2024年 4月 20日 (土)

人も企業もすそ野拡大、まだまだ足りない「食品ロス」への取り組み(鷲尾香一)

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   農林水産省と環境省は2018年度の食品ロス量を発表が、前年度比12万トン減の600万トンと、食品ロス量の推計を開始した2012年度以降、最少となったと発表した。

   ただ、世界的にSDGs(持続可能な開発目標)が注目されるなか、食品ロスの削減が十分に進んでいるとは言えない状況だ。

  • 「食品ロス問題」若者ほど知らない……(写真はイメージ)
    「食品ロス問題」若者ほど知らない……(写真はイメージ)
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削減ペース遅く......

   2018年度の食品ロスの量600万トンを国民1人あたりに直すと、1日約130g(茶碗約1杯分のごはん量)に相当する。年間では47kgと年間の1人あたりの米の消費量(約54kg)に近い量のロスが発生している。

   確かに食品ロスの量は、推計を始めた12年度の643万トンから減少した。しかし、7年間で43万トン(年度平均で6万トン程度)の削減でしかなく、大きく削減できているとは言い難い状況だ=表1参照。

   食品ロスの状況を事業別にみると、外食産業が116万トンと最も多い。前年度と比べて11万トンの減少となっているものの、2012年度の119万トンから15年度には133万トンに増加しており、恒常的に減少しているわけではない。

   同様に食品小売業は18年度に66万トンと、前年度比2万トン増加しており、12年度以降の動向でも高止まりが続いている。食品卸業も15年度の18万トンから16年度には16万トンに減少したが、その後は横バイが続いている。

   食品製造業は2012年度の141万トンから18年度には126万トンと15万トン減少したが、前年(17年)度からは5万トンも増えている=表2参照。

   一方、家庭などによる食品ロス量も、2012年度の312万トンから18年度には276万トンと36万トン減少し、年々減少してはいるものの、引き続き高い水準で食品ロスが発生している。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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