2020年 6月 7日 (日)

増える外国人労働者を検証 治安や税制、雇用、文化で日本はどう変わるのか

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   外国人労働者の数はこの10年で3倍に増え、日本の「移民」は250万人にのぼる。じつは、日本はすでに世界有数の移民大国なのだが、政府が「移民政策はとらない」と言い続けていることもあり、さまざまな「移民」の影響については、議論になってこなかった。

   本書「移民の経済学」は、そのことに気が付いた経済学者が、移民受け入れにより日本がどう変わるかについて考察。これまでの調査や研究をもとに、雇用や賃金、経済成長、社会保障から科学技術、治安、文化までと多岐に及び議論を進めた。これまで移民のことが他人事だった人も、身近な問題として捉えられる。

「移民の経済学 雇用、経済成長から治安まで、日本は変わるか」(友原章典著)中央公論新社
  • 今後はさらに「移民」が街に増えることになる
    今後はさらに「移民」が街に増えることになる
  • 今後はさらに「移民」が街に増えることになる

損得じゃなく、イデオロギーでもなく考える

   著者の友原章典さんは、青山学院大学国際政治経済学部教授。米ジョンズ・ホプキンス大学大学院で経済学博士課程(Ph.D)を修了。世界銀行や米州開発銀行でコンサルタントを経験した。

   その後、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校経営大学院エコノミスト、ピッツバーグ大学大学院客員助教授、ニューヨーク市立大学助教授などを歴任したキャリアを持つ。

   「本書を書くきっかけとなったのは、人生の3分の1をアメリカで外国人として暮らした体験」と友原さん。

「20代半ばからアメリカでマイノリティーとして暮らし始め、博士号をとり、そのままアメリカの大学で働きはじめた。こうした経験もあり、移民は私の重要な研究テーマとなった」

   まずは、日本の「移民」の現状を概観。国連の資料によると、日本にいる「移民」の数は250万人。このうち本書で、その影響を考える外国人労働者の数は、2018年時点で146万人。08年には48万6000人だったというから、10年で約3倍になった(厚生労働省「外国人の雇用状況の届出状況」より)。

   この間に、門戸開放について議論がなかったわけではないが、それは移民をめぐって「得する人」と「損する人」との綱引きだったり、イデオロギーがらみだったりで、国民生活とはあまり関係がなかった。外国人労働者がこれから、さらに増えるのを前に、「移民」のことをよく考えてみようというのが本書の提案だ。

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