2024年 4月 20日 (土)

「NHK受信料はもっと安くなる」と自画自賛の武田良太総務相に「スマホから受信料をとるのを止めさせて!」と怒りの声(1)

「スマホからの受信料徴収は避けて通れない問題だ」

NHKの受信料案内(公式サイトより)
NHKの受信料案内(公式サイトより)

   そして、もう一つ、国民の関心が非常に高い別の受信料問題に話題が移った。ネット配信である。

番組キャスター「ネット受信料だが、国民は賛同しないと思う」
武田総務相「将来の放送界を見つめた時に、やはりインターネットというテーマは避けて通れない問題です。国民のニーズに応えなければならないので。ただ、NHKは受信料によって成り立つ。ここの兼ね合いはどうやっていくか。そして国民のほうが、インターネットになったときに受信料を取ることに、私は賛同いただけないと思うのです」
「だから、NHKはどういう形で存在を維持していくか。NHKの独断で決められる問題ではないと思いますので、そこのところはやはり国民的議論をしっかりやっていただきたい。我々が『どうしろ、こうしろ』というのではなく、NHKが将来を見据えたビジョンを明確に示して、国民的議論を導く。こうしたことがあるべき姿じゃないかと思いますね」

と、NHKにすべての議論を預けた形だ。

   それならば、総務省内部にある放送法や受信料問題を審議する「公共放送のあり方について議論する有識者検討会分科会」は、何をするところだろうか。

   それはともかく、いずれスマホやパソコンを持つ全員が受信料を徴収される時が来そうな危険性について、小学館のニュースサイト「NEWSポストセブン」が2021年1月2日付で「スマホ契約者が標的に!NHK受信料は『値下げ』ではなく『払わない』という選択肢を検討せよ」と、特集を組んだ。

   その中で、NHKだけを受信しない装置「iranehk」(イラネッチケー)の開発者である筑波大学システム情報系准教授の掛谷英紀氏は、こう語っている。

「受信料を下げるか下げないかではなく、さらに踏み込んで『受信料は払わない』という選択肢が用意されるべきです。見たい人は払い、見たくない人は払わない。そういう選択肢が生まれれば、『この値段だったら見ない』という人も当然出てくるので、結果的にNHKは値下げせざるを得なくなると思います」

   しかし、掛谷氏は今のままではNHK受信料をめぐる議論が望ましくない方向に進んでいくと心配する。受信料を徴収する法的根拠を、NHKはホームページで「放送法第64条第1項で『協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない』と定められています」と記している。

   掛谷氏は、

「つまり、テレビを持たない人は受信料を支払う必要がない。インターネットの発達により、家にテレビを置かない人が増え、NHKは将来的には大幅な減収になる。だからこそ今後、NHKがインターネット配信する番組をスマホやパソコンで見られる人には受信料を払わせる、という議論が浮上してくる」

と指摘するのだ。

   昨年11月、総務省の有識者会議で、「スマホ徴収」はいったん見送られた。しかし、今後サービスが拡大すれば、スマホやパソコンを持つ全世帯からの徴収が再び検討されるだろう。掛谷氏はそうした仕組みについて、「大きな矛盾をはらんでいる」として、こう批判するのだった。

「NHKの受信料は主に番組制作費や人件費に充てられているが、その他にも電波塔の建設や衛星放送のための衛星打ち上げなど、インフラ整備の投資にも充てられてきた。しかし、通信のインフラ整備にNHKは寄与していない。通信インフラを作った通信業者に乗っかり、『ネットでもNHKが見られるから受信料を払え』というのは放送法の建て付けから考えると完全におかしい」

(福田和郎)

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