2024年 4月 27日 (土)

これは意外!「菅首相応援団長」の産経新聞・フジテレビが「尾身発言は正しい」と称賛するワケ

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産経新聞「尾身発言は正しい。首相は真面目に応えよ」

尾身茂会長の提言に無視を決め込んだ菅義偉首相
尾身茂会長の提言に無視を決め込んだ菅義偉首相

   これほど「菅首相応援団長」に見えていたのに、産経新聞は何に憤っているだろうか。6月8日付主張(社説)を読むと――。

   まず、冒頭に、

「月曜の朝は快挙で明けた。女子プロゴルフの最高峰、全米女子オープンで日本の笹生優花と畑岡奈紗がプレーオフを戦い、笹生が優勝した。ギャラリーに囲まれたグリーンで抱き合い、健闘をたたえ合う2人の姿が美しかった」

と、スポーツ界の快挙ラッシュを称賛する。女子ゴルフの笹生優花、スケートボードの男子・堀米雄斗と女子・西村碧莉がアベック優勝、陸上男子100メートルの山県亮太の9秒95の日本新記録、体操・内村航平の五輪代表決定......などだ。すべての快挙に共通するのは東京五輪への思いの深さだという。彼らは競技と感染症対策の両面で実績を積み、結果を出した。菅首相は彼らの思いに答えろと、叱咤する。

「尾身茂会長が国会で『本来はパンデミックで五輪をやることが普通ではない』と述べて波紋を呼んでいる。発言は『やるのなら、強い覚悟でやってもらう必要がある』と続き、感染対策の徹底を訴えたものだ。尾身氏の立場からいえば発言は正しい。ウイルスの感染抑止のみを考えれば、ベストの選択は五輪の中止である」
「ただしそれは、プロ野球やJリーグ、映画、芝居についても同様だ。すべてを止めれば、社会そのものが停止する。何を動かし、何を止めるか。専門家の意見を聞き、決断するのは政治の役目だ。尾身氏の発言の中で、最も首肯すべきは『五輪をこういう状況の中で、いったい何のためにやるのか、はっきり明言することが重要だ』と述べたことだ。菅義偉首相に向けた言葉だ」

   そして、産経新聞は菅首相の言動を問題視する。

「菅首相は東京五輪について問われ、『まずは緊急事態宣言の解除に全力を挙げたい。国民の命と健康を守ることが開催の前提条件だ。前提が崩れれば行わないということだ』と述べた。これでは『何のために』という尾身氏への答えになっていない。こうした答弁が続くようでは、いよいよ国民の心は五輪から離れてしまう。東京五輪の意義について、開催国の首相としてしっかりと語ってほしい」

   内村航平選手は「(五輪ができるか、できないかでなく)どうやったらできるか、皆で考えてほしい」と語り、「選手のエゴだ」「五輪ありきは許されない」と大バッシングを受けた。産経新聞はこう結ぶ。

「選手を批判の矢面に立たせてしまった反省も政府に求めたい」

と、菅首相に「なんのためにやるのか」という尾身氏の問いに真正面から答えるべきだと注文をつけたのだった。

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