2024年 4月 25日 (木)

日本の管理職は「アマチュア」ばかり? プロにならないとグローバル化のなかでは生き残れない

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「根回し」の日本流にこだわるあまり......

   社内での歩みは順調なAさんだったが、勤務している中核子会社は不振。営業赤字が5年間続き、資金繰りも苦しくなっており、Aさんは業績回復のための中期経営計画の作成に取り組んでいた。そのさなか、Aさんの中核子会社は中国企業への売却が決定。Aさんは重要人材として売却対象に含まれており、M&Aの知らせの3か月後に売却は完了した。

   これまでの社長は解任され、中国人の新社長が就任。米国でMBAを取得し、欧米の数々の企業の経営改革・再建を成し遂げた、グローバル経験豊富な、プロリーダーの人物だった。新社長はAさんに会社の事業状況を尋ね、新しい中期経営計画の作成を依頼するなど重要人物とみなしていたという。

   ところが、新社長就任から約2か月後に異変が起こった。新社長はAさんの業務について「成果が出ていない。仕事のスピードが遅い」などと述べ、Aさんに対し、製造ラインの作業をするか、退職するかのどちらかを選択するよう迫ったのだ。

   Aさんは中期経営計画の作成依頼を受けてから、社内の各部の部長に声をかけるなど時間をかけて新経営方針への合意形成を目指したり、急な環境変化に対する部下の心のケアに時間を割くなど、M&A前と同じように根回しを重視。中国人新社長にも直接「計画作成着手の前に、まずは、新経営方針を社内の各部と合意形成させてほしい」と訴えていた。

   新社長の主張はこうだ。

「新経営方針は我々トップが決めるものであり、各部長へ伺いをたてるようなものではない。我々の新経営方針に反対する部長がいるなら、その人たちには会社から去ってもらえばいい」

   Aさんは社長のこの指示には従わず、反対する部長に丁寧な説明を行うなど根回しを続けた。そして、しびれを切らした新社長からの退職勧告。一時は本社の次期社長に擬せられたAさんは結局、退職の道を選び転職先を探すことになった。

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