2021年 2月 26日 (金)

「企業版」が普及しないのはなぜ?「ふるさと納税を奪い合う構図」から脱却せよ!(鷲尾香一)

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企業の寄付実績は2016~18年度に3130件、65億7700万円

   企業版ふるさと納税制度では、内閣府から認定された自治体の地方創生プロジェクトに対して、企業が10万円から事業費の範囲内まで寄附することができる。ただし、この寄付は自治体から企業への経済的な見返りを禁止しているため、企業の本社所在地の自治体には行えない。こうして、企業と自治体の癒着に歯止めを掛けている。

   2016年度から2018年度までの企業による寄付の実績は3130件で65億7700万円となっている。対象プロジェクト別には、以下の通りだ。

・しごと創生分野=2423件、9億2700万円
・地方への人の流れ分野=376件、8億100万円
・働き方改革分野=156件、2億7700万円
・まちづくり分野=175件、5億7200万円

   ふるさと納税制度は、返礼品に商品券や高額返礼品を設定して、「ふるさと納税を奪い合う構図」が問題となった。総務省の指定制度により、過度な返礼品はなくなったものの、「ふるさと納税を奪い合う構図」は続いている。

   その背景には、ふるさと納税で得られる資金を「年度間の地方自治に充当している」点がある。つまり、地方自治を行ううえでふるさと納税に頼っているのだ。しかし、このやり方は明らかに「自転車操業」だ。

   「企業版ふるさと納税」は地方創生事業を進めるうえで、重要な財源となる可能性がある。 「ふるさと納税を奪い合う構図」から脱却し、自立した地方自治を行うため、各自治体は知恵を絞り、魅力的で実行可能な地方創生事業を作り、「企業版ふるさと納税」を十分に活用するべきだ。(鷲尾香一)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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