絶好調の米国株 どう読む! まだまだ上昇、それとも下落か?【投資の基本を知る その5】(小田切尚登)

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   2020年末に「だから、アメリカの株を買いなさい!」(J-CASTニュース 会社ウォッチ「だから、アメリカの株を買いなさい!【投資の基本を知る その4】」2020年12月28日付)という記事を書いた。

   今回はそれを検証しつつ、今後の指針を書いてみたいと思う。一つの投資方針が半永久的に続けられることはなく、市場環境の変化を見ながら常にそれの妥当性を見直していく必要があるからだ。

  • 絶好調の米国株をどう読むか!?
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米国株は年末から5か月で12%アップ!

   私がこの記事を書いた昨年末に、米国を代表する株価指数であるS&P500(米国の上場企業500社の株価を加重平均して求めた指数)は3756ドルであった。当時はコロナ禍で2020年3月に2100ドル台まで落ち込んだのが持ち直して、史上最高値に上がったところだった。

   その段階で「買いなさい!」となどと書いた私のことを、訝しく思った人もいただろう。

   それがこの4月29日には、S&P500の終値が4211ドルにまで上昇した。つまり、5か月間で約12%上昇したということだ。

   さらにドル円の外国為替レートが昨年末から約103円から約108円に上昇したので、円ベースでみれば17%以上上昇したことになる。読者のみなさんに儲けていただいたとすればこんなに嬉しいことはない。

   ちなみに同じ時期に、日経平均株価は2万7444円から2万8812円へ、約5%上昇した。

   しかし、終わったことをあれこれ言っていても仕方がない。問題は、これからどうなるかである。相場は上がることもあれば下がることもある。そうそういつまでも良い日が続くはずがない。米国株が最高値まで上がってしまったら、そろそろ下がっていくのではないか――。そう考えても不思議はない。

   株式市場をめぐる環境は絶好調に見える。何より米国経済の調子が良い。コロナ禍で経済は一度大きく失速したが、ワクチンのおかげでそのくびきから解き放たれた。2021年第1四半期(1月~3月)のGDP(国内総生産)は、年率で6.4%の伸びを示した。2019年に記録したGDPの史上最高に迫る数値だ。

   なかでも、大手ハイテク企業の伸びはすさまじい。コロナ禍で外出がままならない中で、iPhoneを使い、グーグルで検索し、アマゾンで買い物をし...... という「巣ごもり」傾向が加速した。アップル、アマゾン、グーグル、マイクロソフトの4社の時価総額の合計は800兆円を超え、東京証券取引所の全上場企業3770社の時価総額の合計約700兆円を、大きく上回る。

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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