2024年 4月 16日 (火)

医療費めぐる経団連提言 「さらなる」消費増税の「財界陰謀」説は的外れだ!(城繁幸)

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「労使対立」という幻想を捨て、「世代間対立」を直視せよ

   日本のリベラルは団塊世代をはじめとする高齢者が主な支持層なので、世代間の利害対立を頑として認めず、何が何でも労使対立に見せかけようとする傾向が強い。

   今回の提言に対してもリベラル政党からはさっそく「社会保障カットやさらなる増税へ道を開く財界の陰謀だ」といった的外れな指摘が上がっている。

   ところが陰謀どころか、現実には上記のように労使は一丸となって既得権層と対峙しているわけだ。リアルな対立軸が、どこにあるかは明らかだろう。

   連合は以前から「共産党を含めた野党共闘路線」に頑なに反対し続けているが、「労使対立を煽って自分たちの給料をかすめ取ろうとする『えせリベラル』」と手を組めというのがそもそも無理な話だろう。

   最後に。じつは「サラリーマンの天引きを増やす」「高齢者にも窓口負担や消費税という形で負担してもらう」という選択肢のほかに、第3の選択肢もある。

   それは「高齢者の社会保障をカットする」というものだ。残念ながら、現状でそれを支持する声はほとんど聞こえないものの、高齢者自身の負担が増えれば、彼らの中からそれを求める声が出てくるかもしれない。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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