2019年 12月 15日 (日)

海外メディアは見放した! 安倍首相「歴代最長記録」に冷ややかムード そのワケは?(井津川倫子)

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   安倍晋三首相の通算在職日数が2887日となり、106年ぶりに記録を塗り替えて憲政史上最長となりました。

   G7(主要国首脳会議)メンバーの中でこの記録を超えているのはドイツのメルケル首相だけです。さぞや海外でも華々しく報道されると思いきや、なぜか冷めたムード......。まるで、機を見るに敏な海外メディアが何かをかぎ取ったかのように、ネガティブなトーンが目立ちます。

  • 安倍首相「歴代最長記録」、海外メディアに「お祝いムード」なし!
    安倍首相「歴代最長記録」、海外メディアに「お祝いムード」なし!

安倍首相の成果は「あの人との絆」だけ??

   安倍首相「記録達成」を伝える見出しは、どの国のメディアもほぼ同じ。工夫やひねりがあまり感じられず、面白みに欠けています。

Abe becomes Japan's longest-serving prime minister
(安倍首相は日本で最も在位が長い首相になった)
longest-serving:最も長く仕えた
prime minister:首相

   さらに、記事本文を読むとなんだか「どよ~ん」と沈んだムードに。「1900年代の始めに3度にわたり首相を務めた桂太郎元首相以来の記録更新」や、「2005年から首相の任にあるメルケル氏に次ぐ在位の長さ」など、「事実」を丁寧に織り交ぜて「歴史的なできごと」だと紹介しているものの、全体的にお祝いムードとはほど遠い、ネガティブな論調なのです。

   たとえばオーストラリアのウェブメディアは、安倍首相は歴史に名を連ねたものの、「目標達成にはほど遠い」と、その業績を辛辣に批評しています。

Shinzo Abe entered the history books as Japan's longest-serving premier, but many of his ambitious goals appear far from reach
(安倍晋三首相は日本の歴代最長首相として歴史に名を連ねたが、彼の野心的な目標の多くは、達成にはほど遠いようだ)
ambitious goals:野心的な目標
far from reach:まったく手が届かない、ほど遠い

   むしろ、最近の相次ぐ閣僚の辞任や、「桜を見る会」をめぐる自身の疑惑によって首相が「窮地に立たされている」ことを強調する表現が目立ちました。

Abe's reputation has been tarnished
(安倍首相の評判は色あせてきた)
be tarnished:色あせる

Abe is currently mired in a row over scandal
(安倍首相は最近、スキャンダルをめぐる騒動にはまり込んでいる)
row over:~をめぐる騒動

Now Abe is under fire over accusations of breaking campaign laws
(今や安倍首相は、選挙法違反告発の砲火を浴びている)
under fire over:~の砲火を浴びて、~の非難を受けて

   面白いことに、どのメディアも「数少ない安倍首相の成果」としてあげているのがトランプ米大統領との「warm ties」(暖かい絆)です。ところが、これに関してもフランスのメディアは「controversial courtship」(物議を醸し出すご機嫌取り)と容赦なく批判しています。トランプ米大統領自身、ウクライナ疑惑で火が付いていますから、状況によっては「暖かい絆」が命取りになるかもしれません。

   というわけで、これまでの海外報道を見る限り、記録達成を称える「お祝いムード」はまったく伝わってきませんでした。

ネガティブトーンの海外メディアに「潮目が変わった」?

   業績面では「目標達成にほど遠い」うえに、度重なるスキャンダルで選挙法違反の非難を受けているとなると、「どうして在位が長いのか?」「なぜ、辞任に追い込まれないのか?」という疑問が沸くようです。この点についても、各国の「見立て」は一致していました。すなわち......。

There seem to be no strong rivals inside the LDP
(自民党内に強力なライバルがいない)

His victories were aided by a fragmented opposition
(彼の選挙での勝利は、バラバラになった野党に支えられた)

One reason was failure of the rival party
(たった一つの理由は、ライバル党の失敗によるものだ)

   安倍政権が長く続いている理由として、安倍首相のリーダーシップや政治家としての手腕に触れているメディアは一つも見当たりません。人柄や面倒見の良さといった人間的魅力も皆無のようです。

   さらに追い討ちをかけるように、米国のニューヨークタイムズ紙は「ピークをすぎたアベノミクス政策」で「日本を不況に導くかもしれない」と、看板政策である「アベノミクス」も先行きが暗いと報じています。

   それでは「今週のニュースな英語」は、安倍首相の歴代最長記録達成に関する英語表現を紹介します。

Abe becomes Japan's longest-serving prime minister
(安倍首相は日本で最も在位が長い首相になった

Abe pulled ahead Taro Katsura
(安倍首相は桂太郎首相を抜いた)

Abe's days in office totaled 2887 on Nov. 20,
(安倍首相の在任期間は11月20日に2887日になった)

Abe broke the record set by prewar politician Taro Katsura.
(安倍首相は戦前の政治家である桂太郎首相の記録を破った

   皮肉なことに、せっかくの記念すべき「記録達成の日」を、「桜を見る会疑惑」の払拭に追われた安倍首相。ネガティブトーン満載の海外メディアの報道に、「潮目が変わった」と感じるのは私だけでしょうか。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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