2024年 4月 20日 (土)

日本の「アウトライアー」ぶりが目立ったCOP25 小泉「パパ」大臣が「残念」だったワケ(井津川倫子)

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プライベートネタのてんこ盛りだった小泉大臣のスピーチ

   おやおや? 小泉大臣の評価とはずいぶんとトーンが異なります。「プレゼンスが高まった」と胸を張った日本への国際的な評価は、「部外者」「異常値」とまで言われているではありませんか!!

   さらに、国内で話題になった温暖化対策に後ろ向きな国に贈られる「化石賞」を日本が受賞したことでさえ、海外メディアはあまり大きく報じていないように感じました。むしろ、同じ「受賞国」のブラジルやオーストラリアのほうに注目が集まっていたようです。

   残念なことに海外メディアの報道を見る限り、COP25での日本のプレゼンス(存在感)は「高まった」どころか「たいして話題になっていない」というのが現実ではないでしょうか?長年、海外ニュースをウオッチしてきた感覚からは、ほぼほぼ「スルーされた」といった印象です。良くも悪くも「存在感なし」でしょう。

   それにしてもなぜ、小泉大臣は「日本のプレゼンスが高まった」とポジティブに受け止めているのでしょうか?

   国内では小泉大臣のCOP25でのスピーチが話題になりましたが、「日本の大臣としては久しぶりだった」と、スピーチや会見をしたこと自体を評しているメディアはありました。日本の環境政策が批判にさらされているなかで、逃げずにスピーチと会見をした小泉大臣の姿勢は「日本の政治家としてはめずらしい」ことかもしれません。

   ただ、その内容については、「as a millennial and father to-be he shared worldwide fears over climate change」(ミレニアル世代で近々父親になる立場として、気候変動に関する世界的な危機感を共有していると語った:ロイター通信)と、スピーチの一部を引用するだけで、残念ながら「良い」とも「悪い」とも評価していないのです。

   小泉大臣が「残念」なのは、「日本の政治家の常識」から抜け出していないことです。

   今回のスピーチでも「自分は若い」「来年父親になる」といったプライベートネタを盛り込み、脱石炭に向けて「政権内で孤軍奮闘している」とアピールしたようですが、海外の方々にとってはピンとこないでしょう。

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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