2020年 1月 20日 (月)

「時給930円のパートなのに正社員のフォローってあり?」女性の投稿が大炎上! 専門家に聞いた

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「時給930円のパートなのに、もうすぐ産休に入る正社員のフォローでヘトヘト。それなのに正社員が産休に入っても補充人員がこないってあり?」

   こんな女性の投稿が話題になっている。

「あなたが頑張りすぎるから、仕事をこなしてしまうから、上は増員を認めないのだ」
「それ以上働くのをやめなさい」
「そんな職場、転職しなさい」

というアドバイスが殺到している。パートと正社員間ではよくある問題だが、専門家に聞いた。

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「2人だけの職場。正社員が産休入りしても補充が来ない」

   話題になっているのは女性向けサイト「発言小町」(2019年11月16日付)の載った「パートなのに産休育休の正社員のフォロー」というタイトルの投稿だ。

「モヤモヤしています。もうすぐ産休入りする正社員と2人で、金融機関の融資係のパートをしています。時給は930円ですが、個人担当をしているため、仕事をしっかりやらないと、お客様に迷惑がかかることになると、頑張ってきました」

   ところが来年、正社員が産休入りしても補充の人員がこないことがわかったという。店すべての個人ローン業務を一人で担う事になるのだ。

「補佐の今でさえ正社員と変わらない仕事をしていますが、私自身も小さい子供が1人いて、子供が病気で休んでも快くOKしてくれる今の職場が手放しがたいと、辛抱してきました。トップに業務量的に一人では無理なことと、補充を直談判しましたが答えはNOでした。私の上司が何度も頼んでくれましたが、NOの答えは変わりません」

   一方、産休入りを控えた正社員の態度もモヤモヤ感に拍車をかけた。パートである投稿者が、お昼を食べる時間がないほど働いているのに、ゆっくりと昼の休憩に出かける。そして帰ってくると、あまり仕事をせずに、「腰が痛い~」「蹴られてつらいの~」などと妊婦話を伝えてくるのだった。

「来年からは二倍の仕事量になります。なぜ安月給の私が正社員のフォローを一人でしなくてはいけないのでしょうか」

と結んでいる。

「『私パートなんで』と割り切って仕事したら」

   この投稿には「パートなんだから割り切ってやれば。頑張らないで。そんなところ辞めて早く転職しなさい」という声が多く寄せられた。

「契約書に記載されている時間通りに働き、時間通りに退社しましょう。きっちり休憩も取り、業務が残ったら上司に振って退社しましょう。それがパートの働き方です。時間内に仕事が終了しなくても、パートの責任外です」
「仕事をやってしまうからだよ。あなたの厚意のフォローという犠牲、疲弊の上に会社があぐらをかいてしまっている」
「時給930円で正社員のフォローまでやってられないですね。私なら補充がないなら、正社員が産休に入る前に辞めて転職します。結局やれる人がいて困っていないから補充されないと思うので。あとのことは知りません」
「退職上等!辛抱厳禁!人手不足ではやってはいけないこと。その足りない手で無理をしてまで仕事を終わらせること。経営者側は『なんだ、できるじゃん。それなら人を増やさなくていいな』となってしまうから。頑張ったのに報われるどころか、よけいひどくなるのです」

   金融関係で働いた人からも応援のエールが――。

「融資事故なんてダメですよ。あなたのせいになりますから。顧客に迷惑をかけているのは、あなたではなく銀行です。経験を要する銀行事務ならほかにもいいところありますよ。あなたは、930円の時給で頑張りすぎ。年収にしたら、大卒新入行員の半分以下じゃないですか。悲しくなりますよね。辞めて次に行きましょう!」
「元融資担当正社員です。私が勤めていた時、パートさんにはよくこう言われました。『私は安い時給のパートなの。好きな時に休みを取るから、ちゃんとそういうこと考えて行動してよね。あなたは正社員なんだから』と。私はお昼が食べられなくても、パートさんには行って頂きました。なので、あなたも正社員に言えばいいと思うのです。『私パートなんで』と。パートなんで、お昼食べに行ってきます。パートなんで、時間きたから後よろしくと。どんどん自己主張をしましょう」

   J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、女性の働き方に詳しい、主婦に特化した就労支援サービスを展開するビースタイルの調査機関「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長に、この問題に意見を求めた。

「会社側は辞めるように仕向けているのでは」

――今回の投稿と回答を読み、率直にどんな感想を持ちましたか?

