2022年 1月 21日 (金)

携帯料金値下げに逆行か?「格安スマホを窮地に追いやってどうする!」武田総務相に怒りの声(2)

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   携帯電話大手3社、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクの低料金新プランが出そろったことで、「安さで勝負!」をしてきた格安スマホがピンチに陥っている。 そんななか、格安スマホの「mineo」(マイネオ)が料金を最大で6割も引き下げるという思い切った新プランを発表した。

   しかし、ネット上ではイマイチ盛り上がらない。ここまで格安スマホ会社を追い詰めた武田良太総務相に対する批判が巻き起こっているのだ。

「あなたが携帯大手に圧力をかけたから、値下げをリードするはずだった格安スマホが淘汰されそうになっている。結果的に大手の寡占が起こるのではないか」

という怒りの声だ。

  • 「大手キャリアVS格安スマホ」のはずが……
    「大手キャリアVS格安スマホ」のはずが……
  • 「大手キャリアVS格安スマホ」のはずが……

当初は大手と格安スマホを競争させるはずだったのに

   こうした格安スマホ会社が大手によって淘汰されている実態を、ケータイジャーナリストの石野純也氏が、インタネットニュース「ITmedia Mobile」の中のコラム「Mobile Eye」(2021年1月23日付)、こう伝えている。

「大手3キャリアの料金値下げは、MVNO(格安スマホ会社)の経営に大きな打撃を与える可能性がある。20GB前後の中容量ではahamoやpovo、SoftBank on LINEより料金水準が高くなっているうえに、MVNOが得意とする小容量プランも、UQ mobileやY!mobileの値下げにより価格優位性がなくなりつつある。オンライン専用の20GBプランができたことで、玉突き的にサブブランドの料金が下がり、MVNOのすみ分けが難しくなった格好だ」
携帯大手への圧力で結果的に格安スマホを追い詰めた武田良太総務相
携帯大手への圧力で結果的に格安スマホを追い詰めた武田良太総務相

   石野純也氏によれば、MVNOの伸びにブレーキがかかったのは2017年ごろから。大手キャリアの傘下に入るMVNOが増えたのだ。独立系MVNOと言えるのは(インターネットイニシアティブの)「IIJmio」と「mineo」の2ブランドくらいになり、上位MVNOの大半が、純粋なMVNOとは呼べなくなっている状況だという。

   ここに追い討ちをかけるのが、今回の大手キャリアの料金値下げだ。MVNOは、ユーザーが帯域を占有しがちな大容量プランを得意としていなかったこともあり、現時点ではほとんどの会社が対抗策を発表できていない。

「そのため、20GB前後の大容量プランでは、MVNOより大手の方が低料金という逆転現象が起こっている。たとえば、IIJmioはファミリーシェアプランが12GBで3260円。5分間の音声通話定額がつかない点で条件が同じになるKDDIのpovoより8GB容量が少なく、料金は780円高い。これでは、MVNOで大容量プランを選ぶユーザーがいなくなってしまう」

   格安スマホ会社の弱点は、料金が安いのはいいが、通信速度が遅いこと。石野純也氏がこう指摘する。

「(大手の傘下の格安ブランドは)MVNOとは異なり、帯域を借りているわけではないため、その幅がボトルネックになることもない。ありていに言えば、ユーザーが一斉に休憩を取って通信するお昼休みや、通勤、通学の時間帯に速度が低下しづらい。MVNOの多くが苦しむ、帯域不足に悩まされる必要がないのは大きなアドバンテージだ。通信品質が高いほうが料金は安いとなれば、あえてMVNOを契約する動機はなくなってしまう」

   そして、石野純也氏は総務省の行き当たりばったりの政策が、格安スマホ会社を苦しめているとして、こう批判する。

「もともと政府は、市場原理にのっとり、大手キャリアとMVNOとの競争を通じた料金値下げを実現する方針だった。MVNOが低価格を打ち出し、ユーザーがそちらに流れるようであれば、大手キャリアも対抗値下げをせざるをえなくなる。アクション・プランはそのために作られたものだ。ところが、ふたを開けてみると、実際に実行したのは、大手3キャリアへの値下げ要請で順番が逆だった。そのため、本来なら競争を仕掛けるはずのMVNO側が、慌てて対抗策を打ち出している。競争環境をいびつな形にしてしまったという意味でも、大手3キャリアへの直接的な値下げ要請は禍根を残しそうだ」

