2021年 7月 24日 (土)

オンライン営業では「有効面談時間」が計れない! では、どうやって成果を上げる?(大関暁夫)

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   営業において成果を上げるための重要要素である「営業活動量」は、リアル営業では有効面談時間がその指標になるわけですが、活動の中心がオンラインに変わってしまうと、営業活動量を面談時間では計れないということになってきます。

   なぜならば、オンライン営業ではリアル営業で一般的に行なわれていた懇親訪問での情報提供やヒアリングという行為がしにくくなるという事情があるからです。

  • オンライン営業で相手のニーズを探る(写真はイメージ)
    オンライン営業で相手のニーズを探る(写真はイメージ)
  • オンライン営業で相手のニーズを探る(写真はイメージ)

リアルな営業活動を何に置き換えていくのか!?

   しかしリアル営業のような懇親訪問活動ができないからと言って、オンラインで提案セールスやプレゼンテーションに絞った営業活動になってしまったのでは、成果につながる可能性は以前よりも低くなってしまうでしょう。

   情報提供やヒアリングという相手とのキャッチボールを抜きでは、相手のニーズや状況を無視して、闇雲に売り込むような押し売りに近い状態にもなってしまいかねないからです。

   リアル営業からオンライン営業に活動の中心が移る中で、「商談時間が減って、商談の成約率も下がった」という声が多数の企業から聞こえているのは、このような理由によるものと考えられるのです。

   国土が狭く、これまで対面商談に頼ってきた日本の営業活動では、リアル面談の時間の多寡が成果に直結してきました。ところが営業のオンライン化の進展によって、営業面談時間は圧倒的に減ってしまうわけなので、それをどのように埋め合わせをして「営業活動量」を確保していくのか。それこそがオンライン営業で成果を上げていくために重要な部分を占めているといえそうです。

   すなわち、この問題のポイントは、リアルで行なってきた訪問による情報提供やヒアリング活動を何に置き換えていくか、ということになるわけです。

   日本に比べて圧倒的に国土の広い米国などでは、リアルの商談のために飛行機などの移動手段を使うことはごくごく当たり前でもあり、もともと日本に比べれば圧倒的にリアル面談中心に商談をすすめるという度合いが低いのです。

   極端な例を挙げれば、飛行機を使って闇雲な飛び込み営業をすることなど、米国ではまずあり得ないわけです。まずはリモートでターゲット先とやり取りをしながら、感触のいい先やニーズの合致先に狙いを絞りつつ、商談をしかけていく、という営業の流れになるのです。こういった直接面談に依らない遠隔営業のスタイルを、「インサイドセールス」と呼んでいます。

コロナ禍の今、インサイドセールスに置き換える

   つまり、わが国の営業でも今回のコロナ禍を一つのきっかけとして、リアルで行なってきた訪問による情報提供やヒアリング活動時間を、インサイドセールスに置き換えていくことが有効な方法であると考えられるのです。

   この場合のインサイドセールスの定義ですが、Eメールなどによる情報提供や電話などを通じた現状認識のヒアリングなどを通じて、一方的、時に双方向のコミュニケーションを適宜取りながら潜在的なニーズを刺激し、成約の可能性が高まるまで育てていくこと、となるでしょう。

   具体的な方法で例示します。まずはメールです。

   メールでは業界ニュースやホワイトペーパーといわれるものでの情報提供が有効です。ホワイトペーパーとは、課題解決方法や導入事例あるいは課題に関するレポートやアンケート調査などを提供する、情報ツールのことを言います。要するに、「売らない」「セールスしない」メールが有効なのです。

   ポイントは、単発ではなく定期的かつ継続的に情報提供を続けることで、この場合、メールから自社のホームページにアクセスさせるなどによって、その履歴を追うなど、相手の関心度合いを確認する手立てを用意することが重要です。

   積極的な情報取得手段としては、アンケート形式で返信を促したり、調査レポートを記名式で申し込ませたりするのも有効です。このような段階を経て、関心が確認された先に、次なるアクションを仕掛けていくことになるのです。

攻めどきを探る......

メール、電話、オンライン商談... 役割分担は大事(写真はイメージ)
メール、電話、オンライン商談... 役割分担は大事(写真はイメージ)

   電話は闇雲にコールをするのではなく、少なくとも情報提供を進めてきたメールでの投げかけ結果として、感触の良い先を絞り込むなどして実施すべきでしょう。その内容も、この段階では売り込みではなく、あくまでヒアリングをメインとするべきです。

   目的は相手のニーズ把握です。ニーズがありかつ自社のセールスに合致すると把握できた段階で、初めて商談の設定を申し出るべきであり、その流れをつくることで商談での成約に持ち込める確率は格段に上昇するでしょう。

   最近、「コロナ禍で営業活動の中心をリアルの営業活動から遠隔セールスにシフトさせたものの、まったく成果があがらない」とのお悩みをよく耳にします。相手のニーズを把握することなくメールや電話での売り込みを増やしても、成果があがらないのは当然です。

   メール、電話、オンライン商談、それぞれの役割をしっかりと区分けして、インサイドセールスと商談の切り分けをした営業スタイルを再構築するが、リアル営業からオンライン営業への移行おいては重要なのです。

   次回は、リアルからオンラインに営業を移行させ成功している先のインサイドセースル事例を株式会社カレン藤崎社長からご紹介いただきます。(大関暁夫)

※大関暁夫氏、藤崎健一氏が共同で、定期的に「成功するオンライン営業」に関する無料セミナーを開催しています(主催:株式会社カレン)。5月は20日にゲストをお呼びして「有効なターゲットリストのつくり方」をテーマに開催予定です。セミナー内容詳細およびお申し込みは、こちらでお願いいたします。

大関 暁夫(おおぜき・あけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役 企業アナリスト
東北大学経済学部(企業戦略論専攻)卒。1984年、横浜銀行に入行。現場業務および現場指導のほか、出向による新聞記者経験を含めプレス、マーケティング畑を歴任。全国銀行協会出向時には対大蔵省(当時)、対自民党のフロントマンも務めた。中央林間支店長に従事した後、2006年に独立。銀行で培った都市銀行に打ち勝つ独自の営業理論を軸に、主に地域金融機関、上場企業、ベンチャー企業のマネジメント支援および現場指導を実践している。
メディアで数多くの執筆を担当。現在、J-CAST 会社ウォッチ、ITメディア、BLOGOS、AllAboutで、マネジメント記事を連載中。
1959年生まれ。
藤崎 健一(ふじさき・けんいち)
株式会社カレン 代表取締役社長。
静岡県生まれ。大学卒業後、大手カタログ通信販売会社へ入社。ダイレクトマーケティングを学ぶ。米国シリコンバレーで研修後、「すべての企業に顧客データ活用のマーケティングを!」を掲げ、日本初の「Eメール・マーケティング」サービスを手掛け、自動車や化粧品、ゲームメーカーなど幅広い企業にサービスを提供。また国内でいち早く、大手消費財メーカー向けオンライン営業を立上げ、非対面で顧客との関係性を構築したうえで、ポテンシャルある顧客を営業へ繋ぐ「インサイドセールス」を実践。「すべての企業にインサイドセールスを!」を掲げ、中堅・中小のBtoB事業者向けにサービスを展開中。
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