2020年 7月 4日 (土)

【襲来! 新型コロナウイルス】新型コロナが暴いたアベノミクスの真っ赤なウソ 1930年代の「大恐慌」クラスが来るかも...... 主要紙から読み解く

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   新型コロナウイルスの感染拡大が世界中の経済に大打撃を与えている。日本政府は2020年3月26日、月例経済報告を発表したが、6年9か月ぶりに景気判断から「回復」の文字が消えた。

   安倍政権がアベノミクスの成果としてアピールし続けてきた「戦後最長の景気回復」の幻が消えた瞬間だった。

   主要各紙はいずれも「安倍政権は景気後退を認めるのが遅すぎる!」と批判している。3月27日付朝刊(東京本社版)の各紙の論調を読み解くと――。

  • アベノミクスの化けの皮がはがれた安倍晋三首相
    アベノミクスの化けの皮がはがれた安倍晋三首相
  • アベノミクスの化けの皮がはがれた安倍晋三首相

首相官邸「景気落ち込みはコロナのせいということで...」

   ようやく実態経済の悪化と月例経済報告の美辞麗句との落差を認めたか、と言わんばかりに批判するのは、朝日新聞「『戦後最長の回復』風前 内閣府幹部「コロナのせいに...ということ」だ。

   これまで、景気回復局面は2002年2月から08年2月まで73か月続いた「いざなみ景気」とされていたが、安倍政権は2012年12月から続く景気回復が2019年1月時点で74か月連続となったとして、「戦後最長の景気回復」をアベノミクスの金看板にしてきた。それを朝日新聞はこう疑問視するのだ。

「民間エコノミストの中では(2年前の秋に)景気拡大はすでに終わっているとの見方が大勢となっている。日本経済センターが3月17日にエコノミストの見方をまとめたところ、景気後退入りを示す『景気転換点はもう過ぎた』と答えたのは33人中29人(88%)。拡大局面から後退局面に移ったことを示す『景気の山』の時期については、『2018年10月』としたのが17人(52%)で最多だった」

   この点は、日本経済新聞「新型コロナ追い打ち、アベノミクス途切れ」と産経新聞「遅すぎた修正判断」も同様に、それぞれエコノミストのコメントを掲載、「2018年10月時点で景気拡大は終わった」とする見方を打ち出している。

   つまり、エコノミストの多くは「戦後最長の景気回復」と誇るには、3か月足りなかったというのだった。それでも安倍政権は「景気の山」を過ぎてから、1年4か月間(16か月間)も「景気回復」を言い続けてきたわけだ。

   これまで月例経済報告が官邸の思惑によって恣意的に書かれてきたことを、朝日新聞「内閣府幹部『コロナのせいに...ということ』」は、こう書いている。

「消費増税直後からすでに個人消費は大きく落ち込んでいたが、内閣府幹部は『これまでは官邸から(月例経済報告について)悪く書くなと言われていた』と漏らし、書きぶりに官邸の意向が働くこともあったと認める。『今回はコロナのせいにしてしまえばいい、ということだ』」

   読売新聞「コロナ拡大 景気急減速」も、こう指摘している。

「安倍首相が経済成長を最重要課題に掲げるなか、『回復』の表現はアベノミクスの成果を裏付ける意味合いを持つ。米国と中国の貿易摩擦の影響で景気後退の観測が高まる中でも、政府はこの見解を維持してきた」
「政府内では『回復』の表現を削除すれば、『アベノミクスの失敗と受け止められかねない』との声もあった。当初は『回復』の表現を残す案もあったが、事態は深刻化の様相を呈し、政府関係者は『状況は厳しい』と決断した」

というのだ。

   この期に及んでも、まだごまかし続けようという動きがあったというわけだ。

アベノミクスを検証しないとまた大盤振る舞いになる

とっくに景気は後退していたのに(写真は、東京証券取引所)
とっくに景気は後退していたのに(写真は、東京証券取引所)

