併・買収)、大規模投資などは企業トップ間のトップ-ダウンで意思決定を必要とする。しかし、こうした未来成長動力の発掘は当面の懸案で後回しになっている」

「業界関係者は、『過去にはコントロールタワー(サムスン未来戦略室)が国内の懸案を担当したが、(解体したため)今はもうイ副会長が自ら国内の懸案と海外の日程のすべてに対応しなければいけない状況』とし、『日本の輸出規制が目の前の障害物なら、サムスン電子の成長動力発掘にブレーキがかかったのは目に見えない本当の危機』と話した」

   つまり、日本の輸出規制対策のために、サムスンの司令塔であるイ副会長が自ら奔走しなければならず、サムスンにとってもっと重要な新規事業や大規模投資などの遅れをとってしまったというのだ。それがサムスンの「本当の危機」だったが、目の前の「障害物」である日本の輸出規制問題が片付いたので、イ副会長は本来の仕事に戻れるというのだ。

   なんだか、サムスンに軽くあしらわれているような気もするが......。

(福田和郎)

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