2024年 4月 19日 (金)

「ヤフー×LINE」で大激震の「Pay」業界 進むか? 合従連衡、その「歓迎」と「懸念」をさぐる

Pay業者の合従連衡はユーザーにとって「オトク」!?

   では、他のスマホ決済サービスはどのような動きをするのでしょうか。シェアで2番手につける楽天ペイについて、おそらくですが、楽天経済圏がしっかりとでき上がっていること、キャッシュレスでの還元キャンペーンを他社が派手にやっていたときに争わなかったことから考えると、今回も静観するとみています。

   楽天ペイの後に続く、メルカリのスマホ決済サービス「メルペイ」やNTTドコモが提供する「d払い」については、おそらくすでに水面下でいろいろな動きが始まっていると考えられます。

   特にメルペイは、どこかの企業と統合する可能性があるでしょう。メルペイにはフリマアプリ「メルカリ」が「後ろ盾」にあるので、統合する側の企業として魅力を感じ 、話を進めやすい可能性があります。それはなぜか――。メルペイには、メルカリを利用するアクティブユーザーやヘビーユーザーがたくさんいるため、フリマとして利用する際にも、スマホ決済を利用することも多いからです。

   d払いにも注目。他社との経営統合はないとみますが、より強力な決済サービスになるように着々と準備しているのではないでしょうか。

   このように、スマホ決済事業の淘汰が進むと、 スマホに数個の決済アプリを入れているユーザーにとって、一つにまとめられるうえに、利用できる幅が広がるということは非常に便利であると考えられます。

   スマホ決済サービス事業者同士での競争が進み、淘汰されていくことは、どのサービスを使うべきか悩むユーザーにとっては、非常にありがたい話です。複数の決済アプリを使い分ける手間がなくなり、一つのアプリにまとめられるうえに、利用できる幅が広がるということは非常に便利であると考えられます。

   洗練されたサービスが残り、より多くの人がスマホ決済サービスを使うことで、経済産業省がキャッシュレス化を推進する理由としている、実店舗などの無人化・省力化、不透明な現金資産の見える化、流動性の向上と、不透明な現金流通の抑止による税収向上につながるでしょう。さらには、支払データの利活用による消費の利便性向上や消費の活性化などの国力アップにつながる、さまざまなメリットが具現化されるのではないでしょうか。(久原健司)


久原 健司(くはら・けんじ)) プロフィール
株式会社プロイノベーション 代表取締役、日本一背の高いITジャーナリスト 1978年生まれ。2007年、29歳で株式会社プロイノベーションを設立。18年に「振り向くホームページ」サービスを開始。プロのフリーランスの力で企業の成長をサポートすることで、フリーランスとしての働き方を応援する傍ら、ITジャーナリストとしてさまざまなwebメディアで活躍中。


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