2021年 5月 8日 (土)

大阪で猛威!変異ウイルスが東京を襲う 3度目の緊急事態宣言が東京五輪を中止に追い込むか(2)

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   新型コロナウイルス感染症の急拡大を防ぐため、「まん延防止等重点措置」の運用が2021年4月5日から大阪府、兵庫県、宮城県で始まった。大型連休が終わる5月5日までの31日間続く。

   3府県の対象地域で、飲食店などに20時までの営業時間の短縮を要請する。

   変異ウイルスの猛威が広がっており、首都圏にも飛び火するのは避けられそうにない。首都圏の場合は、「まん延防止等重点措置」などいう中途半端な対策ではなく、3度目の緊急事態宣言がちょうど東京五輪開催と重なりそうだという。東京五輪は開けるのか。

  • 東京も大阪のようになると断言した尾身茂・政府分科会会長
    東京も大阪のようになると断言した尾身茂・政府分科会会長
  • 東京も大阪のようになると断言した尾身茂・政府分科会会長

尾身茂会長「東京も大阪のようになる」

   首都圏の1都3県に3度目の緊急事態宣言が発令される事態がくるのだろうか。

   政府の感染症対策分科会の尾身茂会長は4月5日、参院決算委員会で「東京も大阪のような状況になる可能性がある」として、こう語った。

「週単位で前週比増加が3週継続している、変異株の割合が徐々に増えている、緊急事態宣言解除(3月21日)後に人流が増加傾向にある。人流の変化の影響が今後1、2週間で出てくることが考えられる。どんな効果的な対策を打てるのか、真剣に検討すべき時期に入りつつある。特に、変異株の割合が東京も含めて少しずつ増加していて、感染対策が一つ上の困難さに突き当たっている」

と指摘したのだった。

   尾身氏と同様、政府分科会の委員でもある東邦大学の舘田一博教授も4月4日のNHK番組「日曜討論」の中で、こう述べた。

「東京都が3週間後に大阪のようになってもおかしくない。急拡大になる前に大阪の経験を生かし、1都3県で早め早めに重点措置をとることが大事になります」

   大阪府や兵庫県などで感染が急拡大しているのは、感染者の半分以上が変異ウイルスに置き換わっているからだが、首都圏にも同じ勢いで変異ウイルスが広がったらどうなるのか。東京大学のチームが、5月末に3度目の緊急事態宣言発令のレベルに達するばかりか、桁違いの経済的損失を被るという研究結果を発表した。

   朝日新聞(4月3日付)「変異株急増なら『東京、来月末に再宣言水準』東大准教授ら推計」が、こう伝える。

「東京大学経済学部の仲田泰祐准教授と藤井大輔特任講師が研究をまとめた。推計では、変異株の感染力を従来株の1.5倍とし、変異株が増える速度を英国のように急激なケースと、米国のように緩やかな2種類のケースを考えた。東京都の場合、ほぼすべて変異株に置き換わるのに前者は約4か月、後者は約1年かかる」

   仮定から東京都の感染拡大を推計すると、楽観的な米国型は7月、悲観的な英国型だと6月には感染者が1000人を大きく超え、再宣言が必要になる。宣言解除後も再び波が訪れ、英国型は2022年初めに再度宣言が必要になる。

   宣言に伴う経済損失は、従来株なら7000億~8000億円だが、変異株だと米国型で3兆~4兆円、英国型は6兆~7兆円とけた違いになった。変異株のリスクの特徴は、一時的な気の緩みによる感染拡大などとは違い、いったん増えたら感染率が高い水準で維持されることにある。

   いずれにしろ、変異ウイルスのまん延は、東京五輪が開かれる今年7月ごろに東京都に「3度目の緊急事態宣言発令」という大ピンチを招くというわけだ。大丈夫か、東京五輪?

日本政府の水際対策が不満な国際水泳連盟

   そんななか、東京五輪の開催を危うくする事態が起こった。国際水泳連盟が日本のコロナ安全対策の水際対応を不満として、日本で開く予定だった国際大会を中止にしたのだ。

   英国BBC放送(4月2日付)「Tokyo Diving World Cup cancelled because of poor Covid-19 precautions」(飛び込みの東京W杯大会、不十分なコロナ予防で中止に)などの海外メディアが大きく報道した。日本側の五輪組織委には寝耳に水だった。

   朝日新聞(4月3日付)「飛び込みW杯中止へ 国際連盟『日本の対応は不十分』」が、日本側の衝撃をこう伝える。

「国際水泳連盟(FINA)が東京五輪のテスト大会となる飛び込みワールドカップ(4月18~23日、東京アクアティクスセンター)について、中止の意向を日本側に伝えたことがわかった。すでに各国の選手団にも中止の方針を伝えている。
飛び込みW杯だけでなく、5月1日開幕のアーティスティックスイミング五輪世界最終予選、5月29日開幕のオープンウォータースイミング五輪世界最終予選(福岡市)も、『中止を検討する』としているという」
国際水連のW杯中止を伝える英BBC電子版(4月2日付)
国際水連のW杯中止を伝える英BBC電子版(4月2日付)

   日本水泳連盟や政府は、五輪最終予選となる3大会の開催に向け、入国の手続きなどを進めてきた。ただ、FINA側は関係者の3日間隔離など日本政府の水際対策に難色を示している。飛び込みW杯では、選手や関係者を合わせて約600~700人が参加する予定だった。

   朝日新聞が続ける。

「日本は原則、海外選手の受け入れを認めていない。政府が例外的に入国を認める『特段の事情』の枠で、緊急性や公益性のある新規入国を受け入れている。選手やコーチは検査で陰性が証明できれば翌日から練習できるが、審判や大会関係者は入国後3日間のホテル隔離が必要だ。FINA側はこうした水際対策や来日に必要な査証(ビザ)の手続きに不満を示した。加えて、関係者ホテルの貸し切り代などコロナ対策にかかる費用をどこが負担するのか、調整が難航していた」

   日本側は、入国に当たって検査や数日隔離するなどの厳しい水際対策を、選手をはじめコーチなどの大会関係者に求めている。それはIOC(国際オリンピック委員会)も了承している安全策だったはずだ。それが不満だというのだ。

   朝日新聞はこう結んでいる。

「ある組織委関係者は『今からこんな状態で、五輪は本当にできるのか』と嘆いている」

(福田和郎)

今すぐ無料会員に登録して、コメントを書き込もう!
姉妹サイト
お知らせ

注目情報

PR
コラムざんまい
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中