2019年 12月 15日 (日)

「ヤフー×LINE」で大激震の「Pay」業界 進むか? 合従連衡、その「歓迎」と「懸念」をさぐる

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   ポータルサイト国内最大手の「ヤフー」を運営するZホールディングス(HD)と、対話アプリ最大手の「LINE」が経営統合に向けて最終調整に入ったと、日本経済新聞が2019年11月13日に報じました。

   IT業界に身を置く者としては、非常に興味深い話です。まだ両社から正式な発表はありませんが、もし本当に統合するということであれば、さまざまな事業において、大きな変革が起きることと思われます。なかでも、特に気になる事業が、スマホ決済事業です。

  • Pay業界に激震!
    Pay業界に激震!

LINE株が急騰したワケ

   ヤフーの親会社・ソフトバンクのサービスである「PayPay」、そしてLINEには「LINE Pay」があります。この2つのサービスが統合される可能性があることを考えると、スマホ決済事業を展開する業界に激震が走ることは不可避といえます。

   では、PayPayとLINE Payが統合されると、実際にはどのようなことが起こるのでしょうか――。

   MMD(モバイルマーケティングデータ)研究所の調べによると、スマホ決済の利用率はPayPayがシェア44.2%でトップ。LINE Payは13.6%で3位につけています。ヤフーとLINEの経営統合に伴い、両サービスが統合された場合、シェアは半数を大きく超えることとなります。

   これに続くのが「楽天ペイ」の17.1%なので、じつに3倍以上の利用率という圧倒的な差をつけることになります。

   ある意味、バーコード決済を制する「一強」という位置付けともなるので、すでに株価にも動きが現れています。2019年11月14日のLINEの株価は終値で、前日比705円高の5290円に急騰しました。翌15日朝には5400円を付けて年初来高値を更新(その後、利益確定売りが出て下落)。投資家から見ても、経営統合は魅力的であると考えられます。

   ユーザーにとっても、「ヤフー×LINE」のPay事業の統合は良いことではないかと思います。これは予想ですが、統合が決まった際には、お得なキャンペーンを実施する可能性があるからです。さらに、この統合に負けないようにと、他社のスマホ決済もキャンペーンを実施するのではないでしょうか。

   ただ、少しだけ気になるのが、個人情報についてです。それぞれのサービスを使用する前に、個人情報の取り扱いに関する規約がありますが、経営統合により、新たな規約に変更する可能性があるので、しっかりと確認する必要があると考えます。

Pay業者の合従連衡はユーザーにとって「オトク」!?

   では、他のスマホ決済サービスはどのような動きをするのでしょうか。シェアで2番手につける楽天ペイについて、おそらくですが、楽天経済圏がしっかりとでき上がっていること、キャッシュレスでの還元キャンペーンを他社が派手にやっていたときに争わなかったことから考えると、今回も静観するとみています。

   楽天ペイの後に続く、メルカリのスマホ決済サービス「メルペイ」やNTTドコモが提供する「d払い」については、おそらくすでに水面下でいろいろな動きが始まっていると考えられます。

   特にメルペイは、どこかの企業と統合する可能性があるでしょう。メルペイにはフリマアプリ「メルカリ」が「後ろ盾」にあるので、統合する側の企業として魅力を感じ 、話を進めやすい可能性があります。それはなぜか――。メルペイには、メルカリを利用するアクティブユーザーやヘビーユーザーがたくさんいるため、フリマとして利用する際にも、スマホ決済を利用することも多いからです。

   d払いにも注目。他社との経営統合はないとみますが、より強力な決済サービスになるように着々と準備しているのではないでしょうか。

   このように、スマホ決済事業の淘汰が進むと、 スマホに数個の決済アプリを入れているユーザーにとって、一つにまとめられるうえに、利用できる幅が広がるということは非常に便利であると考えられます。

   スマホ決済サービス事業者同士での競争が進み、淘汰されていくことは、どのサービスを使うべきか悩むユーザーにとっては、非常にありがたい話です。複数の決済アプリを使い分ける手間がなくなり、一つのアプリにまとめられるうえに、利用できる幅が広がるということは非常に便利であると考えられます。

   洗練されたサービスが残り、より多くの人がスマホ決済サービスを使うことで、経済産業省がキャッシュレス化を推進する理由としている、実店舗などの無人化・省力化、不透明な現金資産の見える化、流動性の向上と、不透明な現金流通の抑止による税収向上につながるでしょう。さらには、支払データの利活用による消費の利便性向上や消費の活性化などの国力アップにつながる、さまざまなメリットが具現化されるのではないでしょうか。(久原健司)


久原 健司(くはら・けんじ)) プロフィール
株式会社プロイノベーション 代表取締役、日本一背の高いITジャーナリスト 1978年生まれ。2007年、29歳で株式会社プロイノベーションを設立。18年に「振り向くホームページ」サービスを開始。プロのフリーランスの力で企業の成長をサポートすることで、フリーランスとしての働き方を応援する傍ら、ITジャーナリストとしてさまざまなwebメディアで活躍中。


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