2021年 7月 31日 (土)

ソニーが純利益1兆円「複合企業」で稼ぐ力アップ 今後の主力は「娯楽」M&Aにも前のめり

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成長のカギはハードとソフトの相乗効果

   ソニーといえば、ひと昔前までは「お荷物」の電機の構造改革に四苦八苦していた。2014年3月期に「VAIO」ブランドのパソコン事業を売却するなど1800億円の損失を出し、2015年3月期にも携帯事業などで2800億円の損失を計上した。こうした不採算事業からの撤退とともに、テレビの大型液晶や有機EL、デジタルカメラのミラーレス商品など高価格帯への集中を進め、稼ぐ力を高めてきたことが、ようやく花開いてきた。

   ゲームや映画、音楽などの娯楽関連事業では、ヒット作の有無で大きく業績が左右されることが多かったが、PSのオンライン会員制による課金、楽曲のストリーミング再生など、継続的な課金による収入を増やし、収益が安定してきている。

   こうした多角化の一つの集大成として、21年4月1日に旧ソニーをソニーグループに社名変更し、グループの司令塔となる持ち株会社とし、各事業会社がそこにぶら下がる形に整理した。電機事業の「ソニーエレクトロニクス」を「ソニー」に社名変更して残すが、軸足はやはりゲームなど娯楽関連事業になる。20年12月には米アニメ配信大手「クランチロール」を約1200億円で買収するなど、この年から始まった中期経営計画(2023年3月期までの3年間)で戦略投資枠2兆円を設け、娯楽関連を中心にM&Aにも一段と力を入れる考えだ。

   ただ、そうした分野は成長産業であり、競争も激しい。映画大手の米ウォルト・ディズニーや米AT&T傘下のワーナーメディア、ネットフリックス、アマゾンなど新旧入り乱れて映像配信の激烈な競争を展開している。

   前述のクランチロール買収についても、ネットフリックスへの作品供給を止めて自社配信に集中するディズニーとは違い、今のところ、ソニーが持つ映画などのコンテンツの自前での配信には必ずしもこだわっていないようだ。他社の配信で収益を上げられるということだが、他社に頼りすぎると採算性は落ちる。そのバランスをどうとっていくか、今後の課題だ。

   そこでは、映画、音楽、ゲーム、電機などハードとソフトの幅広い事業をグループ内に抱えている強みをいかに発揮していくかがカギになる。たとえば「鬼滅の刃」のゲーム化を計画しているというが、そうした多面的展開、さらに自社のデジタル放送機器を遠隔の音楽ライブに活用するなど、相乗効果を生み出していけるかが、今後の成長を左右するだろう。(ジャーナリスト 岸井雄作)

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