2021年 11月 28日 (日)

スコットランド2000人集団感染でわかった! 東京五輪は「無観客でも感染拡大」の「オウンゴール」(井津川倫子)

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   2021年6月中旬から各地で開かれているサッカーのヨーロッパ選手権で、選手やサポーターたちの新型コロナウイルスの感染が続々と確認されて脅威となっています。イギリス北部スコットランドの保健当局が、開催から約2週間でヨーロッパ選手権に関連して感染が確認されたスコットランド在住者が1991人にのぼると発表しました。

   開催地の一つロシアのサンクトペテルブルグでは、試合後に感染が拡大して1日の死者が過去最高を記録するなど、各地で大規模感染が広がっています。スコットランドの専門家はコロナ禍での大規模スポーツ大会を痛烈に批判。東京五輪での感染リスクも現実味を帯びてきました。

  • 東京五輪・パラリンピックの開催でコロナ感染の拡大は必至?(写真は新国立競技場)
    東京五輪・パラリンピックの開催でコロナ感染の拡大は必至?(写真は新国立競技場)
  • 東京五輪・パラリンピックの開催でコロナ感染の拡大は必至?(写真は新国立競技場)

専門家は「スポーツ大会はコロナ感染拡大のオウンゴールだ!」

   それにしても、衝撃的なニュースです!

   スコットランドの保健当局が、ヨーロッパ選手権の試合や関連イベントと新型コロナウイルス感染との関連を調査した結果、大会開催から2週間ちょっとで、なんと1991人の関連感染が確認されたというデータを発表! 欧州だけでなく世界中で動揺が広がっています。

Scotland Records Nearly 2,000 COVID-19 Cases Linked To Euro 2020
(スコットランドは、ヨーロッパ選手権に関連して約2,000人のコロナ感染者を記録した:インドメディア)

Surge in Scottish cases raises Euro 2020 safety concerns
(ヨーロッパ選手権でのスコットランド人の感染爆発で安全性への疑念が広がっている:英紙ガーディアン)

   報道によると、1991人の感染者のうち3分の2にあたる1294人がロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われたイングランドとスコットランドの試合に関係した人たちだったそうですが、たった1回の試合でこんなに感染が広がるのかと恐ろしくなります。

   ヨーロッパ選手権に関連した感染拡大が確認されているのは、スコットランドだけではありません。ロシアのサンクトペテルブルグで行われた試合では、フィンランドとロシア両国でも感染が広がっていると報じられています。

Covid infections rise to 300 among returning Finnish Euro fans
(ロシアでの試合観戦から帰国したフィンランド人サポーター300人がコロナ感染:AFP通信)

St. Petersburg Posts Record Covid Toll Following Euro 2020
(サンクトペテルブルグではヨーロッパ選手権の後、コロナ関連死者数が最多を記録:露モスクワタイムズ)

   サンクトペテルブルクでは、サッカーのヨーロッパ選手権の試合が始まってから新型コロナの感染が再び拡大し、開始3週間後には1日の死者がこれまででもっとも多くなっているとのこと。試合観戦のために国内外から多くの人が訪れていただけに、欧州各国に衝撃が走っています。

WHOも警告!「無観客」でも感染拡大のリスク

   ヨーロッパ選手権は、準々決勝が始まる「これから」が本番。ファンの盛り上がりに比例するように急増する感染者数。観客を入れての試合決行に、各国から批判の声が高まっていましたが、とうとうWHOが「警告」を発する事態となりました。

WHO sounds alarm over Euro 2020 as Covid cases soar
(ヨーロッパ選手権でのコロナ感染急増に、WHOが警笛を鳴らした:AFP通信)
sound alarm:警笛を鳴らす

   今回、WHOがヨーロッパ選手権と新型コロナ感染拡大の関係を「公に認めた」ことがニュースになっていて、米ニューヨークタイムズ紙も大きく取り上げていました。

   注目すべきは、試合会場での観戦よりも会場外の移動や、パブやカフェでの「密状態」が感染源になっているケースが多いという報告です。

   たとえば、約2000人の感染が確認されたスコットランド保険当局の報告によると、実際にスタジアムで観戦した人の感染が400人弱なのに比べて、会場外にいた人たちの感染は900人近くに達するとのこと。

   つまり、人数制限でソーシャル・ディスタンスが徹底されていたり、マスクの着用が厳しく求められたりする試合会場やパブリック・ビューイングの会場と比べて、ファンが興奮しながらテレビ観戦をするカフェやパブや、移動中の交通機関のほうが「無法地帯」となって感染が広がるリスクが高いというのです!

試合会場外で感染爆発が起こるリスクは?

   そうなると、恐ろしいのが東京五輪・パラリンピックでの感染リスクです。「無観客」の可能性も伝えられていますが、たとえ会場が「無観客」だったとしても、街中での観戦はコントロールできません。

   さらに、サッカーのヨーロッパ選手権とケタ違いに規模が大きいのが五輪です。世界のあちこちで、パブやカフェで観戦しながら自国選手団を応援したり、家族や友人と「家飲み」をしながら観戦したりするでしょう。

   「試合会場外」での感染爆発が起こるリスク......。スコットランドの専門家は次のように警告しています。

The rise in Covid cases linked to the Euros shows the country risks scoring an "own goal"
(ヨーロッパ選手権に関連したコロナ感染者の急増は、感染拡大のオウンゴールになるリスクを示している:スコットランドメディア)

   それでは、「今週のニュースな英語」は、「sound alarm」(警笛を鳴らす)を取り上げます。

He sounded an alarm
(彼が警笛を鳴らした)

「over」を使うと「~について警笛をならす」となります。

He sounded an alarm over security
(彼が安全性について警笛を鳴らした)

Please sounded an alarm if anything happens
(何かあったら、警笛を鳴らしてください)

   開幕が近づくにつれ、次々に明らかになる「東京五輪の感染リスク」。無観客開催を議論する前に、開催そのもののリスクを世界中で共有する必要がありそうです。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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