2021年 8月 1日 (日)

東京五輪、緊急事態宣言延長で「お先真っ暗」 決められないバッハ、頼みのバイデン米大統領の評判(2)

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   2021年2月1日、11の都府県への緊急事態宣言の期限が7日に迫るなか、政府は宣言を1か月延長する方針を固めた。2日に諮問委員会に諮り、政府対策会議を開き、正式決定する。

   3月まで緊急事態宣言が延長されると、そうでなくても開催に反対する世論が強い東京五輪・パラリンピックはますます厳しい状況に追い込まれそうだ。

   菅義偉首相はあくまで、

「新型コロナ感染症ウイルスに勝った証にする」

というスローガンを降ろしていないのだが......。

  • バッハIOC会長は開催の可否を決められない(?)
    バッハIOC会長は開催の可否を決められない(?)
  • バッハIOC会長は開催の可否を決められない(?)

スポンサー企業社員「ベトナム戦争の米兵と同じだ」

   今夏の東京五輪を、仮に「無観客」で実現しても、ワクチンを接種していない海外選手たちが大挙入国してくる事態は避けられない。「無観客」になっても、「約束が違う」と大声を上げられない気の毒な立場なのが、東京五輪のスポンサー企業だ。

   五輪開催に批判的な空気が広がるなか、沈黙を強いられているスポンサー企業68社の苦境を報じているのがロイター通信(1月29日付)「沈黙の五輪スポンサー、中止観測広がり苦しい立場に」である。取材協力者も含めると、総勢14人のスタッフが口の重い企業の取材に走った。

「中止や延期の不安にさいなまれながら、スポンサー企業は半年後に迫る開会式をじっと待っている。五輪を前面に打ち出した宣伝活動は再開できず、スタートまで2か月を切った聖火リレーは、新たな形式を主催者側からまだ伝えられておらず、当初計画のまま準備せざるを得ずにいる。国家的プロジェクトを支える使命感を背負う一方で、開催に反対する世論は高まり、苦しい立場に置かれている」
「口が裂けても中止、延期という言葉は出せない雰囲気だった」──。

   ロイター記者に対して、スポンサー企業関係者は、先ごろ開いた組織委員会との打ち合わせの様子を、こう説明する。契約額は68社で約3300億円。1年延期されたことに伴い、自社製品の提供を含めて総額220億円相当の追加拠出を求められ、総額は3500億円を超えた。

   ゴールドパートナーのキヤノンの田中稔三最高財務責任者(CFO)は1月28日の決算会見で、開催されれば従来の五輪と同様、販促活動に活用するための計画を組んでいると説明。一方で、「万が一、うまく開催できないことも含め、対応はいま会社で考えている」と語った。

   ロイターが取材したスポンサーを含めた五輪関係者24人のうち、少なくとも11人は、緊急事態宣言が延長された場合に、世論がさらに後ろ向きになる恐れがあると懸念を示した。「われわれが中止や遅延という言葉を口にすることすらはばかられる」と関係者は言う。「(組織委に)中止や延期になった場合、われわれの拠出金はどうなるのか?と尋ねることすらできなかった」というのだった。

聖火リレー協賛企業「まさか、もう1年いるとは...」

   ロイターが続ける。

「スポンサー企業は本来、大会のロゴやキャラクターを使って広告・宣伝活動を大々的に展開することができる。昨年末の時点まで、各企業は開催機運を盛り上げようと宣伝活動の再開を検討していた。だが、年明けに2回目の緊急事態宣言が出た後は『トーンダウンした』。開催に慎重な世論が広がる中で、開催をイメージした前向きなテレビCMを流せば、消費者から『不謹慎』と指摘されかねないためだ」

   チケットの問題も悩みのタネだ。ロイターが続ける。

「競技のチケットを確保し、顧客を招待・接待できることもスポンサー企業になる利点だが、中止や無観客開催になればメリットが失われる。『観客を入れるのか入れないのかなど、全然決まっていない。チケットの販売、スポンサーに対する割り当ても決まらないから、企業側は怒っていると思う』と大会関係者は言う」
五輪のシンボル(組織委公式サイトより)
五輪のシンボル(組織委公式サイトより)

   3月25日に始まる聖火リレーの行方にも気をもんでいる。聖火リレーの協賛企業は大会のスポンサー企業とは別で、沿道で自社のサンプル品を配布したり、運営に必要な機材を提供したりするなど運営に協力する。しかし、聖火リレーは実施できるのだろうか? 協賛企業の関係者は、

「閑散とした沿道をランナーが1人で走る可能性もあるが、その映像をそのまま流しても『絵にならない』と懸念する」

   スポンサー企業の中には、コロナ感染拡大で1年延期が決まった後も、異動せずに五輪担当を続けている社員が多い。彼らの1人はロイター記者に、こうぼやくのだった。

「まさかもう1年いるとは思わなかった。(自らを、ベトナム戦争を戦った米兵にたとえて)日本のためだと思って一生懸命毎日仕事をしているが、国民からは、お前ら間違っていると言われているように感じる」

(福田和郎)

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