川上敬太郎さん「書かれている内容からは、信じ難いほど過酷な状況だと感じました。組織としての機能が破綻しかかっているほどの危機的な状況に見えます。にもかかわらず、会社側が人員補充などの対応にNOと回答している理由がよくわからない点が不可解です」
「今回のような、パートさんが正社員をフォローして起こる問題そのものではありませんが、以前、働く女性たちに同一労働同一賃金に対する意識調査を行ったことがあります。現在の仕事について不公平だと感じたことはある人が78%もいました。パートさんが正社員と同じ仕事をしているのに報われない。日本中の職場のあらゆるシーンにおいて、不公平感を覚えている人がたくさんいると思います」

――そもそも時給930円のパートに、完全に正社員のフォローをさせるということがありうるのでしょうか? また残業なしの契約ということですが、これまで正社員と2人でやっていた仕事を、パートだけにやらせるということが、かなり無理な話だと思いますが。

川上さん「パートとして雇用されているにもかかわらず、業務内容や責任なども正社員とほぼ同じというケースが現実として起こっている職場があります。2020年4月に施行される同一労働同一賃金実現に向けた法律改正は、そのようなケースで発生する待遇格差を是正するためのものです。ただし、パートさんが正社員の業務の一部をカバーしたり、サポート要員として目標に対する責任を負わずにフォローしたりするケースは、一般的にありうる範囲だと思います」
「また、パートの場合、残業はできないことが前提です。なので、パートに残業を依頼すること自体が、本来はイレギュラーなことです。ただし、残業自体は36協定(労使協定)さえ結んでいれば、届出の範囲内で企業が命じることは法律上可能です」
「ただし、投稿者さんが、本当に1人で2倍の業務量を任されるとしたら、よほど革新的な処理方法でも開発されない限り現実的に不可能です。逆に本当にそれが可能だとしたら、これまでの業務に相当ゆとりがあったことになります。しかし、投稿者さんは、昼食をとる時間もなかったほどですから、とてもゆとりがあったようには見えません。会社側が補充要員を出さないことが事実なら、マネジメント意識がよほど欠落しているのか、あるいはうがった見方をすれば、何らかの事情から投稿者さんが辞めるように仕向けているようにさえ見えてしまいます」

――なるほど。確かにいま金融機関は大リストラ時代に入ったといわれていますから、2人しかしかいない相談窓口を正社員の産休入りを機に切ろうとしているのかもしれませんね。

川上さん「もし辞めるように追い込んでいるとしたら、それはそれでひどいやり方をする会社だと思います。こういう精神的に追い込むようなやり方には憤りを感じます」

「10年後も見越したうえで転職を」

――「投稿者は責任感が強く、頑張ってしまうからよくない」、あるいは「人手不足の職場で一番よくないのは頑張って人手不足をフォローしてしまうことだ。経営者がそれに甘んじて人を増やさなくなる」という意見があります。こうした意見についてどう思いますか。

川上さん「組織をどう機能させていくかという大きな観点に立てば、その通りだと思います。しかしながら、投稿者さんが置かれている立場のように、目の前に仕事がたまっており、その先にはお客様がいて迷惑がかかってしまう状態では、放っておくことは難しいと思います。責任感が強い人であれば、なおさら放っておけないでしょう」

――そんな責任感が強い彼女に、川上さんならどうアドバイスしますか。

川上さん「投稿者さんの状況はとても心配です。明らかに過酷な状況なのに会社が人員補充の対応にNOと回答しているのか理由がよくわかりません。相当ひどい会社ですし、企業として今後の存続さえ危ぶまれるレベルの話です」
「投稿者さんには、目の前のことだけでなく5年後や10年後も見越した上で今をどうするべきかを考えることをお勧めしたいと思います。もうガマンを続けるべきではありません。能力がある人なのですから、仕事をこれからも長く続けていくのであれば、心身が健康なうちに次の一手を打つことを考えてください。そうです、転職をおススメします」

(福田和郎)

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