2020年 10月 26日 (月)

「質」の低下は否めない! 深刻化する、なり手不足が招いた地方「兼業」議員の不埒(鷲尾香一)

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   新型コロナウイルスの感染拡大で、全国的なマスク不足が深刻化するなか、地方議会議員による「軽率で議員とは思えない無分別な行動」が目立っている。

   2020年3月6日には、静岡県の諸田洋之県会議員が医療用マスクをネットオークションに出品して、1回当たり数万円から十数万円で落札されていたことが明らかになった。2月4日~3月6日の31日間にヤフーオークションを使って、医療用マスク2000枚セットを89セット販売し、売上高は888万円にのぼった。

  • 地方議員の3分の1は「無投票」で当選していた!
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諸田県議はインクカートリッジ販売、高橋市議はコンビニ経営

   諸田県議はインクカートリッジ販売を行う「株式会社 来夢」を経営しており、出品したマスクは過去に中国から輸入し、在庫として保管していたものの一部で、

「転売品ではなく、問題ない。出品時は1円からスタートしている。落札は相場価格だ」

とコメントしていた。

   しかし、地元の静岡県焼津市では、現役の県議がネットオークションにマスクを出品して利益を得ていたことで、

「県議という立場をまったく理解していない。医療機関などマスクが必要な人たちに支援や寄付するなどを考えるべきだ」

と、大きな反発を呼んだ。

   3月10日には、青森県五所川原市の高橋美奈市議が、自らが経営するコンビニエンスストアに入荷したマスクを、同じ会派の議員に優先的に販売していたことが判明した。

   高橋市議は3月上旬、五所川原市内で経営する4店舗のコンビニエンスストアに入荷したマスクおよそ30セット、を同じ会派の市議5人に通常価格で販売した。店の従業員にはマスクは売り場に出さず、客には「在庫切れ」と答えるように指示していた。

   高橋市議は、

「軽率な行動だったと反省しています。これから市議会議員として自覚を持って活動をしていくうえで信頼を取り戻していきたい」

と、優先販売の事実を認めて謝罪している。

   しかし、地元では、

「コンビニ経営者という立場を使い、身内を優先してマスクを販売するのは、許しがたい」

との声が相次いでいる。

   諸田県議、高橋市議とも地方議会議員だ。国会議員や公務員は、他の職業との兼職を禁止されているが、地方議会の議員は禁止されていない。こうした規定の緩さが、「今回のような、議員にはあるまじき無分別で軽率な行動を許している」との指摘もある。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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