2021年 6月 24日 (木)

社会に絶望していた自分が、漫画家になろうと思ったワケ  ギャグ漫画家 田島シュウさん独占インタビュー(前編)

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   疲れた心を癒すギャグ漫画「日めくり漫言」、シュールながら登場人物の優しい心が伝わる「アイテムおばあちゃん」など、ウェブを中心に人気の漫画家、田島シュウ(たしま・しゅう)さん。2020年3月30日には、小学館から初の単行本「田島シュウの日めくり漫言」が発売される。

   27歳までフリーター生活を続け、ときに社会からの疎外感も感じていたという田島さん。何がきっかけで、長いフリーター生活を抜け出し、漫画家になったのか? その一風変わったデビュー秘話から、スランプを経て人気作品を生み出すに至ったエピソードの数々に迫る!

   初めての独占インタビュー、もちろんメディア初登場である。

  • 「27歳までフリーター生活でした」と、ギャグ漫画家の田島シュウさんは明かす
    「27歳までフリーター生活でした」と、ギャグ漫画家の田島シュウさんは明かす
  • 「27歳までフリーター生活でした」と、ギャグ漫画家の田島シュウさんは明かす

27歳、フリーターの一念発起!

――小学館のコミック配信サイト「やわらかスピリッツ」では、独自の感性に貫かれた1ページ漫画「日めくり漫言」が常に上位をキープしています。

田島シュウさん「ありがとうございます。1週間に7本、毎日投稿しているので、多くの方に見ていただいているのかもしれません」

――デビューのきっかけも、ウェブ漫画だったのですか?

田島さん「今35歳なんですが、漫画家になったのは27歳のときなんです。それまでは『親のすねかじり』というか、フリーターみたいな感じで。バイトをしながら、なんの目的もなくその日暮らしをしてまして......」

――10代の頃から漫画家になりたかった、とかではなく。

田島さん「全然そんなことないんです。27歳のとき、久々に会った同級生が『趣味で漫画を描いている』というのを聞いて、『漫画家ならこの先ずっと続けられるし、自分にもできるんじゃないか』と思って描き始めました......。けっこう変わった経歴だと言われます」

――それまでは、大阪の実家でアルバイト生活を送っていた。

田島さん「はい。工業高校を卒業して、兄が工場務めだったので、内向的な性格の僕も『工場勤務が合っているんだろうな』と思って、ふつうに就職したんです。でも、とにかく仕事覚えが悪かった。工場の仕事にもまったく興味が持てなくて、1年足らずで辞めてしまったんです。その後はアルバイトを転々として......って感じです」

「やる気がない」と怒られて......

田島シュウさんは「漫画家だけは成功しなくても一生続けると決意した」と打ち明ける。
田島シュウさんは「漫画家だけは成功しなくても一生続けると決意した」と打ち明ける。

――ちなみに、何の工場だったんですか。

田島さん「それも思い出せないんです(汗)。そのくらい興味がなかったのかもしれません。自分はたぶん、よくわからないんですけど、自閉症ぎみというか、何だかわからなかったんですよ。高校を卒業して初めて、社会に出て働いたわけですけど、『なんかハマらないなぁ』っていう感覚がずうっとある。人間関係を潤滑に回すことができなくて、一人で傷ついて溜め込むことが多かったです」

――上司や同僚と、円滑なコミュニケーションが取れなかったんですね。

田島さん「どんな仕事をしても、まったく興味が持てなかったです。それで『やる気がないのか』と怒られる。興味がないっていうのが、態度に出てたのかもしれません。一方で、何も考えなくてもできるような仕事...... スーパーの品出しとか、人とあんまり関わらなくていい仕事はできましたね。
工場を辞めてからは、バイトで出会った同年代の仲間とロックバンドを組んで、ギターボーカルをやったり。内向的な性格なのに、フロントマンをやったりしてました。それも結局、メンバーと上手くいかなくて辞めちゃったんですけど。そんなとき、同級生が『趣味で漫画を描いている』と聞いて、『漫画なら一人でやれる』と」

――そこから、漫画家の道へ。不安はありませんでしたか?

田島さん「いえ、まったく不安はありませんでした。漫画家だけは、成功しなくても一生続けようと思ったんです。それまで、ふわふわしたフリーター生活が長かったので、次の仕事は人生をかけても後悔しないくらいの、固い決意でやりたかった。そう決めたことで、精神的に安定したんだと思います」

漫画家になってすぐ、「赤塚賞」を受賞

――今はツイッターに漫画を投稿して、そこからデビューする方も多いですが、田島さんもそうだったのですか?

田島さん「いえ、僕は漫画家になろうと思ってすぐ、ラッキーなことに集英社の『赤塚賞』っていうギャグ漫画の賞をいただいて。担当編集もついて『少年ジャンプ』での連載を目指したんですが、鳴かず飛ばずで......。2年連続で赤塚賞をいただいても、ひたすらネームを描いてボツになる日々。相変わらずのバイト生活でした。
このまま30代になったら、少年誌でデビューするのはもっと難しくなるだろうな、と思って、ある日、担当編集さんに『辞めさせてもらいます』と言ったんです。そこからですね。ツイッターに漫画を投稿し始めたのは。ツイッターなら、少年誌のルールに従わなくてもいいし、自由に描けるかなと思ったんです」(次回へ続く)
自身初の単行本「田島シュウの日めくり漫言」
自身初の単行本「田島シュウの日めくり漫言」

※ 次回は、ツイッターに1コマ漫画を投稿していた田島さんが、小学館の「日めくり漫言」の連載をゲットするまでの紆余曲折、どんなふうに漫画を仕上げているのか? などの制作秘話をお届けします。

(インタビュー 生野あん子)


◆ プロフィール
田島シュウ(たしま・しゅう)
工場勤務から、フリーター生活を経て27歳で漫画家に。第334回スピリッツ賞佳作受賞。「田島シュウの日めくり漫言」のほか、「アイテムおばあちゃん」「こんな日もあったっていい」などの作品がWebで人気。初の単行本「田島シュウの日めくり漫言」を、小学館から発売する。
大阪府出身、35歳。
「やわらかスピリッツ」(小学館)
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