2020年 11月 26日 (木)

ウィズコロナの秋 ドイツは新たなロックダウンを回避できるのか!?(神木桃子)

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   秋を迎えた欧州では、新型コロナウイルスの感染拡大の波が再び押し寄せてきています。

   ドイツでは2020年9月に入ってから、新規感染者数が2000人を超える日もあり、4月以来となる高い水準を記録。隣国のフランスやスペインでは1万人規模で感染が拡大しており、専門家らは新たな予兆に警鐘を鳴らしています。

   来るべき冬に向けて、ドイツは感染拡大を防ぎ、新たなロックダウンを回避できるのでしょうか――。

  • トラムの停留所に貼られたドイツ連邦保健省のポスター(筆者撮影)
    トラムの停留所に貼られたドイツ連邦保健省のポスター(筆者撮影)
  • トラムの停留所に貼られたドイツ連邦保健省のポスター(筆者撮影)

キャッチーな合言葉で感染予防を啓発

   先日、トラムで移動していたとき、停留所のポスターがふと目に入ってきました。「AHA」という大きな文字にポップなカラーリング。いったい何だろう? と思っていたら、また次の停留所にも同じポスターがあります。よく見てみると、文字の下にはマスクや手、人物のイラストも描かれています。

   じつはこれ、ドイツ連邦保健省の感染予防対策ポスターで、AHAは基本となる3つの対策を表した合言葉なのです。

「A」はAbstand(1.5メートルの間隔保持)
「H」はHygiene(手洗いなどの衛生対策)
「A」はAlltagsmaske(マスクの着用)

   AHAの順序に並べると、同じつづりの「aha」(ドイツ語で「なるほど」、「ほらね」という意味の感嘆詞)を想起させ、耳馴染みがいい言葉になります。また、ポップなデザインで、一見すると対策ポスターに見えません。

   3月末にロックダウンが解除されてから半年以上が経ち、街を歩く人の表情に当時ほどの緊張感はありません。多くの人が新しい生活様式に慣れた状態での、再度の感染拡大の兆し。対策がおろそかにならないよう周知徹底させる目的で、このようなポスターを掲示しているのでしょう。私も、気を引き締めないと、と改めて感じさせられました。

ロックダウン回避にXmasマーケットがない冬

COVID-19感染状況統計データ=中央に表示された地図に、行政区ごとの7日間発生率が色分けして表示されている。白が最も低く、赤が最も高い(出典:ロベルト・コッホ研究所)
COVID-19感染状況統計データ=中央に表示された地図に、行政区ごとの7日間発生率が色分けして表示されている。白が最も低く、赤が最も高い(出典:ロベルト・コッホ研究所)

   現在、ドイツでは感染拡大に伴い、市や群などの行政区ごとに制限を再強化する措置がとられています。その判断基準となるのが「7日間発生率(Die Sieben-Tage-Inzidenz)」。直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数を表す数値です。日本でも緊急事態宣言解除の目安とされたものです。

   連邦政府機関のロベルト・コッホ研究所(RKI)が発表している7日間発生率=上の画像参照=を見ると、この市はゼロに近いけど、隣の市はかなり数値が高いというケースも。同じ州内でも行政区によって感染状況がかなり異なることがわかります。

   連邦政府と州政府の合意により、7日間発生率が50人以上の地域は封鎖を検討する必要があります。値を低く設定している行政区もありますが、9月26日時点で上限値を超えた地域は9か所。最も高い地域は、結婚式で集団クラスターが発生したドイツ西部のハム市で95.5人。東京都の7.6人(同日)と比べると、ケタ違いの数字です。

   これらの地域では、即時の完全封鎖はせず、制限を強化して収束をはかっています。たとえば、ドイツ第3の都市・ミュンヘンで実施されている制限措置は、次のようになります。

【ミュンヘン市における防疫追加措置(9月24日から10月1日まで)】
・市内中心部でのマスク着用義務の強化
旧市街の歩行者ゾーンとその周辺にある通りや広場での着用義務化。違反した場合は250ユーロの罰金。(公共交通機関や商店でのマスク着用義務はそのまま維持)
・市内全域での接触制限の強化
プライベートでも公共の場で集まれるのは、自分の家族や親せき、または5人まで(以前は10人まで)のグループに制限。
・週末の繁華街でのアルコール禁止
中心部の繁華街では、金曜日と土曜日限定で、午後9時から屋外でのアルコール販売が、午後11時から翌日の午前6時まで公共の場でのアルコール消費が禁止。違反した場合、飲酒は150ユーロ以上、販売は500ユーロ以上の罰金。

   マスク文化のないドイツにおいて、屋外でのマスク着用の義務化、しかも罰金はかなりの高額と異例の措置。たった1週間でどこまで感染を封じ込めるか、注目を集めています。

   今年はすでに、ドイツの冬の風物詩であるクリスマスマーケットの中止が各地で発表されており、

「クリスマスマーケットのない冬なんて考えられない!」

と、周りからは悲しむ声が聞こえてきます。

   1年で一番の楽しみを我慢するのだから、今春のようなロックダウンは何とか回避してほしい。そう思うのは私だけではないはずです。(神木桃子)

神木桃子(こうぎ・ももこ)
神木桃子(こうぎ・ももこ)
オーガニックライター
島根県生まれ、東京・多摩育ち。物事の成り立ちを知りたいと大学では有機化学を専攻。小売業界でのオーガニック製品や地域産品のバイヤーを経て、2014年よりドイツに移住。「もっと心地よくグリーンな暮らしへ」をテーマに、ドイツのマーケット情報やトレンド、ライフスタイルについて執筆活動中。3歳になる娘と日本人の夫との3人暮らし。
ドイツ在住。
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