2024年 4月 20日 (土)

「恋バナがいつの間にか儲け話に...」出会い系サイトで詐欺に遭う人が急増!「投資に強い」アジア系男女に注意

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「恋バナがいつのまにか儲け話に...」

   婚活やデートが目的の出会い系サイトやマッチングアプリなのに、相手から投資話や賭博を持ち掛けられ、大金を騙しとられるケースが急増している。

   しかも、なぜか相手は「アジア系の異性」が多いのが特徴だ。国民生活センターが2021年2月18日、「恋バナをきっかけにした投資話にご注意を!」と、警告を発した。

  • ステキなアジア系の彼からの投資話には注意を!(写真はイメージ)
    ステキなアジア系の彼からの投資話には注意を!(写真はイメージ)
  • ステキなアジア系の彼からの投資話には注意を!(写真はイメージ)

マレーシア、香港、中国人になりすまして...

   国民生活センターによると、被害の相談は2018年度が12件だったのが、19年度は25件、20年は12月31日までに58件と、倍々ペースで増えている。

   似たような「出会い系サイト」を使った詐欺に「国際ロマンス詐欺」がある。こちらは男性を騙すために、生活に困っている「ロシア女性」や「東欧女性」などになりすます。女性を騙すためには、イラク滞在中に負傷して治療費に困っている「米軍兵士」や「英国人記者」などになりすます方法が使われる。同情を誘って送金させるのが、常とう手段だ。

   だが、実際に逮捕されたのは、カメルーンやナイジェリア国籍などのグループだった。マッチングアプリに使っていた自分の「顔写真」は勝手にインターネットから切り取ったイケメンや美人の欧米系男女の写真を使っていたのだ。

「恋バナ詐欺」が急増中(国民生活センター作成)
「恋バナ詐欺」が急増中(国民生活生活センター作成)

   今回の「恋バナ詐欺」では「アジア系の男女」になりすますケースが多いのが特徴だ。アジアには日本と違って経済が急成長している国々が多く、それらの国の人には「金儲けが得意」「投資に強い」というイメージがあるからのようだ。

   何度かLINEなどでやりとりを繰り返し、仲が良くなった頃合いを見計らって「カネ儲けの話」を持ちかけて来る。投資方法には「仮想通貨」(暗号資産)や、海外では合法的な国も少なくない「賭博」がよく使われる。そして、被害者が躊躇していると、「愛」をチラつかせながら「私も半分出してあげるね」などと背中を押すのだ。

   具体的な手口をみると――。

【事例1】海外の仮想通貨取引所でのFXを勧められ利益が出たが、少額しか出金できない
マッチングアプリで知り合った「中国人女性」に仮想通貨のFX(外国為替保証金取引)を勧められ、日本の暗号資産取引所で90万円分の暗号資産を購入し、海外の取引所に送付した。海外の取引所で仮想通貨をアメリカの仮想通貨に替えた際に少し利益が出た。少額を出金することはできたが、全額はできなかった。「中国人女性」とも連絡がつかなくなり、海外取引所にあった私の資産は既にほかの場所で引き出されたようだ。(2020年10月、20歳代男性)

【事例2】免許証の写しを送った相手に、投資のために振り込んだお金を返さないと訴えると言われた
出会い系サイトで知り合った「香港在住女性」と、無料通話アプリのIDを交換してやり取りしていると、投資に誘われた。入金するとお金が増えるという海外の投資アプリに登録した。日本の仮想通貨取引所から数万円を入金したところ、女性から「200万円入金すると10倍になる」と言われた。おかしいと思ったが、女性から「半分出してあげるから100万円入金して」と言われ、私の投資アプリの口座に100万円が送られてきた。
危険だと思い、すぐに無料通話アプリのIDをブロックした。しかし異なるIDから「私の100万円を返さないと訴える」と言われた。そして投資アプリ登録時に送った自分の免許証の写しを送り付けてきた。免許証の写しが悪用されないか心配だ。(2020年11月、40歳代男性)

儲けたはずのサイトの資産が突然消失する

さまざまな仮想通貨があるが......
さまざまな仮想通貨があるが......

