2020年 4月 7日 (火)

【襲来!新型コロナウイルス】感染症を理由に出社停止、そのとき給料はどうなる!?

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   新型コロナウイルスの感染はどこまで広がるのでしょう......。2020年2月23日の天皇誕生日の一般参賀が中止になったり、3月1日の東京マラソンで一般参加者の出場が取りやめになったり、ほかにも多数の人が集まる各種イベントが続々と中止になっています。

   国は手洗いやアルコール消毒、咳エチケットのほか、不要不急の集まりを控えるように呼びかけているけれど、有効性が証明された治療薬はまだありません。

   一般企業では、IT系を中心にGMOインターネットグループ、ドワンゴ、クックパッドなど、在宅勤務を実施する企業も増えていますが、企業が感染症を理由に社員を出社させないという命令は有効なのでしょうか? 給料は保証されるのでしょうか? パートやアルバイト社員は仕事をしないのですから、給料ももらえませんよね......。

   今回はこちらのご相談を、グラディアトル法律事務所の「闘う弁護士」、伊藤琢斗先生に聞きました。

  • 新型コロナウイルスかな……
    新型コロナウイルスかな……

新型コロナウイルスが理由の休業命令は「有効」だけど......

闘う弁護士先生

   従業員の誰を出勤させるかは、使用者、つまり経営者に決定権限があります。出社させない命令(休業命令)については、原則有効です。これは、症状によって変わるものではありません。

   労働基準法26条によれば、使用者側の責に帰すべき事由による休業の場合、すなわち経営者側の事情によって、労働者を休業させる場合には、平均賃金の60%以上の手当を支払わなければならないとされています。これは、パートやアルバイトでも変わりません。

   しかし、感染症に罹ったことを理由として休業させる場合については、その感染症の種類や程度など、さまざまな事情を考慮して、使用者側の事情による休業かどうかを判断することになるでしょう。

   一つの参考として、厚生労働省の2009(平成21)年10月30日付通達では、労働者が新型インフルエンザに感染し、医師によって休業するよう指導されている場合には、休業命令を発しても使用者側の事情による休業ではなく、休業手当を支払う必要はないという旨の記載があります。

   つまり、経営者が労働者に対して、60%の手当てを含め、給料を「支払う必要はない」というわけです。これは、感染した状況によって判断が変わることはないでしょう。

   新型コロナウイルスでも、感染した旨を診断した医師から、数日間は他人と接触しないよう指示されるでしょう。その場合には、給与を支払うことなく、休業命令を出すことができるということになります。

   万一、新型コロナウイルスに感染して休業命令を出された場合には、まず会社に休業手当が支払われるのか確認しましょう。法律上の義務とは別に、会社として休業手当を支払う方針であれば、休業手当が支給されることがあります。

   一方で、会社が休業手当を支払わないと回答した場合、有給休暇を申請するなどで対応しなければ、休んでいる期間は給料が出ないことになってしまいます。

仕事中の感染は労災の対象にはなるの?

   一方、業務中に営業先や職場でウイルス感染してしまった場合、労災は使えるのでしょうか――。

   感染が業務を経て起こり、そのことが立証できる場合には、労災であると認められるでしょう。

   ただし、営業先や職場で感染したことを立証するのは非常に困難です。たとえば、職場でインフルエンザが蔓延していたとしても、プライベートで別の場所に行った際にインフルエンザに罹ってしまった可能性を否定できないことは、想像しやすいと思います。

「新型コロナウイルスを拡散した」と損害賠償を請求されたら?

   新型コロナウイルスに罹っていたのに出社してしまった。その結果、職場で感染症が蔓延して業務が滞り、会社に損害が生じた場合、会社から損害賠償を請求されないのか――。そんな不安が現実的になってきました。

   新型コロナウイルスに感染していると知らずに出社した社員に対して、損害賠償請求をすることはできないでしょう。本人も知らなかった以上、損害が発生したとしても、(過失)責任を負わせられないことが予想されます。

   しかし感染症であり、医師に止められていたにもかかわらず出社し、社員に感染させた場合には、損害賠償請求ができます。

   ただ、労災と同様に、損害賠償請求をするには、その社員が職場にウイルスを蔓延させたこと「立証する」必要がありますが、それは非常に困難なことです。(伊藤琢斗弁護士)


◆ 今週の当番弁護士 プロフィール

伊藤琢斗(いとう・たくと)
弁護士法人グラディアトル法律事務所所属弁護士
立命館大学法学部卒業後、神戸大学法科大学院修了
インターネット問題、ベンチャー企業支援をはじめとする民事上の案件を幅広く取り扱う。刑事事件についても積極的に取り組んでいる。


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グラディアトル法律事務所
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