   こうした安倍政権の姿勢について、毎日新聞社説「コロナが原因ではすまぬ」は、厳しく糾弾している。

「問題は『回復』を削除するのが遅すぎたことである。景気が感染拡大の前から悪化していたのは明白だ。それなのに政府は不自然な『回復』という表現を続け、感染が広がったとたんに削除した。感染症が全ての原因であるかのごとくみなして、アベノミクスの問題点にほおかむりするようでは困る」

   そして、こんな批判で結んでいる。

「早く『回復』を削除していれば、経済の足腰を強めて息の長い成長につながる政策に取り組めたはずだ。それでも安倍首相は問題を総括せず、成長戦略と称して『地方創生』や『女性活躍』などのスローガンを掲げ、成果が乏しいまま看板だけを次々と取り換えた。首相は(コロナ禍の)経済対策で『経済をV字回復させる』と強調しているが、まるで感染拡大前は何も問題はなかったような言い回しだ。アベノミクスを検証しなくては単なる大盤振る舞いになりかねない」

   産経新聞「遅すぎた修正判断」は、別の問題点から安倍政権の姿勢を批判する。昨年(2019年)10月の消費増税前の「ごまかし」である。

「日本経済は感染拡大以前から米中貿易摩擦や消費増税の打撃が蓄積し、深刻な不況に陥りつつある。内閣府の景気動向指数は昨年8月から『悪化』に据え置かれ、経済が減速する中で過去2回延期された消費増税が断行された。(コロナ禍の緊急対策で)増税の影響を過小評価したまま弥縫策(びほうさく)を講じても、景気反転の決定打にはならない」

   「弥縫策」とは辞書をひくと、「失敗や欠点を補う一時しのぎの対策」「一時のがれにとりつくろって間に合わせるための方策」などとあり、かなり厳しい表現だ。「増税と新型コロナのダブルパンチで個人消費が深刻な落ち込みを見せている」のは安倍政権の姑息な取り繕(つくろ)い策のせいだと非難するのだった。

「景気が落ち込む角度は東日本大震災級、落ちる深さはリーマン級」

   これから日本経済は、いや世界経済はどうなるのか――。

   毎日新聞「世界同時不況の恐れ 米『大恐慌並み』見方も」は、1930年代の世界恐慌級の打撃に見舞われるというショッキングな分析を行っている。同紙は米国の2大シンクタンクの見方を紹介している。まず、金融大手モルガン・スタンレーはこうだ。

「米労働省が発表した3月21日までの1週間の失業保険申請件数は328万件に達し、過去最多を記録した。2月まで50年ぶりの低水準だった失業率の悪化は避けられず、モルガン・スタンレーは今年4―6月期の経済成長率が30%のマイナスに落ち込むと予測。1930年の大恐慌に匹敵する経済危機に陥るとの見方も出ている」

   米金融大手ゴールドマン・サックスもリーマン・ショック時を上回る打撃になるだろうと、具体的な数字を出している。今回のコロナ・ショックで予測される成長率のマイナスと、2009年のリーマン・ショック時の成長率のマイナスを比べたのだ(カッコ内がリーマン・ショック時)。

(1)世界:▲1%程度(▲0.1%)
(2)日本:▲3.1%(▲5.4%)
(3)米国:▲3.8%(▲2.5%)
(4)ユーロ圏:▲9.0%(▲4.5%)
(5)中国:3.0%(9.4%)

※ リーマン・ショック時は国際通貨基金まとめ、コロナ・ショック時はゴールドマン・サックスまとめ。中国だけは両方とも成長率がプラス。

   これを見ると、米国と欧州の打撃がリーマン・ショック時よりはるかに大きいことがわかる。また、世界経済をけん引する中国の成長率がリーマン・ショック時より低くなると予想されることもあって、世界経済の落ち込み幅がリーマン・ショック時の10倍になりそうだというわけだ。

   毎日新聞は、日本政府内閣府幹部の

「景気が落ち込む角度は東日本大震災級、落ちる深さはリーマン級」

という見方と、英シンクタンクのパンテオン・マクロエコノミクスの

「今後データが恐ろしいことになるのは確実だ」

というコメントを紹介している。

(福田和郎)

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