2019年 11月 20日 (水)

「社長の独壇場」「意見が出ない」「なんのため?」会議のお悩み解消のヒントはこれだ!(大関暁夫)

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   会議運営のセミナーを定期的に開催しています。私の経験から申し上げて、会議運営に関しては下手な会社が本当に多く、先日も中堅、中小企業の管理職クラスの方々に多数お集まりいただき、開催させていただきました。

   私はこの手のセミナーでは、最初に挙手で皆さんの具体的なお悩みをうかがうようにして、できる限り参加の皆さんの具体的なお悩みに一つでも多くの解決ヒントをお渡しできるようにと考えて運営をさせてもらっています。

   今回も参加者から出された会議運営に関するお悩み事ベスト3は、次のようなものでした。

1位 社長はじめ上席者の意見が強く独壇場になりやすい
2位 席上の意見が出ない
3位 なんのための会議なのかわからず、結論が見えない

   とりあえず、一般論的にこの会議お悩み事ベスト3の対応策を、述べておきます。

  • もしかしたら、空回り? 社長の「リーダーシップ」は大丈夫か!
    もしかしたら、空回り? 社長の「リーダーシップ」は大丈夫か!

情報交換と称した雑談の時間が過ぎていく......

   まず、3位の「なんのための会議なのかわからない」というのは、言ってみると会議の形骸化です。たとえば部長会議という名前の会議が開催されている場合、全部長が集まって会議を毎月一回開いてはいるものの、書面報告でも問題ないような各部報告に終始しているとか、あるいはこれといった議題もなく情報交換と称した雑談のような時間が過ぎていくとか――。これらが比較的ありがちなシチュエーションではないでしょうか。

   この場合、欠けているのは「会議の目的」の明確化です。その会議がなんの目的をもって会議として成立しているのか、それをしっかりと定義して参加者で共有する必要があります。

   たとえば前向きな議論の場としては、「業績の伸展に向けて、全社的な課題に対する解決策を協議する」とか、「経営層から指示のあった経営課題に関して、部間を越えた対応策を探る」などが考えられます。長年恒常的に開催されている会議でも、「会議の目的」をしっかりと定義し、常に共有することが会議を有効たらしめるためには重要です。

   一方、「結論が見えない」というのは、毎回の会議での着地点が見えないということであり、これは「会議各回の目標」が明確化されかつ共有されていないということに他なりません。

   「会議各回の目標」は開催前に、必ず主催者から提示されるべきものであり、たとえばその日の会議が「有効な意見を多数出してもらう」ことが目標なのか、「意見を集約して会社としての方針案を決定する」ことが目標なのか、その明確化と共有が必要なのです。

   それがないと、参加者それぞれが勝手に思い描いている目標にそって意見を出すことになり、議論が噛み合わずに収集がつかずに終わってしまうということになってしまいます。会議における「目的」と「目標」は必ず明確化して、参加者で共有する必要があるわけです。

会議は進行役しだい

   2位の「席上の意見が出ない」というのは、進行役に問題があるケースが考えられます。まず進行役として、中立の第三者であるファシリテーターが存在しているか否か。この点がかなり大きなポイントになります。

   ファシリテーターは単なる事務的な進行役ではなく、会議を円滑たらしめる役割を担っており、特定の意見に組みすることなく、まんべんなく具体的な形で意見を求め、出された意見を次の発言につなげるような進行を心がける役割を担います。

   言ってみると、「意見の引き出し役」です。意見が出ない会議の大半は、進行役の努力不足、工夫不足であるケースが多くあります。どうしても意見が出ない場合の工夫策として、分科会を設けてラフなミーティングで意見を出させたり、参加者個々に紙に案を書き出させたりして、ファシリテーターが読み上げるなども参考になるでしょう。

   さて、問題は1位の「社長はじめ上席者の意見が強く独壇場になりやすい」です。これはなかなか厄介です。まずはファシリテーターが、上席者の暴走を止める役割を担うのが基本ですが、相手が経営者ともなるとサラリーマンである部下は、社長が話しているときに、あまり乱暴に話の腰を折るのは気が引けてしまうのです。

   これには、その場での対策よりも、むしろ日頃から経営者や上司に会議の意義をしっかりとご理解いただくことが重要になります。

   会議運営に関して、上に立つ人に基本的にご理解いただきたいことに、リーダーシップのあり方ということがあります。リーダーシップというと、決断を下してそれを元にただただ引っ張る力、すなわち組織牽引力を高めることがイコール、リーダーシップだと勘違いしているケースが間々あるからです。

ものすごく多い、フォロワーシップに欠けているリーダー

   リーダーシップは、じつはそれと対になる力、フォロワーシップが伴って初めて有効な形で正しく機能するのです。このフォロワーシップに欠けているリーダーが、ものすごく多いのです。

   フォロワーシップとは、一般的には部下が上司を上手にフォローすることで部門の力を強化するといった意味で使われますが、じつはリーダーにも部下に対するフォロワーシップが存在するのです。

   部下の置かれている状況や考えを正しく理解して、それを踏まえてどのように部下をリードしていくべきかに考えを巡らせ行動すること、それこそが上に立つ者のフォロワーシップであり、それがあって初めて本当に強いリーダーシップが生まれるのです。

   社長や上司、特に会議を自分の独壇場にしがちな社長には、このあたりへの理解をぜひ深めていただき、会議は部下の状況や考えを聞く場所である、くらいの理解が欲しいところなのです。

   言い換えれば、会議を通じて社長のフォロワーシップが磨かれるなら、会議は社長のリーダーシップを鍛える場でもあると言えるかもしれません。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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