格安スマホを延命させないと大手の寡占に逆戻りだ

携帯電話料金はどこまで下がるのか
携帯電話料金はどこまで下がるのか

   今回の「mineo」(マイネオ)の新料金発表について、ネット上ではこんな意見があふれている。

   ケータイ・スマホジャーナリストの石川温(つつむ)氏は、こう指摘した。

「総務省ではキャリアからMVNOに対しての回線レンタル料である『接続料』を3年で半額に引き下げようとしているが、そんな呑気なことをしていたらMVNOが相次いで撤退しかねない。武田良太総務大臣の圧力によって3キャリアでの値下げが実現したが、それによって格安スマホ市場を作ってきたMVNOはハシゴを外された格好になった。MVNOを救済する早急な対策が求められる。MVNOを延命させないことには、早晩、3キャリアの寡占市場に逆戻りするだろう」

   同じように、総務省の携帯大手への圧力が裏目に出たことを批判する声が多かった。

「値下げは各携帯会社の体力勝負になり、体力のないものから潰れていく。最終的には回線使用料をとれるキャリア組が勝ち残り、マイナーな会社が淘汰された時点で、ジワジワと料金が上がってくる。結局なにも変わらない。使用者の利益を守るなら、むしろある程度の段階で値下げ合戦が収まり、いくつかのキャリアでない会社が残らなければならない。政府は国民に対するアピールのためにやっているだけなので、国民の関心が薄れればもとに戻るだけだ」
「大手の料金はまだまだまだまだ高すぎる。しかも、日本は公共WiFiポイントが少なすぎて、外国人旅行者も腰を抜かすほど。日本では、公共料金はじめ社会活動の基本料金が高すぎて、消費者の可処分所得を圧迫している。圧倒的多数の一般消費者から吸い上げるだけの『逆トリクルダウン』(編集部注:『富める者が富めば、貧しい者も自然に豊かになる』という説の逆)で経済が20年間足踏み。まずは、公共WiFiポイントを増やしてほしい」

プランに応じて柔軟に対応できるメリットで勝負しよう

   今回の「mineo」の値下げについては、

「mineoとはかれこれ5年の付き合いです。値下がりに感謝です。月7GBしか使えないauに8000円払っていたころが懐かしい。強制的に入らされるezweb基本使用料とか、スマートパス会員費って何だよ? って感じていて、それから解放されたのが嬉しかった。両親と自分の3アカウントを使って、マイネオレーダー、マイネオさんぽを毎日やって、パケットをロンダリングしてきたら500GB貯まっちゃいました」

という感謝の声もあったが、総じて厳しい意見が多かった。

「これぐらいの価格差だと簡単に『安ければ良い』とは言いきれない。5年以上mineoを使ってきて満足はしていたけど、昼の遅さとか速度、安定性を考えると月1000円多く払う選択肢も十分ある。今のところauが最有力」
「70分無料通話付 16ギガで1980円の日本通信のプランが最強でしょう。速度も早く、普通に動画が見られますよ。」
「遅い時間があるのを考えると、1000円くらい安くても果たしてお得なのかと考えてしまう。昼間、夕方の新宿、渋谷などの都市部だと本当に遅い。この弱点がある限り厳しいかと」
「地方でもガッツリ遅いですよ」
「この手のMVNOは安くしても使いたい時に速度低下で使えない。価格で差別化も使い時にもきちんと使える大手がサブブランドMVNOでやっちゃっているからなあ。どこまで続けられるのやら。頑張って欲しいけど」

   しかし、格安スマホ会社に対する、こんなエールの声も多かった。

「格安スマホ会社はまだまだ対抗できる余地はあるよ。3大キャリアは安いプランを出してきたけど、なんだかんだと縛りは多少あるし、格安会社に比べたらまだまだ柔軟性に乏しい。格安会社は縛りはなしでプランに応じて柔軟に対応できるからね。3大キャリアを使っている人はサポート重視の人が多いが、最近のスマホはトラブルも少なくなってきて、戸惑うのは最初の設定くらい。ソレにあんな高いお金を出すとは勿体ない。15年ソフトバンクに入っていたが、サポートのお世話になったことは2~3度くらいでしたね」
「1~5GBは一番儲からない客だと思うので、各社二の足を踏むのもわかるが、ここのプランを厚くする会社が出てくれば一気に変わると思う。なぜ儲からないかを考えよう。通信業者は、トータルでどれだけ使われるかではなく、最大瞬間の使用量を重視して設備を整えなければならない。深夜にだけ100G使う人と、昼休みにだけ1G使う人だと、後者のほうが負担は大きい。安くしてほしいなら、通信量ではなく、通信速度を落とすか時間を制限する方向で考えるしかない。つまりは格安スマホに乗り換えればいい!」

(福田和郎)

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