2020年 10月 20日 (火)

インバウンドは増えればいいだけではない リピーター時代の経済効果のあげ方

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「観光資源の価値逓減につながる」

   リピーターは観光経験を積んでいるから、そうしたお客にとっては「観光資源の価値逓減につながる」。「逓減」が続いて、なくなってしまえば訪問の動機がなくなるわけで、日本にとっては「持続的観光を展開するためには観光の中の中核ともいうべき観光資源のあり方、とくに従来型の観光行動、手法などに抜本的に見直しが求められることになる」のが道理。それを「オールジャパン」で考えよう、というのが本書の主張の一つだ。

   このことに加えて、宿泊施設の不足や公共の交通機関を含めて、必ずしも外国人客にとっては移動が容易とはいえず、観光資源の手入れとともに、観光立国のためにはまだやらねばならないことが多いのだ。観光は日本の「基幹産業」とさえ、いわれるようになっている。

   ところが、観光資源の手入れや維持、リニューアル、あるいは宿泊、移動の利便性向上などの点からは「観光産業は充分にその機能を発揮しているとはいえない」のが現状。2020年の外国人の観光消費額の国の目標は8兆円と設定しているが、18年は4兆5000億円どまり。「伸びは低調で目標達成は不可能」とみられている。外国人客1人当たりの消費額は2018年に、0.9%減少した

   こうした問題を解決するため、まずやらなければならないのは「観光産業の近代化・効率化」。観光産業では中小企業が多く、小さな事業所がそれぞれに営業を行い、このため経営の近代化に立ち遅れがみられるケースが多いという。中規模以上の企業を中心にして事業規模の適正化を図るほか、IT技術の導入などで経営管理システムの近代化や企業間連携強化に努めることが求められる。

   宿泊、交通などの観光インフラの整備は、次世代「観光立国」に向けた大きな課題の位置づけ。宿泊施設のひっ迫は、客らのムダな移動を発生させ、その経験がリピートを断念させ、あるいは客の消費の機会を奪う。多角的に考え計画する必要がありそうだ。

   「交通インフラの整備拡充」は、すぐに新規に設けられるものではない。名所が集中する観光地などでは、客が広域分散するようルートを検討したり、あるいはグループごとのツアーを編成したりするなどが考えられる。

   さまざまな産業で問題となっている人手不足には、タイムシェアリング方式の採用、高齢者の雇用、ロボットを使ったマンマシンの検討が促されている。

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「新世代の観光立国 ―令和世代への課題と展望」
JAPAN NOW 観光情報協会著
交通新聞社
税別1500円

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