2024年 4月 20日 (土)

【襲来!新型コロナウイルス】「延べ420万人が利用」GoTo効果の自画自賛に異議あり! 出張者の臨時ボーナスに消える税金が多すぎないか?(2)

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   新型コロナウイルスの感染拡大が収まらないなか、苦境にたつ観光業界の支援のために始めた「GoToトラベル」キャンペーン。

   開始して1か月たった2020年8月25日、赤羽一嘉国土交通大臣は「延べ420万人が利用した」と成果を強調したが、本当に効果はあったのか、疑問の声があがっている。

   主要紙の論調とネットの声を拾うと――。

  • 観光名所の京都(写真はイメージ)
    観光名所の京都(写真はイメージ)
  • 観光名所の京都(写真はイメージ)

旅行に行かなくても観光地サイトで商品を買って支援

   インターネット上の声を見ても、利用者は少なかったようだ。ヤフーニュースの「みんなの意見」のアンケート調査「GoToトラベル・キャンペーン、利用した?」を見ると(8月26日午前9時現在・投票数11万6700票)で「利用していない」80%、「利用した」15%、「利用を検討している」5%と、利用していない人が圧倒的に多い。

   ただ、利用した人々の中には、「GoToトラベル」に期待する観光業者の必死さをこう受けとめる意見が多い。

「利用した一人です。小さな民宿旅館で、夕食はウイルス対策のため1組限定となっていました。チェックアウトの際に女将さんが『コロナに負けずにまた来て下さいね』と言ってくれました。本当に大変なのは旅館のほうなのに、逆に励ましの言葉をいただいて本当にうれしかったです」
「やっと7月に旅館を再開したそうで、検温やフェースシールドの消毒、食事は個室やテーブルを離してセットし、本当に努力を感じました。仕事再開の喜びと、With Coronaの不安を抱えての営業でしたが、喜んでいましたよ。それでも昨年の半分の客でした。健康な人が行けばよいし、不安な人は行かなければよい。ただ、GoToがないと倒産するだろうと、現地を見て感じました」

   また、旅行に行かなくてもこんな支援の仕方をする人も。

「マイカーなし、東京住み、受験生を抱える我が家。今年はレジャーどころではありませんが、少しでもお役に立てればと思い、夏休みに地方の観光地のサイトで商品を買いました。観光に行けた気分になれるし、こういう支援の仕方もいいんじゃないかと思います」

   GoTo に登録している宿泊業者からはこんな悲壮な声が多かった。

「宿泊業をしています。一番の感染リスクが高い仕事。海の日、お盆は飲めや歌えやの大騒ぎでしたが、注意などできません。居酒屋並みの盛り上がりです。おとなしいのはチェックインまで。私たちにも家族がいます。都道府県である程度感染率を超えたら来ないで欲しいです」
「旅館で働いていますが、7月の連休こそ忙しかったけど、その後は旧盆も含めてさっぱり。GoToが始まる前に戻ってしまいました。これからの予測でも忙しそうなのは9月の連休だけ。感染が少なくならないとダメですね」
「うちはホテルですが、8月は散々です。例年の8月と比べて3分の1以下です。9月は休業の予定ですよ。このままでは危ないですね」
「私もホテル勤務ですが、8月は盆休みも閑古鳥が...。GoToの利用なんて少数です。今のところの予約では9月も暇ですよ」

とGoToの恩恵をこうむっているという声はほとんど聞かれない。

GoToには会社の出張費清算に活用できる抜け道が......

GoToで東京観光を除外したのが間違いだった?(写真は、はとバス)
GoToで東京観光を除外したのが間違いだった?(写真は、はとバス)

   そもそもGoToの利用者には、観光ではなく仕事の出張に使っている人が多いことを政府は知っているのかと指摘する人が多かった。

「私は出張で何度か使用しました。観光ではなく、ビジネスで使っている人が相当数いると思います。政府は、領収書の添付でビジネス利用を一定は制限しようと考えたのかも知れないけれど、一律に定められた宿泊手当で精算している会社も多いですからね。仕事のある業界の出張者にGoTo臨時ボーナスを出すよりも、青色吐息な産業を支援した方が、税金の活用方法としては有効だった気がします」
「政府は無駄な税金の使い方をしているよね。普段どおりの出張に宿泊証明書が発行されて事後申請も可能。しかも会社は一律の宿泊手当で精算なので、領収書はGoToの申請にも使える。週末の金土日と週始めの月を除くと、出張先ではホテル暮らしなので、GoToは臨時ボーナスみたいなものですよ。もらう側の私が言うのも何だけど、GoToに税金投入をしなくても、出張者は必ず宿泊すると思うよ」

   赤羽国土交通相が豪語した「420万人の利用者」の中に、仕事の出張者はどのくらい含まれているのだろうか。

(福田和郎)

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