2020年のFX大学対抗戦は、早稲田大学が優勝した。最終週も米ドル円で勝負。「一番シンプルに、トレンドに乗っかった取引をした」と、プラスを積み上げて逃げ切った。前週(2020年11月9日週)の、新型コロナウイルスのワクチン開発のニュースで一気に上昇したドル円だったが、今週(16日週)前半は再び下降トレンドに。その流れを読んでいた。
2位に専修大学。スタートダッシュよく飛び出したが、その後コロナ禍の影響で体調を崩したのは悔しいところ。最終週も利益を積み上げたが、及ばなかった。FX大学対抗戦で初の女性トレーダーの挑戦だった。
「1年を通して相場の見方があっち行ったり、こっち行ったり、迷走を繰り返してきた」という慶応義塾大学が3位。それでも、「最後のほうで、いかにシンプルに見るかを心がけるようになった」と、20%超える利益でフィニッシュした。
4位が明治大学。ロシアルーブル、ニュージーランドドルなどの通貨を、「政策金利トレード」で挑んだ。「計算外であった」というが、その取引ぶりは、なるほど! と思わせた。原稿を欠かさず出稿いただいたマジメさがトレードにも表れていたように思う。参加いただいた、みなさまに感謝したい。
低いボラティリティにトレードせず(慶応義塾大学)
11月16日(月)
最近忙しく、相場を見る時間がなかなか取れていなかったので、久しぶりの分析になった。下図の赤色のボックスを基準の値幅として相場を観察してみた。すると鍋返し(鍋の底をひっくり返したようなチャートの動き)せずに上に(チャート図では下に)値幅を出してきており、緑色の矢印で一たん値幅を達成していることがわかったので、ここは反転してきてもおかしくはないと思い様子を見ることにした。
水色のチャネルに乗っかって動いていくような動きであれば、1ポンド=135円台を目指す動きと見れるが、今後の動き次第なので注視して見ていきたい。
11月19日(木)
今週のポンド円の動きを追った。チャネルの上あたりで推移していたが、上げの角度をEMAで測ってみたところ、チャネルの角度をほぼ水平に推移していたためここから、さらに上げていくのは厳しそうに見える。チャネルの角度を外して来たらショート(売り)のチャンスだが、今週は様子見となりそうである。
結局、最終週であったにも関わらず、ボラティリティの低さからトレードすることはなかったが、無理にトレードを行わなかったという点では良かったと思えた。
振り返ってみると1年を通して自分の相場の見方はあっち行ったり、こっち行ったり迷走を繰り返してきたが、最後のほうでいかにシンプルに見るかを心がけるようになった。もちろん、シンプルに見ようとしても、相場を見れないことのほうが多いので、これからも継続して取り組んでいきたいと思う。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
英ポンドは思惑どおりに大きく上昇しました。ここ最近の英ポンドはテクニカル的にもきれいな値動きになっている場合が多いため、見事にワークしたという状況です。英国が圧倒的不利であるブレグジット交渉ですが、暫定合意しても数年後に再検討を可能にするレビュー条項を盛り込むアイデアを模索していると、英紙フィナンシャルタイムズが報じました。もはや後がないことから、合意は時間の問題という雰囲気になっており、JPモルガンは年内合意成立の確率を80%に引き上げました。これが英ポンド高を後押ししているのではないでしょうか。
しかし、いざ合意した後はどうでしょうか? EU(欧州連合)離脱による貿易問題や大手企業の投資縮小が本格的に英国経済を圧迫。また、継続的な金融緩和が英ポンド安要因となり、少なくとも130円台前半までズルズルと引っ張られるのではないでしょうか。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
11月20日現在 1万2311円