【事例3】仮想通貨での賭博を勧められたが、出金できない
マッチングアプリで知り合った「マレーシア人男性」に勧められ、日本の仮想通貨取引所に登録し、カーレースの賭博ができる海外のアプリに2万円相当の仮想通貨を賭けた。その後、10万円、50万円と元金を増やすように言われ投資したところ、アプリ内で約6500ドル(約69万円)になった。利益を銀行へ移したいと言うと、(日本では賭博は違法なので)ゼロになると言われ、さらにローン会社から250万円借りて賭けるよう指示があった。6500ドルを自分で日本の仮想通貨取引所に移そうと試みたが、アプリから応答がなくなった。(2020年10月、30歳代女性)

【事例4】紹介者から仮想通貨が振り込まれたが、手数料を支払っても出金できない
マッチングアプリで知り合った「女性」から、仮想通貨の売買で資産を増やせると誘われ、海外の取引サイトに登録し口座を開設した。「女性」から私の口座に仮想通貨が振り込まれ、預かってほしいと言われた。仮想通貨の引き出しなどを行うには約75万円の仮想通貨を支払う必要があるが、あとで返金すると言われたので75万円分を送金した。その後連絡が途絶え、いまだに返金されない。(2020年10月、30歳代男性)

【事例5】デジタル宝くじを紹介され何度か振り込みと出金を繰り返したが、最後に出金できなくなった
マッチングアプリで知り合った「男性」に紹介され、海外のデジタル宝くじサイトに登録した。「男性」の指示のもと、企業名や個人名の口座に、数万円単位の振り込みと利益分の出金を数回繰り返したが、最後に200万円を振り込んだところで出金できなくなった。さらに、「男性」に言われた通りに「賭博」に賭けたらサイト上の残金が全部なくなった。(2020年12月、30歳代女性)

事業者が本物か架空か、金融庁サイトでチェックしよう

詐欺師に引っかかってはダメ
詐欺師に引っかかってはダメ

   国民生活センターでは、こうした事例の問題点をこう指摘する。

(1)出会い系サイトやマッチングアプリは、気軽に登録できるところが利点だが、オンラインのやり取りだけなので本人確認が難しい。本当に男性か女性かもわからず、詐欺師が紛れ込んでいる可能性がある。何らかのトラブルに遭ったとたん、相手と音信不通になるケースが多い。
(2)紹介された投資サイトが架空のケースが多い。儲かると紹介された投資サイトでは、データ上は利益が出ているように見せかける。少額投資を繰り返し行わせて成功体験を積ませ、リスクが低いと消費者に思い込ませたところで、一気に多額を投資するように誘導する。
(3)そして出金ができなくなり、結局、大損失となる。その後、連絡がつかなくなるのが常とう手段だ。

   国民生活センターでは、こうアドバイスしている。

「出会い系サイトやマッチングアプリは規約をよく読んでから利用しましょう。面識のない相手への送金や個人情報の開示を控えること、やり取りの継続のために他のメッセージツールへ移動するよう誘われた場合には注意することなど、安全ガイドを設けています。そして、詐欺師が紛れ込んでいることを自覚して、自身の投資の成功体験を語り、『もうかる』などと誘ってくる相手には十分に注意しましょう」

   そして、こう強調する。

   「そもそも投資はリスクが伴います。安全・高利益・高配当などありえません。海外に所在する業者であっても、日本人を相手方として金融商品取引を行う場合は、金融商品取引業の登録が必要です。相手が勧める事業者が架空か本物かどうかは金融庁への登録を行っているか否かでわかります」

   それには、金融庁のウェブサイト「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」で確認することが大事だという。

   また、過去に問題行為を起こして金融庁が警告を発した事業者の名称一覧でもチェックしよう。

(福田和郎)

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