2024年 4月 26日 (金)

なんと韓国政府とソウル市がユニクロを「社会貢献企業」に認定! 不買運動収まるかと思いきや...【日韓経済戦争】

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   「日本製品不買運動」のターゲット・ナンバーワンのユニクロが、なんと韓国政府機関が推奨する「社会貢献企業」に認定された。

   めでたいことだ。これでようやく「反日不買運動」も収まるのかと思いきや、韓国大統領府には抗議の声が殺到するありさまだ。

   世論調査でも「まだまだ不買運動を続ける」という声が多数派だという。いったい、どうなっている? 韓国紙で読み解くと――。

  • 「ユニクロ」の柳井正会長(ファーストリテイリングの公式サイトより)
    「ユニクロ」の柳井正会長(ファーストリテイリングの公式サイトより)
  • 「ユニクロ」の柳井正会長(ファーストリテイリングの公式サイトより)

韓国企業より早く台風被災地を支援したユニクロ

   ユニクロが再びターゲットになったことを報じるのは、聯合ニュース(2020年12月20日付)の「ユニクロが『社会貢献企業』? 韓国政府機関の認定に波紋広がる」という記事だ。

「韓国で日本製品不買運動の主なターゲットとなっているカジュアル衣料品店のユニクロが、韓国政府機関から『地域社会に貢献した企業』などの認定を受けたことがわかり、波紋が広がっている」

   韓国政府の女性家族部(編集部注:韓国政府機関の『部』は日本の省庁に該当する)は12月17日、「家庭と仕事を両立する職場文化をつくった」企業859社を発表したが、この中にユニクロが含まれていたのだ。また、ユニクロは12月15日、韓国政府の保健福祉部からも「地域社会に貢献した企業」に選定されたと発表した。

   いずれも韓国政府が認める「認定企業」になることを意味しており、さまざまな制度的な優遇を受けられる。さらに、ソウル市からも「社会貢献大賞」を受賞したこともわかった。

   こうもユニクロが韓国政府や自治体から高く評価されて、さまざまな「貢献企業」に選ばれたのは、台風など災害の際に積極的に寄付活動を続けたことなどが評価されたためという。

   たとえば、今年8月、ユニクロは台風が釜山(プサン)を中心とする韓国南部に集中豪雨の大被害をもたらした時、韓国企業よりも早く被災地復旧支援のため、1億ウォン(約900万円)を寄付した。それもあってか、1年以上続いていた釜山での大型店舗進出の反対運動が収まり、出店にこぎつけている。

韓国紙が絶賛する数十年先を見越した難民支援

   ユニクロの「社会貢献」については、韓国メディアも「韓国企業にはない先見性がある」と高く評価しているのだ。朝鮮日報(11月15日付)は「イケアとユニクロが難民支援に積極的な理由」という記事で、こう伝えている。

「(グローバル企業の中で日本の)ユニクロは毎年3万着の衣類を世界中の難民キャンプに送るなど難民支援に積極的だ。マイクロソフト(MS)、ソニー、米国の宅配便会社UPSなども同様の難民支援を行っている」
ユニクロが「社会貢献企業」に認定された騒ぎを報じる聯合ニュース(2020年12月20日付より)
ユニクロが「社会貢献企業」に認定された騒ぎを報じる聯合ニュース(2020年12月20日付より)

   そして、朝鮮日報は企業にとって難民支援にはこんなメリットもあると指摘する。

「難民発生が頻繁なアフリカ大陸の未来市場としての魅力がいっそう膨らむ。(80年後の)2100年にはナイジェリアが中国を抜き、インドに次ぐ世界第2位の人口大国に浮上する。ナイジェリアは石油埋蔵量が世界10位の資源大国だ。55の加盟国を抱えるアフリカ連合は昨年、単一の貿易協定としては世界最大のアフリカ大陸自由貿易協定を発効させた。戦争と飢饉で苦しむ国々にも平和は必ず訪れる。人々は苦しかった時代に助けてくれた人々を忘れない。実益がなければ誰かを助けないというのは望ましくないが、そうした理由からでも、助けないよりは助けたほうがいいということだ」

と結んで、目先の利益にとらわれる韓国企業と異なり、数十年先を見越したユニクロの「社会貢献」を評価したのだった。

   しかし、一度「反日不買運動」のターゲットにされたユニクロを、一転、韓国政府が「社会貢献企業」と認めたことに激怒した国民が多かった。冒頭の聯合ニュース(12月20日付)が、こう続ける。

「今回の論争を受け、青瓦台(大統領府)ホームページにある国民請願掲示板には『女性家族部の廃止』を求める請願が投稿された。女性家族部の関係者は『委託で対象を選定したため不備な点があった。選定基準の補完などを検討する』と釈明した」

   場合によっては、ユニクロの選定を見直すことをにおわせて弁明に追われたのだった。

韓国世論の6割「不買運動をさらに促進すべき」

   ところで、「日本製品不買運動」はいつまで続くのだろうか――。韓国国民の6割近くが「まだまだ続く」と考えていることが、世論調査でわかった。聯合ニュース(12月22日)「7割が日本製品不買運動に参加経験 4割『今後も続ける』」が、こう報じている。

「日本製品の不買運動について、約7割の人が参加した経験があることが12月22日わかった。市場調査会社のエムブレーンによると、11月末から12月初めに全国の19~59歳の男女1000人を対象に行った調査の結果、71.8%が日本製品の不買運動に参加した経験があると答えた」

   そして、自分が不買運動の対象にした企業名を聞いたところ、ユニクロが75.7%で最も多く、アサヒビール(71.1%)、サッポロビール(56.6%)、ABCマート(49.4%)、無印良品(47.5%)、キリンビール(44.4%)と続いた。

   不買運動が始まってから1年以上も経つのに、多くの人が支持していることがわかった。69.3%が「不買運動は必要だ」と回答し、「不買運動を積極的に促進しなければならない」とする、さらに強硬な回答も59.9%にのぼった。

   一方、「不買運動をやめる時がきた」(12.2%)や、「参加したいと思わない」(15.9%)とする回答は少なかった。「不買運動が長期化する」とした回答者は57.6%で、「尻すぼみになる」と予想した人は18.8%しかいなかった。

   ユニクロの韓国での苦闘は、まだまだ続きそうだ。

(福田和郎)

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