2022年 6月 28日 (火)

「もう共働きじゃないとやっていけない」 上場企業の平均年収は603万円、初めて前年より下回る

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   新型コロナウイルスの感染拡大が上場企業の社員の収入に大きな打撃を与えている。上場2459社の2020年度(20年4月~21年3月期)の平均年間給与は603万2000円で、初めて前年度より10万8000円(1.7%減)減少した。

   東京商工リサーチが2021年7月21日、「上場企業2459社2020年度決算『平均年間給与』調査」でわかった。調査は2020年度決算の上場企業を対象に、有価証券報告書の平均年間給与を抽出し、分析した。

  • 「しっかり稼いでいます」といいたいが……(写真はイメージ)
    「しっかり稼いでいます」といいたいが……(写真はイメージ)
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最高額が建設業の732万円、最低の小売業の1.5倍

   平均給与は2012年度から8年連続で上昇したが、2020年度に初めて減少に転じた。コロナ禍での業績悪化が深刻になったことや残業時間の減少なども影響した。

   国税庁の民間給与実態統計調査(2018年分)によると、正規社員の平均給与は503万5000円(全体440万7000円)で、上場企業は99万7000円上回ったが、その差は縮小した。また、平均給与の中央値は587万9000円で、2年連続で低下した=下のグラフ参照

グラフ:上場企業の平均年収の推移(東京商工リサーチ作成)
グラフ:上場企業の平均年収の推移(東京商工リサーチ作成)

   2459社のうち、前年度より平均給与が増加したのは943社(38.3%)に対し、減少は1508社(61.3%)で、減少した企業数が増加した企業数を上回ったのは、2012年度以降で初めてだ。

   産業別にみると、最高額が建設業の732万4000円。2013年度以降、8年連続で増加したが、増加額は2016年度の21万2000円増をピークに縮小している。  そのほか、不動産業706万3000円、電気・ガス業689万7000円と続く。一方、最低は小売業の476万7000円で、唯一400万円台にとどまった。

   コロナ禍の影響が特に懸念される小売業とサービス業(平均給与535万2000円)の不振は深刻で、平均給与の減少は、小売業が181社のうち100社(55.2%)、サービス業は215社のうち120社(同55.8%)と、2業種とも半数を超えた。

   平均給与トップの建設業と最低の小売業の差は255万7000円となり、前年度より6万4000円拡大し、1.5倍の格差が生じている=表1参照

表1:産業別の平均年収(東京商工リサーチ作成)
表1:産業別の平均年収(東京商工リサーチ作成)

最高額は不動産業ヒューリックの1708万円

   企業別にみると、平均給与が1000万円以上は39社で、前年度より3社減少した。最高額は、不動産事業などを手掛けるヒューリックで1708万1000円。前年度の1760万9000円から減少したものの、2年連続で1700万円台を維持した。 2位は三菱商事(1678万3000円)、3位は伊藤忠商事(1627万8000円)、4位は三井物産(1482万5000円)、5位は住友商事(1356 万3000円)と、総合商社が続く=表2参照

表2:企業別の高額平均年収のランキング(東京商工リサーチの表をもとに編集部が作成)
表2:企業別の高額平均年収のランキング(東京商工リサーチの表をもとに編集部が作成)

   前年度2413万1000円と、唯一2000万円台でトップだった売掛債権保証の「イー・ギャランティ」は597万3000円に減少、1133位に下落した。同社は前年度、株式報酬が大幅に増加したため、前々年度1561位(485万1000円)から一気にトップに躍り出たが、元に戻った。

   平均給与の増加率トップは、松井証券で前年度比24.3%増。業績好調で賞与が増加したほか、 20年度はコロナ禍での慰労金として全社員に賞与1か月分を支払い、平均給与を大幅に押し上げた。

   なお、調査対象外の持株会社377社では、最高はTBSホールディングスの1501万6000円だった。

「給料安いけど上場企業の平均よりまし」と公務員

   インターネット上では、今回の調査結果について、「上場企業といっても、意外に少ないのだな」と、驚きの声が多かった。

「600万円だと手取りは470万円くらい? てことは月40万円弱(ボーナス含む)での生活。厳しいな。子どもがいれば、1人ではおそらく何もできないから2馬力(編集部注:夫婦共働き)か......。会社の給料だけが収入源の時代ももう終わりですね」
「民間の人たちには妬まれるけど、苦労して公務員になってよかった。給料安いけど上場企業の平均よりはマシだし」
「せめて、上場企業が世の給与相場をけん引して景気のよい消費者を増産してくれないとね。もう総中流社会には戻らないにせよ、努力の恩恵が労働者にきちんと行き渡るような社会になってほしい」
「上場企業の東京のオフィスで働く大卒サラリーマンは、平均よりはるかに多く貰っています。しかし、日本は工業国だから上場製造業の多くは地方の工場で働く高校卒工員です。その大多数の高卒社員が平均給与を下げています。給与面だけを考えるなら、下手に三流大学を出て非上場企業で働くより、工業高校を卒業して大企業の工場で働くほうが収入は多くなります。中学時代にヤンチャだった地元の友人は、川崎重工や三菱重工で働いており、庭付き一戸建てを購入しています(地方なので総額3000万円)。先日も『潜水艦の試験航海に立ち会った、国家機密なので詳細は言えないが』と楽しそうに語っていた。中学時代は偏差値40なかったのに...」
「30年間ほとんど上がってないか、少し下がっているか、という感じだなあ。共働きじゃないととてもやっていけないレベルの給与。厳しいね、日本経済。がんばって働こう」
「その30年の間、税金・社会保障費は増加。消費税も0%から10%に。年金は65歳からに引き上げ(やがては70歳)、貰える金額は減少」

   最後にこんな声を紹介したい。

「この調査で一番の衝撃はイー・ギャランティ。昨年度の年収が2413万円、今年度の年収597万円とか『運ゲー』(編集部注:プレイヤーの腕前よりも運の要素が非常に強いゲーム)過ぎる!どんな給与体系か気になる」

(福田和郎)

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