2021年 9月 19日 (日)

3度目の緊急事態宣言、無観客要請にキレた! プロ野球とJリーグが「アンチ五輪」に回っていいのか?

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   2021年4月25日から、3度目の緊急事態宣言に突入したことで、政府や東京都、大阪府など適用対象の自治体は「人流を止める」と、飲食店のほか、百貨店やレジャー施設などに「休業」を要請した。

   しかし、遊園地や寄席に「無観客での開催」を要請するなどの状況に、当事者は戸惑うばかり。そうしたなか、プロ野球とJリーグは、これまでに感染防止のノウハウを提供するなどで「東京五輪・パラリンピックの開催に向けて協力してきたのに」と、この要請に激怒した。大丈夫か、オリンピック?

  • 東京五輪は開けるのか?(写真は、新国立競技場)
    東京五輪は開けるのか?(写真は、新国立競技場)
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斉藤コミッショナー「五輪できなくてもいいのか!」

   3度目の緊急事態宣言で、スポーツなどのイベントは原則、無観客になる。プロ野球やサッカー・Jリーグは、政府の「無観客開催」の要請に渋々応じて、緊急事態宣言の対象地域(東京都、大阪府、京都府、兵庫県)の試合を無観客にすることを決めたが、プロ野球の斉藤惇・日本野球機構コミッショナーは、怒りに身を震わせた。これまで東京五輪・パラリンピックに協力的だったのに、「東京五輪を開催してもいいのか!」とまで言及したのだ。

   読売新聞(4月25日付)「感染対策、完全に統制されているのに...プロ野球無観客は『どうしても納得いかぬ』」が、こう伝える。

「無観客での公式戦開催という苦渋の決断をしたプロ野球。鳴り物を使わない新しい応援スタイルや、選手らへの定期的な検査などで昨季から積み上げてきた感染対策の知見が認められなかった点には、疑問の声も上がった。 『防疫体制の検証を繰り返し、延べ数万回のPCR検査を実施するなど、完全に統制されたもとで遂行されるプロ野球やJリーグが、監視されない中で集まったり飲食したりするグループなどと一律に同じ条件にされてしまうのは、どうしても納得がいかない』。斉藤惇コミッショナーは4月24日の記者会見で、こう不満を漏らした」

   プロ野球とJリーグが2020年3月に設立した『新型コロナウイルス対策連絡会議』での会合は、今年4月までに30回にのぼる。国立研究開発法人・産業技術総合研究所などとも連携し、より安全な試合開催のための調査にも取り組んできた。

   斉藤コミッショナーは、

「合理的な説明と経済的な補償がなければ、簡単には受け入れられない。政府や自治体も我々が苦渋の選択に至った経緯を理解していただきたい」

   と語気を強めた。

   朝日新聞(4月25日付)「プロ野球、再び無観客 コミッショナー『納得いかない』」でも斉藤コミッショナーの無念を、こう説明する。

「いつも穏やかな斉藤惇コミッショナーが、珍しく感情をあらわにした。『納得がいかない。プロ野球を強制的に止める(無観客にする)のだから、きめ細かい施策の適用が求められる。スポーツイベントが禁止ということであれば、五輪ともからんだ合理的な説明と、経済的な補償がなければ、簡単には受け入れられない』と踏み込んだ」

   「コミッショナーの五輪に対する発言は重い。日本野球機構はこれまで、東京五輪開催への協力姿勢を示してきた。選手や観客の感染防止対策のさまざまな情報を大会組織委などに提供してきた立場だ。対策に多額のコストをかけ、スポーツ界の先頭に立って有観客で試合挙行の実績を積み上げて来た自負がある。それだけに、政府からの無観客の要請をそう簡単に受け入れるわけにはいかなかった」

   我々が協力して「有観客で東京五輪を開けるように努力してきたのに、我々に無観客で開催しろとは、東京五輪を開けなくなってもいいということか」という怒りを言外に含んでいる。

女性IOC委員「五輪の可否は医療者が判断すべき」

   その東京五輪だが、緊急事態宣言を受けて海外が日本の状況を見る目も一段と厳しくなった。

   スポーツニッポン(4月24日付)「豪 五輪最終予選に選手団派遣せず 飛び込みW杯、緊急事態宣言を受け」が、早くも選手の派遣を危険視する国が出て来たことを伝えている。

「水泳・飛び込みのオーストラリア連盟は4月23日、東京五輪最終予選とテスト大会を兼ねて5月1日~6日に東京アクアティクスセンターで行われるW杯(ワールドカップ)に選手団を派遣しないと発表した。東京都に緊急事態宣言が再発令される状況を踏まえ『派遣が安全でないことが明確となった』とした。 W杯で争う出場枠について今後、国際水泳連盟と交渉する。国際水連が掲げる『安全で公平な五輪予選』を、この時期に開催することは『現状では不可能だと考えている』と訴えた」

   そんななか、カナダの女性IOC(国際オリンピック委員会)委員が、「東京五輪の開催の可否はIOCではなく、医療専門家が決めるべきだ」という画期的な主張を訴えた。アイスホッケーなどで6回の五輪出場歴があるヘイリー・ウィッケンハイザーさんだ。今年2月、森喜朗・前東京五輪組織委会長の女性差別発言が問題になった際、

「今夏、東京で会いましょう。あなたを必ず追い詰めます」

   とツイートした人である。

   カナダのCBCスポーツ(4月23日付)「Hayley Wickenheiser again sounds alarm, saying wrong people making decision on Olympic Games」(へーリー・ウィッケンハイザーが再び警告 間違った人々がオリンピックの可否を決めてはいけない)が、こう伝える。

「アイスホッケー女子の五輪金メダリストでIOCのへーリー・ウィッケンハイザー委員(カナダ)が4月23日、東京五輪の開催可否をIOCではなく医療関係者が決めるべきとの考えを示した。CBSスポーツの取材に対し、安全性と公衆衛生に基づいて医療や保健の専門家が透明性のある判断を下すべきだと述べた」
東京五輪の可否は医療の専門家が判断すべきと訴えたウィッケンハイザー委員(CBCスポーツ電子版4月23日付)
東京五輪の可否は医療の専門家が判断すべきと訴えたウィッケンハイザー委員(CBCスポーツ電子版4月23日付)

   ウィッケンハイザーさんは現在、大学の医学部で勉強、あと2週間で卒業するという。カナダのカルガリーで新型コロナ患者のケアに携わってきた。ウィッケンハイザーさんは、

「この1年に私が見てきた出来事の後で五輪について考えるのは非常に難しい。私は(患者の)大変な苦しみを目にしてきた。一方で、出場のチャンスをつかもうと何年も練習してきたのに、五輪がパンデミックの時期に当たってしまった選手たちには同情している。中止になろうが開催されようが、そこに勝者はいない。どこも厳しい状況にある」

   と語った。だからこそ、ウィッケンハイザーさんは、

「五輪に投資している大企業や放映権を持っているテレビ局ではなく、(中立な)外部の誰かの判断が必要だ。非常に明確で透明性のある説明が求められる。それは医療関係者によってなされるべきだ」

   と訴えたのだった。

(福田和郎)

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