2024年 4月 26日 (金)

グレタさん、航空機に乗って!! 「飛び恥」払拭に航空会社が使う「SAF」って何だ?

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

航空会社が取り組む「環境配慮経営」の現れ

   それではSAFを導入することで、どれほど効果があるのだろうか――。

   国土交通省の試算によると、航空機燃料に最大50%混合した場合、CO2削減率が50~80%のSAFを使用すると、通常の燃料に比べてCO2を2~3割削減が可能という。削減効果をより高めるには、原料栽培から輸送までの一連の流れの合計で排出量が少ないSAFの導入や、混合比率の上限を撤廃することも検討課題となりそうだ。

   ANAの持ち株会社ANAホールディングス(HD)とJALは、いずれもCO2排出量を2050年に実質ゼロとする目標を掲げており、そのためにSAFの利用比率を高めていく方針だ。

   国内のCO2総排出量(2018年度)のうち、運輸部門が占めるのは18.5%だ。国内航空は運輸部門全体のうち5.0%に過ぎない。運輸部門の8割は自動車が占めており、自動車以外は国内航空と内航海運(4.9%)、鉄道(3.9%)程度だ。それでも1人を1キロメートル運ぶ際に排出されるCO2の量で比べると、航空は鉄道の6倍近くもあり、そこが環境派から非難されるゆえんだ。

   コロナワクチンの接種が一定程度行き渡ると、2023年にはビジネスや観光に伴う人の流れがコロナ前の水準まで回復するという見方もある。

   コロナ禍で業績が落ち込んだ航空業界にとっては、回復する需要をいかに取りこぼさないかは、今後の経営の鍵を握っていると言えよう。そのためには、「飛び恥」のようなマイナスイメージを可能な限り払拭することが必要。今回のSAFの使用は、環境に配慮する姿勢を社会に広くアピールする意味もありそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

姉妹サイト

注目情報

PR
コラムざんまい
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中