2024年 4月 25日 (木)

「休日、夫がグータラして自己研鑽をしません」資格勉強大好き妻の投稿が大炎上!「何様のつもり」専門家に聞いた(2)

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「休日、夫が家でグータラしてばかりで自己研鑽をしません。このままでは出世に響きます」

というシッカリ者の妻の投稿が大炎上している。

   妻は自分でも資格勉強や読書が大好きなので、ビジネス書も読もうとしない「ダメ夫」に不満を募らせているのだ。

「あなた、何様のつもりですか」
「鬼嫁ですか」

と反発の声が圧倒的だが...。専門家に聞いた。

  • 家でも勉強するシッカリ妻
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「じつは働く主婦層には向上心が高い人が非常に多い」

   J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、女性の働き方に詳しい、主婦に特化した就労支援サービスを展開するビースタイルグループの調査機関「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長に、今回の「グータラ夫が自己研鑽をしません」という投稿をめぐる話題について意見を求めた。

――私自身ずっと何十年も休日はグータラしてきましたし、妻は仕事のためにいろいろ色々な資格の勉強をしていました。かといって「自己研鑽をしろ」と言われたことはありませんが、身につまされる投稿です(笑)。回答者たちの意見を読んで、率直にどのような感想を持ちましたか。

川上敬太郎さん「私も根っこからグータラです(笑)。それはさておき、投稿者さんは社会人4年目で、結婚してからの年数もまだ長くはないのだとしたら、夫婦として生活を共にし、共に過ごす時間が積み重なってきたからこそ見えてきた悩みなのではないかと思いました。結婚生活が長くなるにつれ、多かれ少なかれどなたでも近い経験をするものなのではないでしょうか」

――回答者の意見を見ると、圧倒的に多くの人が「あなたは何様のつもりですか」と投稿者を非難している人が多いです。

川上さん「回答者の年齢構成はわかりかねますが、どちらかというと人生の先輩としてアドバイスされている方が多いように思いました。結婚生活が長い方には、投稿者さんの考え方がどこか幼く映っているように感じます」

――投稿者は夫に「自己研鑽しようとする態度が見られない」と呆れていますが、自己研鑽をしている人はそんなに多いのでしょうか? 資格試験の勉強やキャリアアップのための勉強などに関する調査をしたことがありますか?

川上さん「資格取得や勉強に関する調査も行ったことがありますが、取得したい資格や勉強したい内容は人それぞれ異なります。じつは働く主婦層には向上心が高い方が非常に多いのです。投稿者さんもその一人なのでしょう。そこで紹介したいのが、働く主婦層に対して行った『すきま時間の使い方に対する意識調査』です。
『日々のすきま時間を有効に使えると人生の豊かさは変わる』と思うかという問いに対し『思う』という人が9割近くもいました。実際に実践している人も多く、フリーコメントでも『毎日10分でも勉強を続けられたら1年後は大きく違ってくる』とか『人生3倍楽しくなる』とか、読んでいるこちらまで元気になる内容が多いです。
ただ、自己研鑽しない夫のグータラぶりが気になる投稿者さんにとって、すきま時間に対する夫との意識の違いが、違和感を引き起こす原因の一つになっている可能性はあるように思います」

「妻のイライラオーラは夫に伝わりやすい」

家事には非常に協力的な夫だが...
家事には非常に協力的な夫だが...

――なるほど。でも、「家事に非常に協力的だし、なんと素晴らしい旦那さんでしょう」と夫に同情する意見が多いです。中には夫に「こんな奥さんと別れたら」と離婚を勧める人さえいます。

川上さん「確かに、日々グータラして家事も何もやらない夫よりは、ずっと素晴らしいように思います。しかし、感じ方は人それぞれ異なるので、投稿者さんには我慢がならないのだとしたら、それはそれで致し方ない面もあります。いきなり離婚の話になるのは、お互いにあまりに気が早いのではないでしょうか。長い夫婦生活の中で、良いも悪いも含めて、相手の新たな一面を発見することは、何度もあります。夫婦関係とは、そうやって練られていくものだと思います。

自分の正直な気持ちを確認した上で、自分はどうしたいかを問いかけることのほうが重要だと思います。そして、その気持ちを正直に夫に伝えて、話し合うきっかけにしていただきたいと思います。逆に夫からも、自分が気づかなかった夫の気持ちが聞けるかもしれません。自己研鑽しない態度に投稿者さんがイライラしているオーラを既に夫は感じているかもしれません」。

――投稿者の夫は「能ある鷹は爪を隠す」で、意外な大人物なのではないか、という意見もありますが。

川上さん「そうかもしれないし、そうでないかもしれません。ただ、大人物かどうかは重要ではありません。大人物であろうがなかろうが、ありのままの夫を受け入れられるかどうかのほうが大切だと思います。

もちろん、相手の嫌な面を受け入れるときのテクニックの一つとして、その様な見方が必要な時もあるかと思います。しかし、日常生活の中で常に目にする姿を受け入れようとする時に無理がある見方をしてしまうと、投稿者さん自身がいずれ疲れ果ててしまうのではないか心配です」

子どもができても「自己研鑽」を求めないで

ライオンだってグダーとしたい...
ライオンだってグダーとしたい...

――ところで、投稿者に同情、あるいは共感する意見がほとんどないのですが、投稿者には擁護するに値する面はないのでしょうか?

川上さん「投稿者さんの悩みは、夫に期待しているからこそ生まれる悩みではないでしょうか。良い意味で自分の感情に正直な人だと思います。それは、今後の夫婦関係をさらに良いものにしていく上で、大いにプラスだと思います。むしろ、自分の本当の感情を包み隠したり、無理に誤魔化したりするほうが問題です。前に進めなくなってしまうからです。
投稿者さんが、自分の正直な感情に素直に目を向けられていることについて、私は支持します」

――川上さんなら投稿者にどんなアドバイスをしますか?

川上さん「人には良い面も、そうでない面もあります。いま投稿者さんには夫のマイナス面しか見えづらくなっているのかもしれません。しかし、いま見えている夫の姿がすべてではないはずです。気持ちが落ち着いてくれば、改めて見えてくる良い面もきっとあるはずです。だから、いまの感情だけで早まった判断はなさらないでいただきたいと思います。

また、グータラだからと言って、夫を追い詰めないでいただきたい。まずは夫の言い分も聞いてみて、夫の中の価値観を覗いてみてはいかがでしょうか。気になるのは、投稿者さんにお子さんが生まれた時のことです。自己研鑽しない夫のグータラぶりに怒る厳しさが、お子さんにも向かってしまうかもしれません。

夫はまだ対等な立場ですが、子どもは弱い立場で、良くも悪くも親の目を気にして育ちます。投稿者さんの中にある他者への厳しさが、知らず知らずのうちに子どもを追い込んでしまうようなことにならないよう、くれぐれも気を付けていただきたいと思います」

(福田和郎)

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