2021年 9月 25日 (土)

ノーベル賞博士の理論で導き出した「危機感」の共有 社長がビジョンを語る本当の意味(大関暁夫)

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せっかく作った中期経営計画とビジョンは絵空事に

   もう5年ほど前の話になりますが、製造業G社の三代目、T社長から相談を受けました。もともと芳しくなかった業績が、自身の社長就任以来さらにジリ貧。なかでもG社長は、社員の覇気のなさ、主体性のなさを気にかけていました。

   そこで、T社長は過去に実質倒産状態の企業をV字回復させた著名経営者の講演会に出席。V字回復のカギと語られた「ビジョンを語る」ことで求心力を高めようと、業績回復に向けた中期計画を立てビジョンを策定して、社員にそれを宣言することで、社内の沈滞ムードを刷新しようと試みました。

   しかし、結果は思うように運ばず、せっかく知恵を絞って作った計画とビジョンは絵空事状態に。どうしたら業績回復に向けて、社内を活性化できるのか、アタマを抱えていました。

   カーマン博士のプロスペクト理論にそって考えるなら、T社長に欠けていたのは「ビジョンを語る」前に、そのビジョンの実現で「得るもの」あるいは達成できない時に「失うもの」を見せるということだったようです。

   事業や計画が順調に運んでいるときは、ビジョンの達成で得るもの、たとえば株式の上場達成による社員一人ひとりの経済的恩恵などを見せることで、社員のモチベーションは向上します。

   逆に業績低迷からの回復を図るのであれば、ビジョンが未達成の時に「失うもの」を見せることが重要になるでしょう。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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