2022年 10月 7日 (金)

それで空き家は減ったのか? 対策法から5年、倒壊の恐れがある物件の措置は1万2000物件(鷲尾香一)

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空き家への措置「着実に進んでいるものの、そのペースは緩やか」

   特に大きな問題となっている特定空家等では、着実に措置が行われている。別表1は、国交省の資料から筆者が作成した「特定空家等に対する措置の推移」、別表2は「行政代執行、略式代執行の件数の推移」だ。

   それでも、空き家法が施行されて5年が経過しても、所有者特定事務の完了した空き家のうち、23%程度の約9万物件しか措置が施されていないのが実態だ。空き家件数そのものは、所有者特定事務が完了した38万物件をはるかに上回るものと推測される。その点では、空き家に対する措置は、「着実に進んでいるものの、そのペースは緩やか」と表現せざるを得ない状況だろう。

   特に、倒壊等著しく保安上の危険がある特定空家等の半数以下の1万2000物件程度しか措置されていない点は問題。特定空家等については、倒壊等の危険性のほかにも、犯罪に利用される危険性なども指摘されており、早急な対応が必要だ。

   問題はこうした空き家対策において、所有者が空き家を処分したくとも、売却や賃借がままならず、また再活用が望めなければ、なかなか措置は進まない。市町村もさまざまなアイデアで空き家の活用を進めているものの、有効打が見つからない状況だ。そのうえ、少子高齢化が進み、特に地方においては空き家がどんどん発生している状況がある。

   空家対策は「終わりなき戦い」の様相を呈している。今後も、一段とスピードアップして対策を続けていく必要があろう。(鷲尾香一)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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