2024年 4月 17日 (水)

「定時に帰ってこい! 子どもができたのにのん気に残業する夫に腹が立つ」働くママの投稿が大激論 専門家に聞いた

「仕事と子育ての両立で何かを犠牲するのはおかしい」

残業が快感になる?(写真はイメージ)
残業が快感になる?(写真はイメージ)

   ――「女性(母親)は会社から優遇されるが、男性が定時に帰るのは難しい雰囲気がある。できたら苦労しない」という意見も多くありました。

川上さん「男性は働き女性は家庭を守る、という役割分担のイメージがまだ根強く残っている職場が多いと思います。女性は早く帰りやすい環境だ、とまでは思いませんが、やはり男性のほうがより職場の理解を得にくいという空気はあるのではないでしょうか。今は過渡期で、変わっていく最中なのだと思います」

   ―― 一方、ワーママの間では投稿者への共感が多いです。「残業代がどうのこのではなく、早く帰ってきてほしいのだ」という意見が代表的です。また、「男は仕事を理由に育児協力を逃れることが許されるが、女性には許されない。投稿者は仕事も育児も頑張っている」という応援の声も目立ちました。

川上さん「『早く帰ってきてほしい』というのは、育児という務めを共に果たして欲しいという妻からのメッセージであり、率直な気持ちなのだと思います。夫婦は家庭の共同運営者ですが、家庭は『稼ぎ』と『務め』を両輪にして運営していくものです。『残業代』と『早い帰宅』、それらのバランスをどうとっていくのがベストなのかを夫婦で話し合う必要があると思います。 家事育児の負担が、女性のほうに偏っているご家庭が多いのは事実です。一方で、男性は男性で背負っているものがあります。もし男性が『仕事を理由に育児協力を逃れることが許される』のだとしたら、女性は『育児を理由に家計を担う仕事から逃れることが許される』という面もあるはずです。それらはいずれも古い価値観による呪縛であり、それが救いになっているケースもあるかもしれませんが、今の生きづらさの原因の一つになっているように思います」

   ――確かにそうした古い考え方が夫婦を縛っている面がありますね。投稿者は今後、夫にどう接したらよいでしょうか。川上さんなら、どうアドバイスをしますか。

川上さん「育児はストレスにならないと書かれていることから、投稿者さんはお子さんを第一に考えて行動している方だとお見受けします。それが投稿者さんにとって、絶対に譲れない価値観であり一線なのかもしれません。夫は夫で、投稿者さんの気持ちが全てお子さんに注ぎ込まれているとしたら、じつは内心寂しい思いをしているかもしれません。
投稿者さんの夫は、そもそも残業したいのでしょうか。夫の言い分がわからないため、投稿者さんが一方的な感情をぶつけているようにも見えてしまいます。投稿者さんだけが犠牲になっているとしたら、明らかにおかしなことですが、夫もまたつらい思いに耐えているとしたら悲劇です。投稿者さんは、早く帰るよう努力して欲しいという気持ちを、ぜひ夫に伝えて欲しいと思います。素直な気持ちを夫と共有したうえで、協力して解決策を出していただきたいと思います」

(福田和郎)

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